やまモンさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

やまモン

やまモン

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天井(1961年製作の映画)

3.8

【舐め回すカメラ?!】

モデル女子大生の物憂げで気だるい日々が淡々と描かれています。

なのですが、カメラが主人公マルタの仕草や表情を、色々な角度や視点から、まるで舐め回すかのように追っていっており
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スーパーシチズン 超級大国民(1995年製作の映画)

3.6

【取り返せないもの】

読書会に参加したところを逮捕されて、16年間投獄された上、拷問に耐えきれず当初逃がした仲間の名前を吐いてしまい、仲間を間接的に殺してしまった過去を持つ老人。

朝イチから暗いタ
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恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

3.8

【殻を破れ!】

名コックの父親と三姉妹の物語。

ラストの展開には唖然とさせられます。しかし、事実は小説より奇であるわけですし、人生など所詮は全て冗談なのでそれも有りなのかもしれません。

キャラク
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赤い柿(1997年製作の映画)

3.6

【家族というもの】

中共に負けた国民党の将校とその家族が、四苦八苦しつつも人間らしくある意味豊かに生きていく様が淡々と展開していく作品。
特に一家のおばあちゃんを中心に物語が進んで行きます。
やはり
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.2

【死と隣り合わせの平穏】

タージ・マハルホテルのテロ事件に基づいた作品。

終始緊迫感の漂う素晴らしい展開。
重いテーマをそのまま重いものとして受け止めつつも、色々な人間の側面を暴き出している、人間
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運転手の恋(2000年製作の映画)

3.2

【りえだけを見ていろ!】

極めて軽い、ライトな映画という印象で、台湾の人はこの手の映像作品がお好みなのだろうかと、頭の中にいくぶん多めのハテナ??が生まれた作品でした。

余りにも分かりやすすぎるキ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

【カッコいい世界とタランティーノ的】

カッコいい二人の漢
ブラッド・ピットとディカプリオ

カッコいい時代
日本だとカッコいい昭和、アメリカだと故きよき時代

サウンドサイコー
クルマもサイコー
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白い鳩(1960年製作の映画)

4.0

【疲れる緊張感】

ストーリーは白い鳩を巡る他愛の無いもの。
なのですが、緊張感が半端なくて、見終わった後、どっと疲れました。プールからあがった時みたいに。
カメラワークみたいなのがほんとうに計算され
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.8

【悔しいけど面白い!】

基本的に漫画原作の映画は見ないと決めている。原作とどうしても比べてしまうから。

でも、残念ながら?クソ面白いですね。

主人公である櫂直の最後の決断は正しかったのか??是非
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緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)

4.0

【一輪挿しの美】

やっぱり美人が好きです!

若き日の富司純子さん主演の任侠もの。
ストーリー展開は特に普通なのですが、映像や演出が凄くて、とても濃密。片時も目が離せなくて、あっという間にエンディン
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ローラ(1981年製作の映画)

3.8

【女には敵わない?!】

ローラの手練手管と成り上がりの物語。
特権階級の仲間入りをしたいおんなが、町の光と闇を渡り歩きながら、遂には目的を達成する、ある意味ではおんなの立志伝的なおもしろさと、そんな
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網走番外地 悪への挑戦(1967年製作の映画)

3.7

【健さんが昔の博多で大暴れ】

福岡市総合図書館にて。

網走から出所した健さんが、博多で大暴れ。ということで、今日は平日にも関わらず、来客多数。ほとんどご高齢な方々ですが。
ストーリーはいつもの通り
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火口のふたり(2019年製作の映画)

4.0

【不自然な自然】

賛否両論待ったなしでしょうが、個人的には凄く好きだなぁ。
はじめの印象は凄く実験的で挑戦的な作品。登場人物二人。出演二人。ホントに二人しか出てこない。そして二人が作中でやるとこ。ひ
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リリー・マルレーン(1981年製作の映画)

3.7

【ワサビ抜き、なれど美味】

この作品、珍しく毒を感じない。
時代の荒波の中を上手く渡っていこうとするも、一人の女性では、どうしようも出来ない運命に翻弄されていく。
キャラクターに強烈さは感じない。し
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ロケットマン(2019年製作の映画)

3.6

【素直に生きることは難しい。】

凄く才能のある人が自分の内面を素直に表現出来れば、多くの人が共感してくれる。
しかし、表現はいつしか人びとの期待に応え続けるための道具、自己の存在を認めてもらうための
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大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)

3.6

【円?○?¥?】

岡本喜八監督の最後の作品。
若い頃の作品のような切れ味は影を潜めているけど、穏やかさの中の毒やメッセージ性は健在です。
一人の老富豪に国も世間も若い衆も、いいように遊ばれてしまう訳
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ジャズ大名(1986年製作の映画)

3.9

【東京オリンピックの開会式はこれ!】

トロンボーン、コルネット、ドラムからクラリネット、そして和楽器からそこら辺の備品、果ては坊さんやエエじゃないかまで、限りなく広がっていく音楽の輪。
ただの通路と
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0

【世界に誇る】

雨、雲そして陽光に風。まずは自然の描写が素晴らしい。
そして、爽やかのオブラートに包まれた、多くの皮肉やメッセージ。
登場人物は皆、現代的であり、結末もまた現代的な思想を反映。
世界
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肉弾(1968年製作の映画)

