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『アートなんかいらない! Session2 46億年の孤独』に投稿された感想・評価

4.5
【定義が曖昧であることの良さ】

皆さんは、どうして人間には足底に土踏まずがあるのか考えたことはありますか。

猿から進化して、人間は2足歩行が可能になったと言われるますが、実は、2足「走行」が可能になったことが重要なのです。

土踏まずは人間とDNAが数パーセントしか違わないチンパンジーやボノボにはない。

走るときに踵(かかと)から着地する人は多いと思うが、これは、人間が靴を発明して、更に靴のクッション性を向上させたことによるところが大きく、実は、人間は本来は走る際には、やや前傾して地球の重力を利用して省エネしながら推進力を得て、フォア・フット(つま先部分)で着地し、土踏まずが最初にダンパー(ショックアブソーバー)となり、そして、足首、膝、足の付け根、腰から腹筋が着地に受ける衝撃を全体に分散して吸収し、身体への負担を極力減らしながら、体力を温存し、長距離を走ることを可能にしたのだ。

これは、僕たちの祖先が、農耕を始めるまで、狩りを行う上で、つまり、生きていく上で非常に重要な進化だった。人間ほど、長距離を走れる動物は、馬の他にはいない。そして、馬もそうだが、長距離走行を可能にするために汗をかいて体温調整をするという特徴も有している。ほとんどの動物は汗をかかないのだ。

なぜ、こんなところからレビューを始めたのかというと、映画に、アートの大きなきっかけは、人間を模写したり模刻することだったという場面があったからだ。
代表的な作品として、ミケランジェロのダビデとサンピエトロのピエタが映し出されたが、ダ・ヴィンチは解剖を行ってまで、観察を繰り返し、自分の作品に反映させようとしたことはよく知られている。

長々となったが、だから、ダッチワイフも、アートなのだ...と考えた。
ちょっと、アニメのキャラクターの要素も取り入れたような柔和で優しそうな顔立ちと、実際の人間のような身体。

蒼井優さん演じる女性がダッチワイフのモデルとなり、型どりまでされるというストーリーの映画作品があったけれども、ダッチワイフの目的が男性の擬似セックスだから、これはアートとは言えないという考え方は変だと思う。

そして、荒川修作さんがデザインした家。
荒川修作さんが、作品は使われないとダメ、つまり、周りと比べて異形だからと云って、眺めるだけでは意味がなくて、実際に住んでもらわないとアートではないという考え方は、荒川さんの家族のことを考えると、とても考えさせられる。
”障碍者だとしても、他の人と同様に扱ってもらえないと意味がない”という考え方のような気がするのだ。

アートは、アートであること自体が目的となってはダメなのだ。

縄文の器は祭祀目的もあるだろうが、実は、日常的に使用することが前提ではなかったのか。

それは、声高には主張しずらい側面もあるが、ダッチワイフも同じだろう。
人間が人体を理解し、それを更に道具として利便性(?)を高めることもアートなのだ。

そして、自分の心のうちを、表現し、外に伝えることも同様だ。

アートとは、この映画作品のセッション1と2を通して改めて、自分なりに考えると、”自由であること”、”それは因習も含めて何物にも縛られないような表現も含んで”、そして、”訴える何かがあること”、更に”人間や社会と同居していること”なんじゃないかと思うのだ。

まあ、普段は非道徳的な連中が、こんな時は道徳を説いたりするが、重要な前提は、自由であることだ。

そんな気がする。
2部構成のため、連続投稿失礼します。
Session1にまとめて感想を記載しています。

強いて言えば、2作に分けたことで、Session2は根本のテーマが体感的にぼやけて見えてしまう節はありました。

追記すると、
映像において、インタビューなど、一部をモノクロにする意味はあまり見出せなかった印象はありました。
特にSession2の玉川上水の一連はカラーのままで良かったと思いました。
原因と結果を求めない、矛盾を受け入れた生き方をしたいなと思った。
社会通念に従っていた方が簡単だけど、心地いい嘘に浸っていていいのかと思う。だけど、こんなこと考えずに器用にバカやってる方が幸せなんじゃないかとも思う。

結論、アートはいるとかいらないとかそういう議論に挙げられる「アート」は本質的に芸術のことを指していないのかも。自分はこの世界に属してるって考えると、世界に対して小さすぎる自分の存在意義とかわからなくなる。世界との関係性をアップデートしたい。

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