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恋恋風塵(れんれんふうじん)の作品紹介

恋恋風塵(れんれんふうじん)のあらすじ

鉱山の村で幼いころから兄妹のように育った少年ワンと少女ホン。台北に出た二人は、夏の里帰りを楽しみにしながら、愛すると感じるよりも深く心で結ばれている。やがてワンのところに兵役の知らせが届く。ホンはワンに毎日手紙を書き続けることを約束し、ワンにも自分の宛名を書いた1000通の封筒を託す……。

恋恋風塵(れんれんふうじん)の監督

ホウ・シャオシェン

恋恋風塵(れんれんふうじん)の出演者

ワン・ジンウェン

シン・シューフェン

リー・ティエンルー

原題
戀戀風塵
製作年
1987年
製作国
台湾
上映時間
110分
ジャンル
ドラマ

『恋恋風塵(れんれんふうじん)』に投稿された感想・評価

4.1
幼なじみとの淡い恋心が切ない純愛なラブストーリー。この繊細な雰囲気を成立させているのが、辛樹芬(シン・シューフェン)です。素朴でありながらどこか儚げな存在感が魅力的。早々に女優を引退してしまったので彼女を見ることができるのはホウ・シャオシェン監督による4作品だけなのです。

エモーショナルな演出は抑えられていて淡々と物語が進行していきますが、しっかりと心の奥底に押し込んでしまった感情がググーっと引き上げられていく感じ。心地よいノスタルジーも感じさせてくれます。

冒頭、青々とした森の中を走る単線列車。その車窓からの風景を見た瞬間、すでに胸を射抜かれてしまいました。行ったこともないはずの台湾の風景が、なぜか懐かしい。深い緑に囲まれた田舎の風景、電車の窓から流れゆく町並み、駅前の繁華街の賑わい……どれもが丁寧に切り取られていて目を奪われます。

物語の中心にいるのは、貧しい山村で育った幼馴染の少年と少女。学校にも一緒に行く兄妹の様な関係。やがて少年は家計を支えるために都会へ働きに出て、夜学に通うことに。少女もまた、彼の後を追うように都会で職を見つけ、2人は慣れない環境の中で共に支え合っていきます。都会の喧騒に戸惑いながらも、少年を頼りにする少女。その関係性がとても印象的で、二人が寄り添い助け合いながら大人になっていく過程が、静かに、しかし確かな温もりをもって描かれていました。

地方から都会へ出た若者の奮闘や淡い恋の行方って、よくありがちでどこか日本のNHKの朝ドラを思わせる要素もあります。ただ、本作の魅力は、その語り口の独特な落ち着きのような気がします。日本のドラマならば、主人公の感情がより分かりやすく伝わるような演出がありそうなところ、ホウ・シャオシェン監督はあくまで静かに、淡々とした日常の流れの中に心の機微を織り込んでいきます。

過剰な演出を排し、ただ日々を生きる若者たちの姿を静かに映し出す。そのリアリズムが、むしろ観る者の胸に沁みるのです。村の風景、都会の片隅の何気ない情景、そうした細やかな描写が、淡い青春の時間をより鮮やかに刻みつけてくれる。ホウ・シャオシェン監督の手腕が、ありふれた物語に深みと詩情を与えています。

一度観たあとも、じわじわと思い出が染み込んでくるような映画。観終わった後もふとした瞬間に、あの列車の風景や、都会の片隅で語らう二人の姿が頭をよぎってしまいます。

台湾の60年代という時代背景ながら、どこか懐かしく、日本のかつての風景とも重なるような感覚もありました。そうした郷愁を呼び起こしながら、若者たちの成長と淡い恋心を静かに見守るような映画。ホウ・シャオシェン監督の静かな語り口が、この作品に独特の余韻をもたらしていました。
4.1
◯◯と◯◯がいて、あれがああなって、ああしてるあいだに、ああなった


