Filmarksの「あらすじ」がまったくあらすじになっていない、というか単なるヴェーラのちらしからのコピペだが、まあ「小沼勝演出、神代辰巳脚本による伝説のサスペンス・ドラマ」ってことで、観た。ちなみに>>続きを読む
最初の、薄氷に触れる手のショットを見て、「あ、これいい」とすんなり誘導された。
ただ全編に流れる雰囲気は、すごく「神田川」的なもの、昭和っぽくいうと“ニューミュージック”風なものが充満しており、たた>>続きを読む
ドストエフスキーの小説よりも圧倒的に面白い。
ただ小説での一人称独白が映画だとメイドに告白する体裁になっているので、少し違和感(異和感なのか)はある。
しかし、あの、ドミニク・サンダの射抜くような眼>>続きを読む
「雪だるま式」よりも、シンプルな「連鎖」によっての作劇のほうが、やっぱり興奮してしまう。それが喜劇でも、悲劇でも。
しかしパルム・ドールを獲ったのがブレッソンのこの遺作ではなく、そして『エル・スール>>続きを読む
前半の活劇と後半の逃亡劇と、作劇の均衡が悪いわけでもないのに、すこし退屈。夜の乱闘シーンとか、ジャングルの雰囲気とかいいんだけどなあ。
今回、「鷄」はすごくさりげなく出てきます。
登場人物の「不在」ということがマクガフィンとなって物語が進む映画の傑作。
三人の妻たちのスリー・ショットからの電話ボックスとの切り返し、回想前のつなぎのサウンド・トラックとか(すごく前衛的)、とにか>>続きを読む
演出、脚本、撮影、芝居、構図など、簡潔すぎる「形式」に痺れる。たまらん。
ブレッソンってその硬質な画面からの想像でてっきりロッセリーニみたいなルックスと勝手にイメージしていたが、DVDの特典映像をみ>>続きを読む
シャブロルの遺作で評価の低い作品だが、全然悪くない。けっこういい。
人生の落とし穴におちていくひと、踏みとどまるひとの話で、その分岐点が善行とか悪行とかいうものではなく、単なる「運」というのが面白い。>>続きを読む
テレビ衣装の赤いドレス、花柄のジャケット。そしてどぎつい緑のグリーンバック。
“過剰”に書くゴシップ記事のようなはなしをすごくシニックに仕上げてる。それは原題のとおりのことが起こるラストの漫画みたいオ>>続きを読む
ブノワ・マジメルはポール・ウェラー似のハンサムだが、ローラ・スメットの圧巻の不思議ちゃんぶりに振り回され、途中からオーウェン・ウィルソンのような顔になってしまう。
ちなみにローラ・スメットは終始、蜷川>>続きを読む
最初に階段に上がりながら「重いもの」をいっしょに持つ「男女二人」が、そして最後には「女同士」で描かれる。
それがこの物語のすべて。
このレビューはネタバレを含みます
ラストの編み物 とイザベル・ユベールの構図がいい。まるで蜘蛛の巣にかかった蜘蛛みたい。まあ、そーいう話なんだが。
原題は「ココアをありがとう」。
なぜ「ココア」なのかは、よくわからない。
映画はイマイチだったが、ヤクザに囲まれたイザベル・ユベ−ルが「友人なら風呂場にいるよ」と言われ、これを観た100人中100人が想像したことが画面の中で展開されるのだが、その友人との「再会」での彼女のリ>>続きを読む
嫉妬に狂って行く夫の感情が爆発するのが、映画内映画っていうのが洒落てる。
しかし、フランソワ・クリュゼの演技には嫉妬に狂っていなくてもどうにもイライラし、いつも不愉快になる。
今年劇場公開されたなかでぶっちぎりのベスト1、2は(暫定だが)、『神々のたそがれ』と『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』で、ここまでくると1位も2位もあんま変わらないが、そんなかんじだ。
という>>続きを読む
誰が「イワン・ラプシン」かわかったところで、32分18秒あたりから爆睡。
@新文芸座(11/1/2015) 35mm
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正直、4Kになったことはどうでもよかった。やっぱ、昔、汚い二番館の最前列で観た、ザラついた16mm(ブローアップ35mm版)の手触りのほうがこの映画には似合ってると思ったからだ。そしてあの肉の腐った匂>>続きを読む
見所はジョン・ランディスがSHCするところ。
しかし演技が恐ろしく素人くさいので、こっちが自然と発火しそうになる。
オリヴァー・リードがずっと深刻な顔をしているので、終盤のオチがわかりづらい。まあ面白いんですが。
