Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

Sasada

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HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)

3.8

誤魔化しの効かないストレートなスポ根ものだからこそ、作り手の「語り方」が作品の質を左右する。

成長すること、上達すること、そして戦うこと。それを押し付けるわけではなくあくまで選ばせるコーチの距離感が
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.6

シャマランの「オールド」と対照的に、「経験だけが積み重なって時間が経過しない」お話。

時間だけが経過するオールドはスリリングなホラーだったけど、こちらはあっけらかんとしていて楽しげ。なんでもできちゃ
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.3

とてもとてもリアルだ。“花束”のそれとは違う現実味。
この映画に出てくるキャラクターは「こういうコミュニケーションは頻繁にしたい方です」とは言わない。本当にどこにでもいる凡庸な男と女。男がある事実を伝
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おろかもの(2019年製作の映画)

3.9

高校生の洋子は、結婚を控えた兄の健治が浮気をしていることに気づく。関係を断ち切らせるために浮気相手の美沙と会ううちに、洋子は美沙に親しみを抱いてゆく。健児の婚約者である果歩も、薄々浮気に感づいていて、>>続きを読む

INTERCEPTOR/インターセプター(2022年製作の映画)

3.5

実に凡庸、まさにB級。
#metooへの目配せはありつつ、どこか懐かしさを覚える大味アクション映画。

テレビで平日昼間とか深夜にやってそうなタイプの作品で、90分ちょっとの尺もあって見やすい。

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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

2.0

長すぎる。おかしい。不思議だ。どう考えたってクライマックスの盛り上げどころは足場アクションなはずなのに、なぜあんなにつまんなくできるんだろう。途中まであんなにふざけてたのに、なぜ最後アレで観客は感動で>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.6

大抵のことは時間が解決してしまうというのは真理だけど、厳密には違う。
歳を取ると直面している現実が相対化できたり、未来を類推できるようになる。学生時代の不安とか焦りだって、手札が少ないからこその恐怖な
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.6

とても上手で隙のない映画でした。評判良いのも納得。

ライバル作の監督とプロデューサーという違いを乗り越えて影響しあうシスターフッド(最初から“斎藤監督”と呼ぶのは彼女だけ)

ミソジニー蔓延る男社会
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レミニセンス(2021年製作の映画)

3.8

SFとしてもサスペンスとしても平々凡々だと思うけど、過去と現在と未来が交差するラブストーリーとして観た時にすごく好きになってしまった。

現実でも体感としてはあるものかもしれないものを、ああやって提示
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.0

派手でめちゃくちゃで楽しいんですが、「え?その人がそんな目に遭って終わっちゃうわけ?」っていうのがあって好きになれない映画でした。

ダニエルラドクリフが戦ったり立ち直ったりするために他のキャラクター
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夜を走る(2021年製作の映画)

3.6

ここまで「何も起こらない」「主人公が成長(もしくは変化)しない」映画も珍しい気がする。

ある夜振り下ろした拳、その対処を通じて2人の男が悲劇に巻き込まれる(と本人たちは思ってる)物語。

この他人事
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ゲーム(1997年製作の映画)

3.5

バチクソ悪趣味なサプライズ。仕掛け1発の映画なのでネタバレを踏まない内に観るのがよし。

嘘と本当をめぐる“演技”の話で、以降のフィンチャーの作品の原型は既にある気もする。とはいえエンタメっぽくスピー
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.7

ナイーブだから人一倍強がって。何も考えていないようでしっかり将来に不安になって。
「モラトリアム」「青春」が似合うその男との別れは、悠二に決断を促す。

堕ちていく友人を/自分自身を奮い立たせ、名を叫
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流浪の月(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

他者と関わることを即セックスと読み換えるのは流石に乱暴すぎるし、
精神や身体も含めて成長過程にある子供を利用するエクスキューズになるとは到底思えない。
どう繕ったってあれは搾取や洗脳と呼んで良いものだ
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

4.0

すげー面白かったです。
娯楽作品というとちょっと言葉が軽いけれど、テイラーシェリダンと聞いてイメージするより派手でわかりやすくエキサイティング。

登場人物が結構多いんだけど散らずにちゃんとまとまって
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すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.4

暴力に暴力をもって目的を果たす話。

みんながみんな倫理観がぶっ飛んでいて面白かったです。

先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見た目以上に壮絶で容赦ない復讐譚。面白かったです。

互いに漫画家の夫婦。夫の浮気に気づいた妻。妻が描き始めた“不倫漫画”は現実そのまま。夫は焦り、不倫相手も巻き込んで、、というお話。

「不倫された
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.6

望まぬ妊娠がわかったけど家族にも相手の男にも相談できず、医師からは「中絶なんて、、」と圧を受け、17歳の彼女は従姉妹に連れられて中絶のためにNYへ。

1人で事実を受け止め、薬で何とか出来ないかと祈り
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みをつくし料理帖(2020年製作の映画)

