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ペーパーシティ 東京大空襲の記憶

ペーパーシティ 東京大空襲の記憶の作品紹介

ペーパーシティ 東京大空襲の記憶のあらすじ

1945年3月10日午前0時過ぎ、アメリカ軍の爆撃機が東京を襲撃し、木造の家屋や多くの紙材が密集していた街に火の粉を浴びせた。 日の出までに10万人以上の死者を出し、東京の4分の1が焼失した史上最大の空襲だった。この凄まじい記憶が今もなお生存者の脳裏に焼きついている。戦争や空襲の記憶が失われつつある今、未曾有の悲劇の体験を後世に残そうとする生存者たちに肉薄する。 本作は東京を拠点にするオーストラリア人映画監督エイドリアン・フランシスの長編ドキュメンタリー・デビュー作。この悲劇で私たちは何を記憶し、なぜ忘れようとしているのか。ロシアによるウクライナ侵攻から1年。戦争の影がしのび込んでくる今、生存者の体験と未来への思いを見つめる。

ペーパーシティ 東京大空襲の記憶の監督

原題
Paper City
公式サイト
https://papercityfilm.com/
製作年
2021年
製作国
オーストラリア
上映時間
80分
ジャンル
ドキュメンタリー

『ペーパーシティ 東京大空襲の記憶』に投稿された感想・評価

なだ

なだの感想・評価

5.0
もうすぐ東京大空襲から78年
年々意識しなくなるこの日を思い出させる映画を観ました。

昭和20年3月10日
アキバヤスコ17才
小さな弟を背中におぶい
後に東京大空襲と呼ばれる米軍による空襲の中逃げる。

上記の人物は私の母
母から聞かされた空襲の話は後に書きますが、先ずは東京大空襲に興味を持ってこの作品を制作してくれたエイドリアン・フランシス監督に感謝したい。

空襲から78年になる
当時を知る人も高齢化で存命の方も数少ない。
記憶のブラックボックスをドキュメンタリー映画で残してくれた。

冒頭、日本を攻撃する士気を高める英語の歌が流れる。
軽快なメロディと心ない歌詞に攻撃された側の人間としてショックを受ける。

作品は、存命している方の空襲の体験談や太平洋戦争末期に名古屋、大阪など各都市を襲った空襲を被害として国に提訴している事(安倍政権時代)。亡くなった方の名簿を残す活動などに密着している。

火の海の中、隅田川に潜って生き延びた少女。
川に浮かぶ死体を回収させられた少年。
初めて聴く地獄絵図を体験した方の話は心に重く感じる。

一夜で10万人の命を奪った空襲は軍事施設など無い土地の民間人を襲う暴挙でした。

戦後GHQの政策で日本人が米国に恨みを持たないよう教育されたのは知っているけれど、今の日本人はキレイさっぱり忘れ過ぎてはいないだろうか?
忘れているウチに我々の納めた税金が軍事費にまわってしまう。

今更米国を恨んでも前に進めないけれど、歴史的事実はしっかりと知識として残して、鎮魂の気持ちを忘れないようにしたい。



🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇

下記は空襲から助かった母のメモリー。映画とは関係無いのでスルーしてくださっても良いです。

母が『渡ろうとした橋は逃げる人に止められて渡らなかった。渡っていたら火の海にまかれて死んでいた』(橋の名前は分からず)とよく話してくれた。もし渡っていたら私は産まれていなかっただろう…といつも考える。

『防空頭巾なんか役に立たない、火の粉がかかると綿だからチリチリっと中に入って燃える』と弟の頭に被せた頭巾の話もよく聞いた。

空から落とされる焼夷弾は花火が上がる音に似ていて、キレイだったと語る母。

タイトルの「ペーパーシティ」は木と紙で出来た都市は燃えやすい=大災害(それも人災)をイメージしたのでしょう。

母は浅草生まれの浅草育ち。本当に「ひ」を「し」と言ってしまう江戸っ子でした。
浅草寺をセンソウジと言うと「観音様って言うのよ」と直され、御神輿を担ぐ時のソイヤッて掛け声は浅草の言い方ではない。浅草は「わっしょい」だと譲らず。地元愛に溢れた頑固な一面を持った人でした。