映画の骨組みはたったこれだけの事

それなのになぜなんだろう


この映画は僕の琴線に

しつこいほどべったりと触れてくる
3.8
 トンネルの暗闇を抜け、両側に新緑が生い茂る山道を列車はゆっくりと走る。幼馴染の少年アワン(王晶文)と少女アフン(辛樹芬)は席に座らずに、銀色の手摺と白い吊革に掴まりながら、互いに言葉を交わさず、じっと教科書に目を通す。トンネルに入り真っ暗になり、再び光が差した時、アフンはふと「数学のテストが出来なかった」と書籍に目をやりながらアワンに漏らす。駅に備え付けられた信号、プラットホームに青い列車が到着する。線路伝いに2人は歩くと、馴染みのおばさんから母親に宛てた米を託される。少年はそれを肩に担ぎ、代わりに少女が少年のカバンを肩にかけて歩く。やがて夕闇照らす田舎の村の光景に、草むらにくくりつけられた白い布が風にたなびく。どうやらここで映画が上映されるらしい。アワンはアフンの一個上の中学3年生。幼い頃から兄弟のように育てられた2人。隣合う家までアフンを送ると、アフンの母親が「父さんはいつ退院するの?」とアワンに聞く。少年は知らないですと答える。小高い丘、急な石畳の階段を登ったところにある2人の家。遅い夕食を取るそれぞれの家族。祖父のいつもの説教が漏れ聞こえてくる。

導入部分にそっと忍ばせた父親の炭鉱での大事故の予兆、それが具現化するプラットホームを息子の肩に担がれながらゆっくりと歩いてくる痛々しい父親の姿が、たちまちアワンの人生を狂わせる。一家の大黒柱、長兄としての責任。『風櫃の少年』とは対照的に、ここでは健気な少年の責任感がこれ以上の勉学の夢を思い留まらせる。優秀だった学業の挫折。こうしてアワンとアフンは1年間離れ離れになり、アワンは生まれ育った炭鉱の田舎町から、遠く台北へと出稼ぎに出る。ここでは主人公の造形に、初めて外省人ではなく、内省人の設定を施す。『風櫃の少年』以降の3作が監督の自伝的内容だったのに対し、今作は脚本家の人生を基調にしている。台北のプラットホーム、アフンはアワンに遅れること1年、台北にやって来る。妹のような幼馴染みとの再会、理不尽な都会の洗礼が早くもアワンの生活に亀裂を走らせる。映画館の裏での質素な暮らし、数少ないアワンの友人たちのお祝いの席、アフンが父親に託された防水のタイメックスの腕時計。箱を開けた瞬間、思わず言葉を失うアワンの姿。翌日、アワンは両親に感謝の手紙を送る。仕立て屋の階段の格子状の出窓。その僅かなスペースだけがアワンとアフンの唯一のコミュニケーションの場。仕立て屋の仕事に慣れないアフン、印刷屋から運送業に転職したアワンの焦燥感、二度と戻らない青春の日々はこうして残酷にも過ぎ去っていく。

手も握れないプラトニックな恋、ブラウスを脱いだ少女の姿に戸惑う青年の表情。幼い頃からずっと側にいるのが当たり前のように育った2人には、互いの関係性を壊すのが怖く、恋愛に踏み出す勇気などない。親友の兵役前のパーティ、ほろ酔いのアワンがちらっと見据えた少女の表情。アフンの左手の火傷、アワンのバイク盗難から補償により、果たせなかった2人での2度の帰郷が、ゆっくりと彼らの想いに距離を作る。やがて訪れるアワンの入隊、仕立て屋で経験を積んだアフンの縫製したシャツは、実際の彼の肉体とはかけ離れ、少し大きい。縫製し直したシャツを渡した当日、予期していなかった入隊の報せが、残酷にもアワンとアフンの仲を引き裂く。毎日届くアフンからの手紙、ビリヤード場で一人ポツンと正気を失った表情で座るアワンの居眠り。転居先不明で転送された手紙の束、アワンの慟哭。フラメンコ・ギターの音色、風に揺れるシーツに映し出された李行の『あひるを飼う人』のショットの数々、どこまでも青い空、揺れる風などの自然の情景が、人間の営みとは無縁に悠久の時を彩る。幾千年もの時を見つめてきた土の上で、祖父はタバコをくゆらしながら、静かに主人公に語りかける。移ろいゆく季節・想いがひたすら胸を締め付ける青春映画の傑作である。

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