Sachikaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

息子の面影(2020年製作の映画)

4.4

炎、悪魔、ここは地獄か?
光の使い方も自然も美しいのに、それが時折、かえってゾっとしてしまう程、メキシコの闇というのは暗く重い。

出稼ぎに出たまま消息の途絶えた 息子の安否を祈りながら、母親は息子の
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イタリアの父(2017年製作の映画)

3.8

親子の愛情、信仰、自由、性的指向。
ゲイクラブで出会った妊婦のミアを助けたパオロは、思いがけず彼女とイタリア横断の旅をする中で、自身の生い立ち、現在、そして未来を見つめる事になる。

ルカ・マリネッリ
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おもかげ(2019年製作の映画)

3.6

filmarks、載せたと思ってたのが消えてる事ってない?🤔


10年前に息子が失踪した事件から立ち直れないまま、その地で息子の面影を追うエレナ。
息子にそっくりな青年との出会いによって、止まったま
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ニューヨーク 親切なロシア料理店(2019年製作の映画)

3.5

誰かの親切が誰かに繋がり、それが輪になって誰かの支えになる。
見知らぬ人にも手を差し伸べてくれるNYの人々。
父親のDVから逃げ出し、大都会で怯えていた親子は、人の優しさに触れ、新しい人生の一歩を踏み
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.7

高い煙突からのびた 厚い煙が空を覆い、人が空を見上げる事をやめた町。
唯一キラキラ輝くのは、父の話した 雲の先の星の話を信じるルビッチの瞳と、ハロウィンの日にやってきた、ゴミ人間プペルとの友情だった。
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ソニア ナチスの女スパイ(2019年製作の映画)

3.5

人気女優だったソニア・ヴィーゲットは、何故国民から忘れ去られたのか。
彼女を政治利用する為、父親を不当逮捕したドイツ。
保護をチラつかせ、スパイになるよう要請した隣国スウェーデン。
恋人と家族、守るべ
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.0

自宅に溢れる物を断捨離する中で、ジーンは思いがけず、苦い過去を清算していく。
何でも捨ててしまえば終わりではなく、何かを捨てる為には、物との記憶やそれに関わった人の思いに訣別する必要がある。
少しのや
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

3.5

着飾った外見の美しさとは裏腹に、恐ろしく醜悪で、子どもが大嫌いな魔女。
死と生の運命を受け入れた少年は、子どもをネズミの姿に変えようと目論む魔女に、勇敢に挑む。
展開と色とりどりの衣装や装飾品にワクワ
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100日間のシンプルライフ(2018年製作の映画)

3.8

AIアプリの共同開発で多額の資金を得たパウルとトニー。
飲みの席での言い合いから、親友2人が資金をかけて大勝負!
全ての持ち物を倉庫に預け、
必要なものを1日1個取り出し、
100日間生活をするゲーム
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オール・マイ・ライフ(2020年製作の映画)

4.0

人の寿命は平均して27,375日。
そのうち記憶に残っている日は、何日あるだろうか。
運命の出会いを果たしたソルとジェンの2人に突然訪れる死の影。
苦しい事もつらい事もたくさんあるけど、悔いなく今を精
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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

3.5

世界の崩壊を阻止する為、ビルとテッドのおバカコンビが、音楽で人類を救う!
突拍子もない事でも2人ならできる、2人だからできる。
前作から約30年続く素晴らしい友情、そして30年後だからできた、2人の娘
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ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

3.8

ユダヤ人のアンナと家族は、ヒトラーの選挙当選を前にドイツから国外へ亡命する事に。
最小限の荷物、お気に入りのピンクのうさぎはお留守番。
徐々にナチスの力が拡大していく中、帰る場所も奪われ、亡命先を転々
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.1

南米の小さな村。
突然のUFO、牧場から逃げ出した馬、銃弾を浴びた死体。
のどかな村で起こる突然の不可解な出来事。
村は地図から消え、電波も届かない。
そして更なる銃声が鳴り響く。
敵はなんだ?侵略な
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ビボス 奪われた未来(2020年製作の映画)

3.5

「生きて連行したなら、生きて返せ」
そう叫ぶ母親たち。
アヨツィナパ教員養成大学の43人の学生が失踪してから、被害者家族は食事も喉を通らず、不安な日々を過ごす。

メキシコの大学生集団失踪事件を追うド
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アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)

3.8

フランスとスペインの国境近くの豊かな村、羊飼いの家で育ったジョー。
スペインへ逃亡するユダヤ人を逃がさんとする、ナチス軍の監視の目が光る中、亡命の為、この地に集まるユダヤ人の子供たち。
しかしながらそ
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83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.8

とある探偵事務所の、老人限定の求人案内。
それは老人ホームの実態を探る、潜入捜査をする仕事だった。
依頼主は母親をホームに預けた家族。
ホームの環境は劣悪でないか、何か盗まれたり、いじめにあったりして
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

時代に抗った愛は儚い。
そんな儚いラブストーリーの概念を一蹴するような、女性たちの力強さと美しさがあった。
何よりも目が美しい。
目力、視線、交差し、まるで自分と錯覚する。
目は口ほどに物を言うとはよ
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ストレイ・ドッグ(2018年製作の映画)

3.5

首にタトゥーのある男の死体が見つかった。
警察官であるエリンの記憶に、17年前の潜入捜査が蘇る。
捜査に失敗し 全てを失った女と、再び犯行を行う組織との因縁の戦い。
野良犬の様に組織に執着し、なりふり
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

