みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

みかんぼうや

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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.5

観終わった後、こんな素晴らしい邦画に出会えた幸福感にただただ酔いしれました。トランスジェンダー物の作品の中では、個人的に洋画を含めても最も好きな作品かもしれません。ベルリン国際映画祭の審査員賞と観客賞>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

2.9

自分でもびっくりするくらい合わなかった大人気作品「恋する惑星」のウォン・カーヴァイ監督の長編2作目である本作。「恋する惑星」でもう懲りていたのだけれど、1作で判断するのも・・・という思いで観た予告編が>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

3.8

世代的にこのタイトルからまず連想するのはフジファブリックの名曲とキムタクと萩原聖人が主演だったTVドラマのほう(内容忘れたけど)。こちらは巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督初期のネアレアリズモ作品にして、>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

3.9

ここ最近観ていた韓国映画は政治・歴史物が続いていましたが、久しぶりに韓国正統派クライムサスペンス物が観たくなり本作を鑑賞。これは韓国映画の中でも屈指の胸糞映画。作品全体の陰鬱な雰囲気も、連続殺人という>>続きを読む

恐怖の報酬(1953年製作の映画)

3.8

フォローしているクリームさんのレビューを拝見して、リメイク版に興味を持った作品ですが、先にどうしてもオリジナルを観たくなる性があり、まずはこちらを視聴。

話は非常に単純で、4人の男が高額の報酬と引き
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.2

北朝鮮の強制収容所の実態を脱北者の話をもとにCGアニメ映像化した本作。まるでホロコーストの悲劇が現代でも続いているかのよう。自殺するという選択肢すら奪われた延々と続く生き地獄。ところどころに希望が混じ>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

2.2

「こわれゆく女」、「オープニング・ナイト」と立て続けに観た2作がかなり面白く一気にファンになったジョン・カサヴェテス監督作品も、気づけば本作でU-NEXT配信の7作品は全て観終えたことになります。>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

「ドロステのはてで僕ら」がとっても面白かった劇団ヨーロッパ企画の同名演劇を映画化した本作。私は「ドロステ・・・」を先に観てしまいましたが、本作は2005年公開(元となる劇は2001年初公演)なので、こ>>続きを読む

デンマークの息子(2019年製作の映画)

4.2

これは思わぬ傑作社会派サスペンス!レビュー数が極端に少ない作品で半信半疑で観始めたが、開始5分で、その映像や演出に巧妙さとセンスを感じ、「あ、これ絶対に好きな作品だ」と確信。そこから先の物語の展開も見>>続きを読む

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.6

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.5】
私、ジャズが大好きなので、本作のメインテーマ曲でもある「トゥナイト」は、ジャズスタンダードとして曲のほうを先に知っていました。オスカー・ピーターソンが奏
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ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

4.1

究極のドキュメンタリー“タッチ”作品。もはや事件当日の現場に潜入し密着取材でカメラを回し続けたとした思えない圧倒的なリアリティに溢れた映像。観ている間、画面に映る人間たちが俳優で全て演技であるという事>>続きを読む

八月の鯨(1987年製作の映画)

3.5

ある島の水辺の家に住む、人生晩年期を迎える老姉妹が、それまでの人生を振り返りながらこれからを見つめるお話。主役の2人以外も登場人物も男女ともにほぼ高齢者。美しい水辺の家の老人、という設定から「黄昏」の>>続きを読む

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

2.2

嗚呼、私はなんでこの作品を選んでしまったのだろう?明らかに自分が最も苦手なタイプの邦画キラキラ系ティーン映画の雰囲気は漂っていたのに。最初の5分でその雰囲気を感じとり、慌てて予告編観たら「これは自分が>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.5

「灼熱の魂」が衝撃的だったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品(彼の作品は2作目)。「灼熱の魂」前年に発表した作品。

私も3年弱住んでいたカナダにあるモントリオール理工科大学の銃乱射事件を描いた作品。カナダ
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.4

かなり矛盾したことを書きますが、この話、全然好きじゃないんですよ。だけど面白かった。

2人の普通の生活を送っていた親友が女2人だけの旅で意図せずして大きな犯罪を犯してしまい、そこから犯罪の沼にハマり
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息子の面影(2020年製作の映画)

3.2

友人と米国のアリゾナで仕事をすると出かけたきり消息不明となってしまった息子。その友人の死が発覚し、母は息子を探す旅に出る。メキシコの貧困や米国への出稼ぎにおける社会問題を題材にした作品。

息子の安否
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冒険者たち(1967年製作の映画)

3.8

本作、20年前に一度観ていたつもりだったが、これだけ余韻の残るラストを、最後まで観て全く思い出せなかったということは、おそらく初鑑賞だったのかもしれない(きっと別のアラン・ドロン出演作と勘違い)。>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.8

噂に違わぬ、なんとも優しく温かくポジティブな気持ちになれる作品!ロバート・デ・ニーロ演じるシニアインターンのベンが神様仏様の境地にいるような、あまりにも優しく寛大で、しかも落ち着いて的確な行動が取れる>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.9