映画の途中から「この俳優、どっかでみたなー」と思ってたら『穴』(ジャック・ベッケル)のミシェル・コン>>続きを読む
すんごい面白い!傑作。
しかしエレベーターが絡む狙撃ってなんであんなに盛り上がるんでしょうね。
撮影はガブリエル・フィゲロアで音楽はミズラキ、監督はブニュエル、出演はジェラール・フィリップという布陣なのにイマイチ面白くない。
フィリップとのキスシーンでマリア・フェリックスが微笑みながらするのだが>>続きを読む
プレミンジャー版『カルメン』のミュージカル映画。全編に渡って一人も白人が出てこない。
カルメンがジョーのベルトを外し、直すくだりからのキスシーンの演出が秀逸。
カルメンは「悪女」で「ビッチ」って言う事しか知らなかったので興味をもって借りたのだが、なぜグレン・フォード演じるドン・ホセがカルメンに「完落ち」する場面が見せ場のフラメンコでないのか演出上の不満は残る>>続きを読む
『マディソン郡の橋』より上品だが、他のブニュエル作品と比べると凡庸だし、面白みに欠ける。どこか「雇われ監督」っぽい。
16mmで観るのははじめて。しかしプリント状態も悪く、ほとんど字幕が読めないかんじだったので、すこし寝た。
家族が新天地にやってきた時の主観ショットも初めて観た時より感動が薄かった。撮影はあのグレッ>>続きを読む
戦争で若者たちの青春が、人生が犠牲になるいう「反戦映画」。その若者たちの青春模様は、キラキラしていて瑞々しい。それは「犠牲になる前提」だからだ。その描写自体はとてもいいし、成功しているが、もっさりして>>続きを読む
「リング」の貞子の元ネタって逆回の動きのことかな?
どっかの公爵だかのパトロンがいて「きみの好き勝手につくりたまえ」といわれても凡人には作れないよなあ、普通。
散々好き勝手なことをやって、「これでお>>続きを読む
マーロン・ブランドがすかして、イキりながらバイクに乗っている映画ではない。あちらは「あばれもの」で、こちらは「らんぼうもの」。
その「乱暴者」が、低所得者の住民が住む集合住宅の「立ち退き屋」として地主>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
信仰することへの皮肉とか、施しをする者が施しを受ける側に落ちて行く不条理とか。聖職者が自分の行いに懐疑的になり、若く美しく信仰深い娘が世俗的になるなか、娼婦だけが信仰心を強くするというのがブニュエルら>>続きを読む
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暴力が支配する街の因習と掟の物語。
しょっぱなから、やたらと人が殺され、幾つもの棺桶が河を渡るのだが、最後は拍子抜けするぐらいいい話に着地。
しかしメキシコ時代のブニュエルは、なんだかすごく「アメリ>>続きを読む
やけに大層なタイトルとちがって、小品のいわゆる串刺し式コメディ。
飽きずに見れるが、すごく面白くはない。ただ、こんなごくありふれた日常を描いてもブニュエルらしさがあるのが面白いところ。『ブルジョアジー>>続きを読む
1幕目の男目線から2幕目は女目線になり、さあ3幕目はどんな展開かと思いきやすごくストレートな方向に・・・。『ゴーン・ガール』の影響か自分の頭の中で勝手にツイストしてしまっていた。
DVDジャケットにあ>>続きを読む
ある日、信仰深い一家のところに悪女がやってくる、というブニュエル、メキシコ時代のノワール風味の作品。今となってはベタな物語だが、蝙蝠、蜻蛉、井戸の底、雷雨などのイメージ、『羊たちの沈黙』のレクター博士>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
他のひとが言うように、ブニュエル版『シティ・オブ・ゴッド』といった風で、メキシコ社会を声高に糾弾することなく、近代化された都市の隠された裏(影)の顔をシュールではなくリアリズムで淡々と描いている。だか>>続きを読む
最初はのんき大将のあまりののんきぶりに唖然としながら笑っていたが、2幕、3幕とまったく別の方向に・・・。
ブニュエルだからもっとハチャメチャにやってほしかったが、まあこれはこれでいい。
大将が双子の>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
<気がついたこと>
・冒頭に出てくるタバコを吸いながらカミソリを研いでいる男はブニュエル、ピアノにつながれながら引きずられる司祭のひとりはダリ。
・出てくる絵はダリの好きな画家、フェルメールの「レース>>続きを読む