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女の叫びの映画情報・感想・評価・動画配信
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動画配信は2024年11月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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目次
女の叫びが配信されているサービス一覧
女の叫びが配信されていないサービス一覧
女の叫びの評価・感想・レビュー
女の叫びが配信されているサービス一覧
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女の叫びが配信されていないサービス一覧
『女の叫び』に投稿された感想・評価
櫻イミトの感想・評価
2023/03/17 23:24
4.0
「男の争い」(1955)「日曜はダメよ」(1960)のジュールス・ダッシン監督によるキャリア晩年のアート系作品。主演は妻のメリナ・メルクーリ。共演は「アリスの恋」(1974)のエレン・バースティン。本編内でベルイマン監督の「仮面/ペルソナ」(1966)が上映される。
ギリシャの大女優マヤ(メリナ・メルクーリ)は、悲劇「メディア」の主役を得てリハーサルを続けていたが、子殺しする女王メディアを演ずることに行き詰まっていた。そんな折、宣伝スタッフから大胆な企画が持ちこまれた。それはギリシャ中の新聞を騒がせた子殺しの女ブレンダ(エレン・バースティン)とマヤが刑務所で面会するというものだった。。。
前半、劇中のスタッフ・キャストが「仮面/ペルソナ」の上映会を開き「ベルイマンは我々に自信を失わせる」と語り合っている。ダッシン監督の7歳年下となるベルイマン監督に対して、何とも潔い台詞だ。これを免罪符としたのか、本作は非常にベルイマン的な映画だった。演劇モチーフ、女優論、女性性、自他の同一化、キリスト教と、どのテーマも重複している。しかし難解すぎることはなく、スリリングに楽しめるように作られているのがダッシン監督の腕前だ。ベルイマン映画をエンターテイメントに昇華させたような映画だった。
ただし、最低限「メディア」を知らないとあまり楽しめないかもしれない。自分はパゾリーニ監督「王女メディア」(1969)、ラース・フォン・トリアー監督「メディア」(1988)を観ているのですんなりと理解できた。メディア役としてはパゾリーニ版のマリア・カラスが有名だが、本作のメルクーリの方がずっとハマっていたように思う。子殺し女を演じたバースティンも“性的女性”の狂気が伝わる凄い演技だった。あまり注目してこなかったので近いうちに「アリスの恋」を鑑賞してみたい。
何度もリハーサルされる映画内演劇の演出が魅力的で舞台を通しで観てみたくなった。女優と素顔、虚構と現実の対比、モニター再撮、メルクーリとバースティンの同一化など、映像・演出共に入れ子構造が凝らされて、とても好みの一本だった。
ダッシン監督は本作の後に作ったB級恋愛映画が最終作となった。かなりのインテリだったそうなので、フィルム・ノワールだけでなく本作のような作品を残せたことは本望だったのではないだろうか。
※同時期のベルイマン監督作品
「秋のソナタ」(1978)
「夢の中の人生」(1980)
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半兵衛の感想・評価
2022/02/11 15:44
4.1
舞台『メディア』で主演をつとめる女優マヤが、役作りの参考のために作品内でのメディア同様自分を裏切った夫への復讐のために我が子を殺害した女性囚人ブレンダと逢っていくうちに虚構と現実の枠組みを越えていき意識を同一化させていくまでが描かれる。
冒頭から延々と演出家やスタッフなど関係者が主人公たちが演じる舞台のリハーサル風景を披露することで、女優という職業がいかに虚構やイメージという脆いもので支えられている危険な存在かを見る人にわからせる。またマヤ(この名前を出すと某漫画の主人公の方を思い出す)が若さを失いつつある年齢になっていて所々にそれを匂わす発言があり、彼女の焦燥感や不安定な心情が刺さり後半への展開への流れを形作る。そしてその様子を終始ニュース番組の取材スタッフが撮影することで、主人公の世界の基盤が更にあやふやになる。
そんな不安定な状況だった彼女をさらに追い込む囚人ブレンダを、『アリスの恋』で知られるエレン・バースディンが見事に好演。一見すると平凡で穏和な女性なのだが、会話しているとき何の予兆もなく突然別人格が喋りだしかのように汚い言葉で罵ってくる。しかもそのあとすぐに元に戻るのだが、この手の多重人格キャラにある人格のスイッチが入る瞬間が全く解らず本当に別の人が突然会話に割り込んでくる感覚で変貌するので見てるこちらもマヤ同様怖くなってくる。そんな不安定な性格が子供殺しという大罪を犯したことや、マヤが入り込んではいけない領域に入ったことを観客に納得させる。ブレンダとマヤが同じ年齢層であることも結末への流れを自然なものにしている。
途中上映されるベルイマン、王女メディアが子供を殺害するとき使う刃とブレンダが子供を殺すときに使った刃物といったディテールも二人の意識を混濁させるギミックとして機能する。
終盤ブレンダが子供を殺害するイメージをマヤが掴んでから映画は現実か虚構かよくわからない精神が壊れた白日夢のような世界になっていく、マヤは王女メディアとなって舞台で演技はしているがプライベートの彼女の意識は感じられずまるでメディアとマヤとブレンダが同じ存在になってしまったかのよう。ラストに映される誰もいない空間はそれの象徴のようでゾッとしてしまう。
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Jimmyの感想・評価
2022/02/11 14:48
5.0
京橋の国立映画アーカイブにて鑑賞。
ギリシャ悲劇「メディア」をベースにした演劇の女優と、妻を裏切った夫の復讐のために3人の自分の子供たちを殺して服役中の女を対比させながら、女の情念を描いたジュールス・ダッシン監督の傑作✨
妻以外の女性を愛してしまった夫への「妻の復讐劇」=「メディア」が、「現代の演劇リハーサル風景」と「子供殺しの女が収監されている刑務所」という異なるシチュエーションで並行させて展開される本作、ホントに上手い構成。
演劇女優をメリナ・メルクーリ、服役囚をエレン・バースティンが演じており、この2人が刑務所の面会を接点として心情を触れ合わすことで、映画に深みを与えている。
本作の冒頭テロップに「イングマール・ベルイマン」表記があったので何かと思ったが、本作中にて『仮面/ペルソナ』を映写して演劇関係者で観るシーンがあった。
映画『ペルソナ』の女性2人をスクリーンに提示することで、本作の2人の女性も気持ちが通じていくようになる……という暗喩に見えた。
本作は、1979年に岩波ホールで公開された時から観たかったが、ようやく観ることができた (^_^)
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