3.3

朝ドラみたいな立身出世
繋がってるようで繋がってないストーリー
単調なカメラワークと音楽

端役までやたらと豪華で飽きないんですが、結局彼らが澪の人生に絡むようで絡んでなくて、小さなエピソードの詰め合
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ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

3.7

退屈っちゃあ退屈なんだけど心地よく観れてしまう変な映画でした。

ベルイマンが数々の作品を撮ったスウェーデンのフォーレ島の景色を切り取りつつ、創作のために訪れた映画作家夫婦の機能不全も漂わせる。

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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.1

阿部サダヲ演じるサイコパスの手口を“追体験”する映画。

彼から手紙を受け取り、真相究明に乗り出す岡田健史演じる大学生が、いとも簡単にほだされて知らず知らずに「決めさせられる」姿に背筋が寒くなる。
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ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)

3.5

「ガタカ」「ANON」もそうだったけど、この監督の作品はとにかく美しい。

ブルー味を帯びた静かでマットな映像が今回も印象的で、イーサンホークの佇まいも含めてまとまりがあって良い。

ゲームみたいな映
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

過去も未来も引っくるめて、今ここにいる自分を肯定する。
いくつものifのその先ではなく、自らがたどった足跡を尊重する。

どんどんスケールが大きくなる世界観に対してミニマムで親近感のあるテーマ設定が見
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

2.5

ハリポタにもファンタビにも思い入れあるし肯定したい気持ちはあるけど、「いやいやいや」が続く2時間ちょっと。

グリンデルバルトの「未来を見る」能力でどこまで見えてるの?とか、ダンブルドアの作戦はマジモ
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真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

2.0

愛する努力はしないけど愛されたい。何もできないけど認められたい。世界と関わる勇気も持てないくせに世界の中心にいたい。
歪んだ自意識と承認欲求を“我々乙女”は“戦争を仕掛ける”とポエティックに語る卑怯者
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.0

現実と虚構をファジーに塗り重ねる映画なのは別に良いんですけど、そこをあれこれ推理するまでの興味が湧かないっていうか、なんでもありじゃんって序盤で思えてしまう。

事実を提示した上で彼が小出しにヒントを
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

多面的で複雑、アナログでモザイク状な人間本性。
世渡りのためにあらゆることを定型化し単純化し理解したふりをしている“大人たち”に突き刺さる映画。

大学時代に塾の先生のバイトしてたんですが、「子供はよ
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.8

過去の傷を乗り越えて、下から見上げるその景色を守り愛する。
どこまでも体制に馴染まない除け者が、結果的に体制を救ってしまう。

前作同様に全然“極悪人”に見えない正義の人たちの物語。

映画館スルーし
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マザー/アンドロイド(2021年製作の映画)

2.5

シャドウインクラウドの例もあるし、クロエ×B級アクションに手を出してみるかと思ったんですが、ちょっと冒険が過ぎました。

妊婦を連れ回すバカ男に翻弄される前半がとにかくスローで困ったのと、肝心のアンド
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.8

モノクロで紡がれる、なんてことない出来事の記録。
他者と出会う日があって、愛し合う日があって、世界に2人きりに思えてしまう日があって、知ってるはずのあなたが急に分からなくなる日がある。

何でもかんで
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.5

海沿いの街を舞台にマリオンとその姪ポーリーヌ、彼女たちと近づいたり離れたりする男たちの話。エリックロメール監督作は初見。

複数人が入り乱れ、
惚れた腫れたのあれやこれやを通じて、
人間の可笑しみやチ
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アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.0

どしゃ降りの雨の日。たまたま居合わせた人々が、次々殺されていく。
ある男が取り調べを受けていて、、というお話。

スリラーでありミステリーなのだけど、肝の肝のとこが後出しジャンケンぽく見えるのと、「驚
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ペイド・バック(2010年製作の映画)

3.2

かつてモサドの諜報員だった3人。任務に失敗し共有した秘密が、30年後の彼らを苦しめる。果たして彼らの選択は、、と言うお話。

過去パートがめちゃくちゃ長くて、バランスが変でした。今どうやって決着を付け
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.5

モントリオールの大学で実際に起きた銃乱射事件。女子学生を14名殺害した男はその場で自殺。
かなり衝撃的な事件をベースにした映画。監督はドゥニヴィルヌーブ。

全編モノクロなんですが、それで良かったです
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私の少女(2014年製作の映画)

3.9

素晴らしかったです。(ちょっとだけ以下は展開に触れます)


不法滞在者の足元を見て搾取する田舎町
ここ以外では生きていけない子供を虐待する大人たち
他人の性的指向をあげつらう下劣なマジョリティ

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ウィークエンド・アウェイ(2022年製作の映画)

3.6

「バカンスに来た主人公が異国の地で犯罪に巻き込まれちゃう」ってひとつジャンルだと思うんですが、それです。
90分なんでテンポ良くて、ダレることがないんで平日夜でもちゃんと観れる。

いくつかのアクシデ
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