Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

Sasada

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アイス・ロード(2021年製作の映画)

3.6

序盤に意味ありげに退場したあの人がその後全く出てこなくて笑ってしまった。最高でした。

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.8

決して真新しくはないけれど面白かったです。

「制御することの美しさ」や「私たちの幸せ」は、果たして誰にとってのものなのか。
家父長制に生きる日常の小さな違和感を、スリラー/ホラーのアプローチで誇張し
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余命10年(2022年製作の映画)

2.0

いかにも小松菜奈がやりそうな小松菜奈で、山田裕貴がやりそうな山田裕貴で、松重豊がやりそうな松重豊だった。

「不治の病にかかった美しいヒロイン」なんて手垢のつきまくった題材を藤井道人がどう描くんだろう
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.9

彼らがまともな生活を送るためには幾つも嘘をつかなきゃならなかったし、まじめに貯めたって届かない額のお金が必要だったし、カムアウトには一世一代の覚悟が必要だった。

「人を愛するのに性別なんて関係ない」
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0

何かを通して何かを見ること。コップを通して窓辺の陽光がリングを作るように、予期せぬ出会いや組み合わせの美しさについての映画だと思った。

小説に何かを見つけたり、よその夫婦を通じて自らを省みたり、拾っ
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.5

窮した者が事態を改善しようと足掻いたとてまともな方法は思いつかないし思いついても実行できず、知らず知らずに負のループにはまっていく。

法や制度は時に間違え、こぼれ落ちた人々を無慈悲に切り捨てる。
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ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.3

営利目的の闇救急車ビジネス。青と赤が画面を支配するドキュメンタリー。

スリリングで派手でパンチの効いたカットとは裏腹に、生活のためのお金を稼がなければならない恐怖に駆動された家族の焦燥はまさに現実と
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

一作目より全然良かったです。
本筋に関係の無い「ホテルマンとはなんぞや」的な話をダラダラ続けないこと、玄関から引いてきての夜→朝をやらないこと それだけでグッド。

出てくる人がみんな嘘ついてたり仮面
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.3

お話云々は正直ピンとこなくて、他者の死をいかに乗り越えるか(もしくは乗り越えないか)であり、連綿と続く記憶と愛の話としてはありきたりな感じがする。
AIと言いつつもう普通に人として馴染んでいて、その辺
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自分の事ばかりで情けなくなるよ(2013年製作の映画)

2.5

クリープハイプのファンでもないのに観たわたしが悪かったです

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.8

伝統やしきたりによって人が人として扱われなくなるという暴力性の映画。
制度の中で振る舞う個人の慮りとか忍耐とか、そういう次元で正当性が担保されてきたんだろうなと思ってキツくなる。

すり減って疲弊する
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

プライドばかりが高く他者を見下すことでしか自分を保てない狭量な男。
自由に生きたいくせにその代償は引き受けられない幼稚な男。
「大切にしたい」と言いつつ他者の好意をどこまでも利用するわがままな男。
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.8

組織や権力に溺れきったロバートレッドフォードが、正しさを取り戻し損得を乗り越えてゆく話。

あんまりこの言葉好きじゃないけど伏線回収がお見事で、過去をたびたび振り返りつつ現在の作戦遂行を手際よく見せる
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.0

最近なんだかローで湿度の高い邦画ばっかり観てたので、まさに今作のようなカラッとした洋画を求めていた感あります。面白かったです。

バディムービーというよりはバディになるまでの過程ムービーなので、この先
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千夜、一夜(2022年製作の映画)

3.2

待つ女。待たない女。待つことになる女。3者による喪失と獲得の映画。

待つことは愛なのかもしれないけどある種の復讐でもあるなと思った。勝手にリスタートなんかさせない、そういう覚悟も透けて見えた気がする
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.0

実際のホームレス殺人事件から着想を得た作品だという。
いかにもリベラルな映画人の作品という感じで、コロナ禍で皺寄せを食う弱者たちの苦しい生活が紡がれる。

“正しさ”って“1人で何でもできること”じゃ
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.5

美しく優雅に舞うスイマーたちのその実。常にあがき、ゆらぎ、今にも窒息しそうな息苦しいわたし達。
水面をさっと眺めるだけでは見えないけれど、みんな孤独で悩んでいる。

他人のことはわからないけど、わから
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

他者の生と死にいかに関わるかと言う話で、いろんな皺寄せを食っているものたちに“あんたは何も悪くない”と伝え続ける映画だなと。
見せ方はやや凡庸だけど、でも良い映画だった。(異様に多い独白台詞はマリコへ
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blue(2001年製作の映画)

3.6

常に不機嫌そうな市川実日子が印象的なクィア映画。
何者でもない10代の焦燥と絡めつつ、好きな人の「1番ではない」ことで乱れる未熟な感情を繊細に切り取る。

好きな人には好きな人がいて、私だけが知ってい
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人質 韓国トップスター誘拐事件(2021年製作の映画)