父の遺品の中から1本のカセットテープを見つけた曽根は、それが自身の幼少期の声だと気づいたと同時に、35年前の未解決事件の証拠であると知る。
犯人は?なぜテープがここに?
次々に生まれる疑念を晴らすため
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.8

富裕層が一般市民を拉致し、"人間狩り"という遊びを楽しむマナーゲートの噂。
森に集められた市民の目の前には、数々の武器と1匹の豚。
訳がわからぬまま攻撃され続ける彼らは、その噂が目の前で起こっている事
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シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!(2018年製作の映画)

4.2

詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、何年もスランプ状態。
しかしそんな彼の元に、大物俳優を主演とする舞台の、脚本制作依頼が舞い込む。
浮かんだのは「シラノ・ド・ベルジュラック」というタイトルのみ。
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.6

喜怒哀楽、愛、信仰、恨み辛み。
人間は様々な感情を持ち、様々な行動をする。
その行動の切り取った一片は、その人にとっては意味のある行動かもしれないし、他人にとってはそれがどうした?かもしれない。
だけ
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赦し(2020年製作の映画)

3.4

#東京国際映画祭 8本目 ラスト!

父親に愛された弟と、厳しく育てられ、誤って弟を殺してしまった兄。
沸々とした静かな怒りが終始充満していて重い。
誰が誰を責めて、誰が許され赦しを与えるのか。悲しみ
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私は決して泣かない(2020年製作の映画)

4.3

#東京国際映画祭 7本目

母親と身体の不自由な兄と3人、ポーランドで暮らす17歳のオラ。
父親は出稼ぎに行ったまま、お金を送ってくるだけの存在。
生活への不満と、帰らない父への不満。
突然の父の死を
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エイブのキッチンストーリー(2019年製作の映画)

3.8

#東京国際映画祭 6本目

イスラエル人の母とパレスチナ人の父、そんな異なったルーツを持つ両親の間に生まれた、料理好きの少年エイブ。
顔を合わせる度に、食事の場でも口論になってしまう家族を、双方の文化
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

4.2

#東京国際映画祭 5本目

些細な発言からシリア難民になってしまった男が 、自由を求めて芸術家に売ったのは、自身の背中だった。
どこにでも行ける自由を求めたはずなのに、生きたアートとして展示され、白人
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最後の入浴(2020年製作の映画)

3.4

#東京国際映画祭 4本目

修道女として生きる女性と、身寄りを亡くした甥との生活。
愛情の形がじわじわと変化していく様に、叔母の顔つきが変わっていく様子に胸がざわざわした。官能的なシーンは殆どないのに
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

3.4

あの頃、おジャ魔女ドレミが大好きだった女の子たちが、魔法の力を信じて自分の夢を叶える物語。
仕事、夢、恋、たくさんの悩みがある現代女子たちに送る、ドレミちゃん達からのエール。
私たちの等身大の想い、願
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

3.8

#東京国際映画祭 3本目

身体は男の子のまま、女の子の心で産まれたサシャ。
彼女のささやかな願いは、ただ「堂々とスカートを履いて学校に行きたい」と言うこと。
しかしながら世間の目はまだまだ冷たく、理
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遺灰との旅(2020年製作の映画)

3.4

#東京国際映画祭 2本目

一家の大黒柱である長男が亡くなり、遺言によって、その遺灰を散骨する為に、残された家族たちが目的地を目指すロードムービー。
道中、個々の問題が浮き彫りになり、諍いが起こるが、
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アフター・ラヴ(2020年製作の映画)

3.8

#東京国際映画祭 1本目

愛する夫の突然の死と、長年隠されていた彼の秘密。
事実を受け入れられないまま マリアは衝動的にフランスに渡り、彼が愛したもう一人の女性と対面する。
悲しさと悔しさと、ボロボ
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声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

4.0

ジャパンプレミアにて。

長年映画の吹き替えで活躍していた老夫婦が、ソ連からイスラエルに移住し、新しい生活をスタートさせる。
しかしそこには職業、年齢、移民、政治、様々な問題があって、そして妻の秘密を
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

3.7

サンフランシスコの高級住宅地。
そこに堂々と佇む 先祖が建てた誇るべき家、帰る場所。
gentrificationによって行き場を無くした住民達を、暖かく力強い音楽と 光が包む。
心の拠り所を探す全て
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.2

結婚を機に仕事を辞め、育児に専念するジヨン。
順風満帆な生活を送る中で、確かに彼女の心の中の蟠りによる変化は起きていた。
女性である事、姑との関係、セクハラ、仕事。
全ての女性が一度は考える 悩みへの
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水上のフライト(2020年製作の映画)

3.4

交通事故で高跳びのオリンピック選手の夢を絶たれた主人公が、パラカヌーとの出会いを経て、新しい夢に向かって挑戦していく。
最初は不機嫌でとっつきにくい主人公が、家族や仲間の支えによって、笑顔を取り戻す。
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エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

3.5

若く美しいダンサーのエマの、自身の魅力を最大限に使った、女の戦い。
ダンスシーンの激しさや、目的の相手を誑かす目、表情。
妖艶すぎてこちらまで引き込まれてしまいそうになるけど、エマの真意を知った時、恐
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