今年で10回忌
強情っぱりでよく喧嘩もしたけど未だに母の教えは役に立っています。

スコアは被災された方々を偲び満点です。
3月10日は10万人超の犠牲者のあった東京大空襲の日。
オーストラリア人監督が製作した東京大空襲の記憶のドキュメンタリーです。知らずにいたこと、聞いておかなければならないことを喚起されました。観てよかったです。

冒頭、アメリカ軍の「日本を空襲する軍歌」から始まります。歌詞の酷さから沸き上がる怒り。そして炭化したご遺体の数々。

1945年3月10日の夜間の空襲で10万人超が死亡。罹災者100万人。焼夷弾による無差別爆撃で東京区部の¼が焦土と化しました。その後5月までに5回の大空襲を受けています。

「この町に確かに生きて住んでいたことを遺すのが生き残った者の義務」と、
東京大空襲によって亡くなった方々789名の名前を碑に刻み、ご供養する森下五丁目町会。

空襲について語り続けるご高齢の方々。

「戦争で亡くなった市民の名前の碑を国が作っていない。他国では(ドイツ?)国が名前を刻んでいる。東京大空襲は、関東大震災の慰霊碑と合同になった」

「空襲がわかっていたのに知らされず、消火活動しなければならず、逃げたら犯罪になった。逃げ遅れて亡くなったのは国のせい。軍人以外にも市民に補償が必要」と国へ訴訟を起こし続けるご高齢の方々。

街宣車が集会の周りで「補償を請求するのはアメリカへ、日本国へではない」と叫びます。

皆さま、ご高齢です。

語り続けても、後の世代に語り継がれてこなかったのが映像からわかります。

今ある児童公園、広々とした公園、東京の至るところに10万人の死者を埋めていったと語ります。(戦後、掘り返し荼毘に付し慰霊堂に全て安置したことにはなっています)

カラックスがオムニバス「TOKYO!」で、華やかな東京の地下に戦争の残骸を描いていたことを思い出しました。

戦火を忘却し、死者の上で発展してきた東京。


散歩コースのお寺に炭化した大木があります。戦争を忘れないためにと遺され保存。郊外なのにその辺りは軍人が多く住んでいたので一帯が爆撃されました。

我が家は周りに人家が少なかったからか焼かれました。父は戦地、祖母は疎開、母は学童疎開なので、さいわいに空襲には家族誰も遭わなかったのですが、地面に埋めておいた食器が変形し、メモリアルとして遺してあります。父がアメリカ人にその器を見せていたのを今思い出しました。

語り継ぐ人が減っている東京大空襲のこと。聞いておかなければ、と思いました。観てよかったです。このドキュメンタリーのあと、空襲された地域を真っ先に確認しました。

📖東京への空襲は1944年11月から大空襲含め1945年8月15日降伏した当日まで、106回の空襲を受け、死者11万5千人、罹災者310万人、負傷者15万人、家屋85万戸が被害に遭いました。
大阪公開初日。オーストラリア人の監督エイドリアン・フランシスさんが東京から駆けつけてくださった。

東京大空襲といえば『東京大空襲』(早乙女勝元 71年)『東京大空襲の戦後史』(栗原俊雄 22年)ともに岩波新書、なんかもあって、特に看過された出来事とは思っていなかった。
もちろん浪速人としては45年8月14日の京橋駅空襲への思いもあるし。

ただ、空襲の犠牲者(非戦闘員)に対する国家の賠償責任について、私はもちろん国中の興味関心が薄いのは間違いない。

そのことへのフランシスさんの疑問がインタビュイー3人の想いと連携しきれたかというと、そこはちょっと情に流される部分が勝ってしまったかなあと感じた次第。

「空襲」についての「表現」というと、映画の中にも出てきたドイツ、ドレスデン空襲から筆を起こしたヴォネガットの『スローターハウス5』になると思うけど、フランシスさんにそのこと聞きそびれたのが残念。

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