3.6

もしもファンジョンミンが誘拐されたら、、、という実験映画。

こんなのアイデア1発で観ちゃいますね。手際が良いというか軽いと見るかは分かれると思うけれど、複雑な要素や奥行きは削ぎ落とした94分が潔いし
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.6

面白かった。
社会的に成功していなくても彼女たちは確かに成長し、譲れないものや人を守っていたし、「普通〇〇でしょ」に縛られずに軽やかに仕事をこなしてゆく。

建前だけの女性活躍を語る男性キャラクターに
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よだかの片想い(2022年製作の映画)

3.8

「ひとつの個性として切り離して」映画にはできたとしても、現実の私は「別人にはなれない」のだから。
自分で自分を眺め受け入れ、コンプレックスを晒したり隠したりして生きていく話。

ロマンスの話に落とし込
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.4

たしかに潜入捜査ものなのだけど、最後20分くらい?まではヤクザ内外の抗争と岡田准一のアクションを堪能する映画。

バレる?バレない?っていう駆け引きによるスリルはほとんどなくて、岡田くんは順調に出世し
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先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

1.0

気持ちわる。

生徒が先生に恋をする話であれば「センセイ君主」が大傑作だと思うし、
大人と子供が心を通わせる話であれば「恋は雨上がりのように」がとてもとても丁寧で良かった。

一方で今作は、若い女の子
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.6

エンタメにだいぶ振りつつも米国にはチクチクやり続けるし、解決策はエージェントイエローだし、権力は聞く耳を持たない。

ポンジュノらしく(韓国映画らしく)社会を後景化せずちゃんと描く姿勢が感じられて面白
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

さまざまなコミュニケーションについての映画と言って良いのだと思うけど、色々考えさせられたな。

発声、筆談、手話、日本語、韓国語etc
手段という点でいえば、たくさんの方法が劇中で提示される中、最後に
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ハローグッバイ(2016年製作の映画)

3.5

「ディアーディアー」「望郷」の菊地健雄監督作。

表面的なキャラクターへの理解に止まらず、お互いの孤独や地獄に触れ合うこと。それができたらその関係性は友達と呼んで良いのだろうし、連絡の頻度や会話した時
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Daughters(2020年製作の映画)

2.0

金とか時間に余裕のある共同生活が生活感により侵食される話で、「程よい距離感を保って」「毎日自由にご機嫌に」なんてのは所詮フィクションだよねって映画。

あまりに現実感がなくて、後半になってまだそんなと
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

3.8

登場するキャラクターみんなを身近に感じて好きになっちゃう映画で、成功/失敗とか、モテ/非モテとか、大人/子供とか、それぞれが独立しつつ確かに交わり合う映画だった。
まさに“ヴァカンス”な刹那的で幸福な
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

家族って醜いねって映画で、それなりに年齢を重ねた大人が怒りや戸惑いをフルに垂れ流してまともに会話ができない姿には結構辟易とした。
他人とコミュニケートしようとするときになんであんなに攻撃的になるんだろ
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.5

どえらい閉塞感に満ちた作品で、劇的な何かは起こらないし奇跡的な出会いなど転がっていない。偶然手に入れた銃の力はゴキブリを殺すにもおぼつかず、自動車のスピードをもってしても一線を越えられない。

コージ
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

4.3

過去のトラウマに苦しむ人々が、他者(特に恋愛)によって救われるのではなく、自らの手で自らを抱き締めることで癒やされてゆく。
いわゆる恋愛もののフランス映画とは一線を画す作品で、現代的でとても良いと思っ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

黒人やアジア人、そして動物。
いずれも白人社会で“見られる客体”として消費されてきた者たち。

目が合うと襲ってくるあの生命体は、安全圏から「見る主体」として傍若無人に振る舞う人々への警告っぽくうつる
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柄本家のゴドー(2018年製作の映画)

3.5

柄本佑と柄本時生が父の演出でゴドーを演る。その稽古の様子をおさめたドキュメンタリー。

「昔は分かろうとするから分からなかった。でも今は分からないことが分かるようになった」
「“こうやって演じよう”じ
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2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

3.4

美しい思い出になる10年を
不安に歩く私でしたね
(木下龍也「あなたのための短歌集」 より)

選択肢は多く、考える時間もある。傷ついてすり減る20代の日々を、未来のわたしが肯定してくれる話。

ウデ
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ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.9

「心と体と」は年間ベスト級に好きだった映画で、あれも他者との関わり方に関する繊細な作品だったなと。

自分が認知できたり触れる範囲なんてたかが知れていて、ましてコントロールなどできるはずがない。他者へ
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