4.2

【肉弾砕く、敵の○○?】
終戦の日(記念日なんて言わないよ)にふさわしい??作品。
当事者はそれはそれは大真面目!なんだけど、一歩引いて観察すると実に滑稽。後生大事にしているものの9割9厘はきっとそん
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よこがお(2019年製作の映画)

4.0

【あまりにも人間的】

ふたつの時間軸で、同時平行に物語りが進んでいくので、最初はいまいち意味が分かりませんが、やがてそれらが繋がっていくと…!
そこにあるのはあまりにも人間的で救いのない闇、闇、闇。
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.3

【くろぶちメガネ】

くろぶちメガネがオフの日の誰かを彷彿とさせます。
そして
飲んだくれてぼやく様も平常運転の何者かを彷彿とさせます。笑

静止画、トリスのアニメーション、そして反戦メッセージ。全て
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戦国野郎(1963年製作の映画)

3.6

【若大将シリーズ@戦国?】

加山雄三のキャラクターがあまりにも加山雄三過ぎて、気になって仕方のない作品。笑
とはいえ、作品そのものは時代劇として良く練られていて、結末まで飽きる暇はありません。特に藤
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独立愚連隊(1959年製作の映画)

3.8

【此処はお国を何百里?】

荒野、馬、女、ガンアクション、勧善懲悪。そしてさすらい。そう、これは満州を舞台にした西部劇。
物語りは分かりやすい勧善懲悪で、軽快なテンポで爽快感あり。特に独立愚連隊の面々
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.0

【爆音と共に…。】

予備知識無しで観ると、意味が解らない上に結構ビックリするのではなかろうかと。
しかしながら圧巻の演技には脱帽で、マリアが「マリア」になっていく世界に引き込まれていました。
ストー
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結婚のすべて(1958年製作の映画)

4.0

【猥雑なエネルギーの帰る場所は?】

岡本喜八監督のデビュー作。えっ??デビュー作?何という圧倒的な才能或いは感性!
結婚を軸にしたコメディタッチの、軽快でテンポの良い作品でした。
時代は1950年代
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無限のガーデン(2017年製作の映画)

3.3

【囚われるもの】
こちらはブルガリア映画。もちろん初めて。
男女の四角関係そしてトラウマ。映像も音楽も美しい。登場人物の語り中心で進んでいくストーリー。最初は眠くなるけど、いつの間にか引き込まれている
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人生はトランペット(2015年製作の映画)

3.3

【細かいことは気にしない】
クロアチア映画はもちろん初めて。
彼の地のごくありふれた人々?のごくありふれた日常??かな?
登場人物は皆、情けなくも尖っていて、人間にはすべからく何かしらの欠陥があるけど
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.9

「黄昏、そして粋。」
ロバートレッドフォード引退作品。
敢えてこの映画!銀行強盗、刑事、拳銃、そしてちょっとだけ牧場に馬が出てきて?更に笑い?とベタな「アメリカ映画らしさ」のある作品。選択したレッドフ
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華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

4.4

何と言っていいのかわからないのですが、芸術から得られる最上の満足感を得られた作品でした。
1805年(何と、アウステルリッツと同年!)に華岡青洲が世界で初めて全身麻酔による手術を行ったという史実にまず
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妻は告白する(1961年製作の映画)

4.3

増村監督の人間への洞察と若尾文子さんの怪演に脱帽。
法廷ものかと思いきや、法や理性の埒外にある人間の本能や情念をこれでもかというぐらい描いてます。
若尾文子さんの自らを焼き尽くすかのごとき奥様、ゾッと
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青空娘(1957年製作の映画)

4.5

気がついたら、若尾文子さんをひたすら追いかけている私がいる。
彼女の魅力に取り付かれるためにこの映画はあるのかな?
ストーリーは平凡?でも、今月の増村監督作品で初めて(そして最後かも)平和な気持ちで終
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巨人と玩具(1958年製作の映画)

4.3

戦慄の一言。
この作品、当時から現在に至る現代社会に対するある意味痛烈、ある意味シニカルな視点で描かれており、風刺と批判に満ち満ちております。ゆえに、掛詞的な要素があるのか、「何が巨人で、何が玩具なの
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

4.0

近松門左衛門の心中物の映像化作品です。作中の台詞回しが独特の芝居調のようで面白い。こちらはきっと賛否両論あるのでしょうが、個人的には世界観とマッチしているように思えて好きですね。
そして、その調子での
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兵隊やくざ(1965年製作の映画)

4.0

実に爽快!
大宮も有田も軍隊を嫌悪しているというのに、彼らの軍隊生活のなんとユーモラスなことだろう。思わずクスリと笑みがこぼれました。
そして、勝新太郎の演技。痛快でもありつつコミカルなキャラクターが
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刺青(1966年製作の映画)

4.3

本日2本目の若尾文子!とにかく艶っぽいこの方!この作品も彼女を堪能するためにあるのか??笑
ユートピアですかね笑
谷崎潤一郎の作品がモチーフとのことですが、こちらも映像作品ならではの魅力に溢れています
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.5

まず、なにをおいても若尾文子の退廃的な美しさ。これを堪能するためにこの映画は存在しているのでは?と思えてくるほどに圧倒的。
作品自体も映像、台詞、音楽どれもすばらしく、かつての日本映画のレベルの高さを
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