Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Sasada

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Daughters(2020年製作の映画)

2.0

金とか時間に余裕のある共同生活が生活感により侵食される話で、「程よい距離感を保って」「毎日自由にご機嫌に」なんてのは所詮フィクションだよねって映画。

あまりに現実感がなくて、後半になってまだそんなと
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

3.8

登場するキャラクターみんなを身近に感じて好きになっちゃう映画で、成功/失敗とか、モテ/非モテとか、大人/子供とか、それぞれが独立しつつ確かに交わり合う映画だった。
まさに“ヴァカンス”な刹那的で幸福な
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

家族って醜いねって映画で、それなりに年齢を重ねた大人が怒りや戸惑いをフルに垂れ流してまともに会話ができない姿には結構辟易とした。
他人とコミュニケートしようとするときになんであんなに攻撃的になるんだろ
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.5

どえらい閉塞感に満ちた作品で、劇的な何かは起こらないし奇跡的な出会いなど転がっていない。偶然手に入れた銃の力はゴキブリを殺すにもおぼつかず、自動車のスピードをもってしても一線を越えられない。

コージ
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.3

過去のトラウマに苦しむ人々が、他者(特に恋愛)によって救われるのではなく、自らの手で自らを抱き締めることで癒やされてゆく。
いわゆる恋愛もののフランス映画とは一線を画す作品で、現代的でとても良いと思っ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

黒人やアジア人、そして動物。
いずれも白人社会で“見られる客体”として消費されてきた者たち。

目が合うと襲ってくるあの生命体は、安全圏から「見る主体」として傍若無人に振る舞う人々への警告っぽくうつる
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柄本家のゴドー(2018年製作の映画)

3.5

柄本佑と柄本時生が父の演出でゴドーを演る。その稽古の様子をおさめたドキュメンタリー。

「昔は分かろうとするから分からなかった。でも今は分からないことが分かるようになった」
「“こうやって演じよう”じ
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2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

3.4

美しい思い出になる10年を
不安に歩く私でしたね
(木下龍也「あなたのための短歌集」 より)

選択肢は多く、考える時間もある。傷ついてすり減る20代の日々を、未来のわたしが肯定してくれる話。

ウデ
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ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.9

「心と体と」は年間ベスト級に好きだった映画で、あれも他者との関わり方に関する繊細な作品だったなと。

自分が認知できたり触れる範囲なんてたかが知れていて、ましてコントロールなどできるはずがない。他者へ
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デイ・シフト(2022年製作の映画)

4.0

潔くてカラッとしてる、アクションの見せ方に全て振り切った映画。

ヴァンパイア相手だから、理由の薄い発砲も串刺しも「可哀想」とかあんま思わなくて、容赦なく片付けていく様の爽快さが勝る。

複数人が絡む
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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.4

堤真一も怖いけど、どこかしこで独り言ぶちかます中川大志と初対面で踏み込みまくる矢田亜希子親子もそこそこ怖えーよと。

能力によってではなく志によってヒーローを語る映画で、誰もが誰かのヒーローたりうると
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.0

2時間以内で観られるようにしたのは勇気ある選択だと思う。最近どんどんと高尚なものになってるヒーロー映画の逆を行く、薄味ポップコーンムービー。

延々ヴェノムとイチャイチャしてるだけで盛り上がりもなけれ
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.0

実にスタイリッシュでリズミカル。
場面転換とかいちいち洒落てて、カセットテープを使って前後半を分けるアイデアにもグッとくる。
バッドジーニアスも確かにこういう“語り方”が魅力的な映画だったなと。

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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

3.5

悪徳警官と正義に燃えるルーキーのバディがダーティな方法で事件を解決する話かと思いきや、、な映画。

清濁併せ呑むどころか濁々に浸かり切ったデンゼルワシントンが手駒にできそうな若者をリクルートする話で、
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.8

囚人たちと落ち目の役者が上演する「ゴドーを待ちながら」

その時を待つ ことに関してのプロである囚人たちを起用してあの不条理劇を演ろうという話で、取り組みを通じて彼らの目の色が変わるさまに物語の力を見
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.9

「だってお前は、まだ生きてるじゃないか」
面白かったです。清野菜名すごいなと。観て数日経ったけどこのセリフがやっぱ印象的。

信が超強いってだけの話を前作に続いてやられるときついなと思ってたけれど、む
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.4

月が落っこちてくるぞーっていうディザスタームービー。
映画館でかかって欲しい作品だとは思いつつ、でもまあ破茶滅茶なんで家でゲラゲラ笑いながら観る方が良いのかなーとも。

「月に隠された秘密」が一周回っ
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avec mon mari アベック モン マリ(1999年製作の映画)

3.8

2組の夫婦が互いに浮気しかけて別れかけてくっつく話。
最近でいえば「猫が逃げた」と同じシチュエーションの会話劇で、今泉力哉とかウディアレンとかエリックロメールが好きなら結構ノリノリで観れてしまう映画。
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

