松竹様からの招待でオンライン試写鑑賞

強盗団に狙われた列車の中で繰り広げられる新感染的バトルアクション

大作映画にありがちな一般人誰も傷つかず特殊部隊員が無双する… みたいな安易な展開にならない。それどころか多くの人にとって想像を遥かに超える修羅の闘いを見せられる事になるでしょう

"あいつは軍人なんかじゃない…鬼神だ…"

永遠の愛を誓い合った恋人トゥリカが、父親が決めた相手と結婚させられてしまう事を知った対テロ特殊部隊員のアムリトは、トゥリカが家族と共に乗車した寝台列車に乗車する…だが、その列車に武装強盗団40人が乗り込み、次々と乗客から金品を巻き上げる…強盗団の一人がトゥリカの父親が大富豪である事に気づくと、身代金目的でトゥリカを誘拐しようとするが…

インド映画でありながら…
歌なし、踊りなし、コメディ要素も全くなし…な実に硬派なアクション映画。

あ、でも劇伴でそれっぽい歌はあったか…

狭い列車内で至近距離での格闘戦、銃は殆ど使われる事はありませんが、ありとあらゆる刃物を使っての肉弾戦は痛々しいモノがあります。

主人公が無双する話かと思っていましたが、いくら強くとも多勢に無勢…アムリト、結構やられます…気絶します…で、まさに"覚醒"するのです。

題名の出かたがめちゃめちゃカッコイイのです。

えげつない展開だし、グロも多めなので、苦手な方には要注意ではありますが、"ザ・レイド"を初めて観た時の衝撃に近いモノがありました。

こちらの方が洗練されていない分、異様な迫力がありましたが…

相変わらず、インド映画の女優さんは綺麗な方が多く…で、あの扱い…ほんとえげつない…

主人公アムリトを演じた俳優さんが、段々"マッチョな平井堅"に見えてきてしまって…

「守りたい」が暴走する。

ニキル・ナゲシュ・バート監督、脚本、ラクシャ主演によるインド製作のアクション。
武装強盗集団に対峙する主人公等の姿を描く。
主人公となる対テロ特殊部隊員のアムリトをラクシャ、恋人のトゥリカをターニャ・マニクタラ、同僚のヴィレシュをアブヒシェク・チョウハンが演じているほか、ハーシュ・チャーヤ、ラガヴ・ジュヤル、アシーシュ・ヴィディアルティ等が登場。
物語は、対テロ特殊部隊員であるアムリトとヴィレシュが演習から帰還するシーンでスタートするため、2人の関係性や職業柄、戦闘スキルの高さ等が示されるオープニングとなっている。
そのアムリトの恋人であるトゥリカが、実はアムリトの知らぬところで見合い相手を決められ、翌日には婚約式に向かうという設定となっていて、親に相手を決められるなんて、いつの時代の話だよと思うこと必至なのだが、依然としてインドではそういったことが当たり前なのかもしれないとも感じた次第。
そんなアムリトが、彼女の乗るインド東部ジャールカンド州から首都ニューデリーへ向かう寝台列車に乗り込んだところ、武装強盗一族に襲われることとなり、そこからはアムリトとヴィレシュが強盗団に対峙する様が中心となるが、疾走する列車内が舞台となるため、動くことができる範囲が狭く、近接した肉弾戦バトルがメイン。
その序盤では、流石に多勢に無勢状態であることから、アムリトがやられることもある反面、中盤に差し掛かる頃、とある出来事をきっかけに、「KILL」とタイトルが挿入されると同時に、邦題のサブタイトルにもあるように覚醒していき、キレキレのアクションに拍車がかかることに。
前述のように、基本走る列車内を舞台としているため、クローズドなシチュエーションによるアクションものとなるのだが、ナイフやハンマーは駆使するものの、やはり列車内はホームセンターとは違い、そこまで武器になるような道具が少なく、かつ動く列車そのものを活かした展開があまり見られなかったのに加え、照明が落とされた暗いシーンでは、何をやっているのかわからないことが多かったのは残念だったところ。
また、痛そうなシーンが、かなり直接的に表現され、グロいものも多いため、苦手な方は要注意。
クルマ好きの視点からすると、冒頭登場する軍用車がスズキ・ジムニーであったことと、鉄道好きの視点からすると、寝台車のベッドの配置が通路を挟んで線路方向と枕木方向という左右非対称となっていたのは見逃せないポイント。
平井堅と渋川清彦を足して2で割ったようなビジュアルのアムリトの覚醒っぷりを堪能できた反面、絵面とアクションにあまり変化がないため、105分という尺はインド映画にしては短めながら、この内容なら90分程度にして欲しかったと思うとともに、『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督プロデュースによるハリウッド・リメイクが決まっているとのことであり、確かに、長尺や踊りを廃した演出はハリウッド向きではある中、その設定の昭和感も含め、どうアップデートしてくるかが見ものとなる一作。

連れて戻るよ。