人は自分が思っているより他人の抱えている悩みを理解できていない。人は大小さまざまな悩みを抱えていて、自分から見ると小さい悩みだと思えることでも、その人にとっては物凄く大きな悩みであることもあるし、他人>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

3.8

先日観た傑作韓国映画「1987 ある闘いの真実」は民主化宣言直前の韓国の民衆抗争の流れを描いていたが、こちらはその7年前に起き、後の民主化運動の先駆けとなった韓国の光州事件を描いた作品。奇しくも・・・>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.0

フィルマ平均評価とレビュアーさんの点数が全体的にかなり高めだったので期待していましたが、これは全く刺さらず。とにかく作品全体のノリが合わなかったです。

いわゆる私が苦手なタイプのエンタメ邦画と言いま
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.8

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.4】
“避けてきた”というよりは、あまりにも有名過ぎて勝手に観た気になり、観たい作品の選択肢にすら入っていなかった本作。ちぃさんさんさんのレビューを見て本作の
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私は告白する(1953年製作の映画)

3.8

気づけば約1年ぶりのヒッチコック作品。

平均★3.6とヒッチコック作品の中では決して高い点数ではなくレビュー数もかなり少なめでマイナーな部類に入る作品だと完全にノーマークでしたが、ちぃさんさんのレビ
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

“大人が考える理想や論理”と“子どもが見ている目の前の現実”のギャップを描いた作品。そのギャップを抽象的にしか捉えられなかった序盤は、淡々とした演出もありイマイチ作品にのめり込めなかったが、話が進むに>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.7

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.3】
「スタンド・バイ・ミー」、「E.T.」に次いで選んだのは本作。「時計仕掛けのオレンジ」が大好きな私は、“雨に唄えば”がかかると真っ先に頭に浮かぶのは、あ
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バイス(2018年製作の映画)

3.8

本作に登場する、ジョージ・W・ブッシュもラムズフェルド国防長官もパウエル国務長官はもちろん知っているが(少なくとも名前は)、こともあろうかこの政権の副大統領だった本作の主人公ディック・チェイニー副大統>>続きを読む

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

3.9

極上のパニックエンターテインメント体験!これがCGもほぼ無い1974年に作られた映画だと!?と思うほどの大迫力で緊張感溢れる映像と演出に、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンという大スターのW>>続きを読む

秋立ちぬ(1960年製作の映画)

3.6

先日の「浮雲」で成瀬巳喜男作品デビューし、他作品も・・・となっていたところで、78分という時間的にちょうど観やすい作品だったこともあり本作をチョイス。

長野から母親と2人で東京に出てきた少年の話で、
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火口のふたり(2019年製作の映画)

2.9

これは・・・令和ロマンポルノ!?果たして性行為シーン以外の見せ場はあったのか。

フィルマで平均★3.5以下の作品を観るのは多分初めて(本作★3.2)。観終わった後に2時間を無駄にしたと後悔したくない
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浮雲(1955年製作の映画)

3.8

昭和邦画の巨匠成瀬巳喜男監督の作品初鑑賞。成瀬監督の代表作とも言われる本作、ラスト5分までは、★3.1をつけるつもりでしたが、ラスト5分で一気に★3.8まで上げました。

作品全体としてはドロドロの不
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めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

3.2

インド映画というと「踊るマハラジャ」「きっとうまくいく」などの歌&踊り、「RRR」などのド派手な演出(まだ観てないけど)、といった強烈なエンタメ性、または極端な富豪か生活に困窮する人を描いた作品はパッ>>続きを読む

チャンス(1979年製作の映画)

3.9

これほどまでにアメリカ政界や財界のセレブたちをシニカルにいじった社会風刺コメディ、いや、ある意味“大人向けファンタジー”を、私は他にあまり知りません。

読み書きもできず、数十年間外界に接することもな
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E.T.(1982年製作の映画)

3.7

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.2】
前回の「スタンド・バイ・ミー」と異なり、こちらは正真正銘の初鑑賞。

ファンタジーということもあり、正直、話の展開もなかなかハチャメチャだし、演出も粗さ
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

実際に鑑賞するまで、なぜか西川美和監督の「素晴らしき世界」のような元ヤクザの一個人が社会復帰を通じて人々に溶け込んでいくような話を想像していたが、本作は作中で20年間という月日を描くという、よりヤクザ>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.7

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.1】
実は全く観たことがないわけではない。当時映画好きだった母が借りてきたビデオを小学校2年の頃に一緒に観ている。しかし、私はその時に観た血を吸う“ヒル”とい
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反撥(1964年製作の映画)

3.7

先日、「ローズマリーの赤ちゃん」を鑑賞し、ポランスキー作品への苦手意識がなくなり続いて初期作品の本作に挑戦。こちらも面白かった。男性に嫌悪感を持つ精神衰弱気味の女性が病みゆくサスペンス・・・というより>>続きを読む