困難に陥り、家族含めた周りと衝突し、歌のチカラで人生を歩み出す話。

なんて事無い話ではあるのだけど、それでもきちんとベタを突き詰めた質の高さで圧倒してくる映画。

音の聞こえる世界とそうでない世界を
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説得(2022年製作の映画)

3.4

いささか語りすぎではあるが、第四の壁を破って心情を吐露するダコタジョンソンがチャーミング。
彼女の喜怒哀楽を見せる映画で、正直それ以上でもそれ以下でもない。

グレイマン(2022年製作の映画)

3.4

豪華なキャストとは裏腹に平々凡々なストーリー。
もちろん楽しいけどさしてアクションの見せ場がある訳でもなく、ピンチになったら現れるアナデアルマスは007の方が魅力的だし、主人公はライアンゴズリングをも
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.4

思えば主人公が最初に懐に入れる林檎からして、宗教要素が色濃い映画だったなと。

クローズドな空間で外の世界の縮図を表現するのは確かに「CUBE」的だし、
上と下がそのまま経済格差を象徴するのは「パラサ
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15年後のラブソング(2018年製作の映画)

3.6

人生ってとことんタイミングだ。
交差するその瞬間に心が通じなければそれっきりだし、まさかの他者が行き先を決めてくれたりする。

間が悪くてここ数年は上手くいかなかったとしても、別にその間サボってようと
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キャラクター(2021年製作の映画)

3.4

殺人鬼個人に不遇の過去という“キャラクター”を背負わせるのではなく、ある集団に連綿と受け継がれる“それ”でもって造形する心意気が良いと思った。役者Fukaseの醸す不気味さも良い。

あと小栗旬演じる
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

訳わかんないけど幸福感に満ちた映画で、「ワンスアポンアタイムインハリウッド」を観た後の心持ちに近い。

大きなスクリーンを目一杯使って右から左、左から右へ走る彼らを眺めているだけで“映画を観てる”感が
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スイング・ステート(2020年製作の映画)

4.0

すごい面白いじゃん。なんかあまり話題になってない気がするけどおすすめです。

数年に一度、選挙の前だけまとめサイトのリンクつけて「投票に行こう」と呼びかけるインフルエンサーとか有名人がたくさんいるじゃ
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恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

4.0

劇中でウリが書くコラムと同様に、“恋愛映画らしさ”のシンボルたる「手を繋ぐ」「キスを交わす」「セックスする」をとてもとてもソフトに軽く扱う点が印象的。
それらが愛の証として固定化されちゃってるけど、そ
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.8

実に凡庸でありきたり。アクションのケレンもなくダラダラ冗長な会話で繋ぐマイティ・ソー。福田雄一が作ったのかと思った。

「中年男性が元カノへの思いを断ち切るための話」はドクター・ストレンジで観たばっか
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.6

大金に目が眩む者たち。それぞれに金が必要な彼らの一挙手一投足が、大きなうねりを作り出す。
嵐が去った後、そのカバンは誰の手に?という映画。

後半のネタバラシというかひと展開があくまであっさりで良かっ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

わたしは最悪かもだけど誰だってそんなもんで、それでも好き勝手生きたいし生きられるのだということ。

出会って別れて、嫉妬して愛して、働いて休んで。日々を紡ぐってこういうことなんだ。

たくさん間違える
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

家族に「なる」話をずっとずっと作っている是枝裕和監督。

海街の4人はそれぞれの道を歩みつつも確かに姉妹だったし、
万引きによって生計を立てる彼らは血縁では無い何かで確かに繋がっていたし、
福山雅治と
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.3

コミカルで切実な嘘をめぐる前半から中盤がとても良くて、これどうなるんかなと思ってたら終盤で白けてしまった。

他人の心の内なんて家族だろうが分かるわけがないし、まして死を選んだのなら聞き出すことは不可
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.8

あぁそのシンプルな一言がずっと前に出ていれば。
本来もっと手前で止まれたはずのトラブルの行く末。どこまでもこじれて落ちていってしまった末のコミュニケーション。実に嫌な映画で、まさに吉田恵輔な映画。
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地獄の花園(2021年製作の映画)

3.6

バカリズム×OLということで「架空OL日記」的なコメディを予想してたけど思ったよりアクションだしどこまでも殴り合い。

「いや仕事せえよ」とか「アタマ張るってなんだよ」みたいなツッコミを最後の最後まで
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

3.9

何かを捨てなければ生きていけない世の中で。どうしようもなくて、やるしかなくて、その度に心は死んでゆく。

右に行ったらタランチュラ、左に行ったらアナコンダ。みたいなもんで、それを「自己決定」とか「自己
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恋は光(2022年製作の映画)

3.0

恋する女性が文字通り光ってみえる西条(神尾楓珠)が直面する“恋とは何か?”にまつわるお話。

西野七瀬はこちらが気づくまで健気に待ってくれるし、
馬場ふみかは自分の思いは報われないのに体張ってくれるし
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