恋恋風塵(れんれんふうじん)の作品情報・感想・評価

恋恋風塵(れんれんふうじん)1987年製作の映画)

戀戀風塵

製作国:

上映時間:110分

ジャンル:

4.0

あらすじ

鉱山の村で幼いころから兄妹のように育った少年ワンと少女ホン。台北に出た二人は、夏の里帰りを楽しみにしながら、愛すると感じるよりも深く心で結ばれている。やがてワンのところに兵役の知らせが届く。ホンはワンに毎日手紙を書き続けることを約束し、ワンにも自分の宛名を書いた1000通の封筒を託す……。

「恋恋風塵(れんれんふうじん)」に投稿された感想・評価

dude

dudeの感想・評価

4.0
トンネルの暗闇、停電、そもそもの明かりの少なさが、太陽の眩しさや照らされる木々の緑を際立たせる。風は一巡しイモもやがては育つ。実際に映画を観るシーンもあるが、冒頭からして暗闇の中から光を見るのであって映画という媒体にかなり自覚的。兵役に出る孫を爆竹鳴らしながら見送るじいちゃんが良い...。
切なすぎて死ぬ。
知らん時代の行ったこともない街なのに何故かめちゃくちゃノスタルジー。
専門的なことは分からんけど撮り方が独特で飽きずにずっと観てられた。
この監督の映画全部観たくなった。
「葉巻薫せ風向きに気づく/淡い青春」

冒頭のシーン。
一面暗闇の中、画面中央に何かを反射してプワプワ若草色に輝く水滴のような光が見える。なんだろうと見つめていると、微かに「タタンッ、タタンッ...」と音が聞こえてくる。音が次第に大きくなるとともに中央の光もだんだん大きくなる。
少し経ってからようやくその映像は電車から撮られたもの、その光はトンネルの外からの光と判明する。のもつかの間、電車はトンネルを抜けて目の前には山間部の美しい深緑が広がる。

その後映像は電車内に親しげに並立する若い男女を写す。少年の方は本作の主人公ワンで、少女の方は彼の幼馴染みのホン。なにやら数学のテストについて話しているようだ。外の様子が窺えないことから電車は前後のどちらへ進んでいるのか定かでないが、トンネルの影が前方から伸びてきて車内を包み込むことから前に進んでいるのだと判る。


簡単なディスクリプションでしたが、この冒頭の二つのシーンだけでも雄弁にこの作品の雰囲気を物語っている。

極力説明を省略して観客に能動性を働きかけ、映画という人為の映像としての自覚を感じさせない固定のロングショットによる爽やかな郷愁ある自然、そこに住まう人々のささやかな営みといった【生きた】映像は奥ゆかしく、愛おしく観客に語りかける。上空の雲の動きで大地が変化する辺りの東洋的な風景描写は台湾映画が一番。

それに呼応して役者の演技も圧倒的に素朴である。最近大学の新歓で忙しい僕には兵役の友人の送別会の場面での表情、雰囲気のそのもの感には度肝を抜かれました!しかし、なんといってもワンのお爺ちゃんの佇まいが素敵すぎる‼︎おまけ程度にそこにいるだけで味わい深いというあの存在感に憧れます。ひょっとしたら家族を見守る座敷童的な妖精なのかもしれません。

「恋恋風塵」はそんな純朴なタッチで青年たちの淡い青春模様を描く。ワンの友人が描く画風の変化が最もわかりやすいだろうか。大人という定在がまだリアルにならない青年たちのもどかしい余裕が何気ない描写に織り込まれている。度々見られる時計にまつわる挿入や「アナザースカイ」で行定監督も言及していた信号機なんかの名状し難く感慨深い数々の示唆のセンスは最早なんなんだろうか...

ただ、結局は「ぜんぶ緑なんだ」っていうセリフは素敵だし、うまいけど、やっぱ「風櫃の少年」みたいな回答が個人的には欲しかった。3年越しに着る彼女のシャツはあまりにもピッタリし過ぎていたんだ。

もっと侯孝賢の映画観たい!
うめ

うめの感想・評価

3.9
炭鉱の町で幼馴染として育ったアワンとアフン。
仕事を求めて、台北へ。
大人への階段を昇る事で、二人の間に吹き始める風。

何故だ…
年齢を重ねた今。
理解はできる。
おじいちゃんの言う通り。
そういうものなんだ。
でも、私も大人になりきれてないのかな。
どうしていいのか分からない喪失感。
茫然として止まってしまう心。
そして、それが実感を伴った時。
目から共に流れる涙。


切り取られた美しい景色。
だけど、それは常に私達の周りにもある、ありふれたもの。
美しい瞬間はいつでもあるんでしょうね。
気づかないだけで。
だからか?たまに田舎に帰ると不思議に輝いて見える事があるんです。
ただ、決定的に違うものもある。
それは、夜の闇の深さ。
もう、今となってはほとんど感じれなくなってしまったけど…
この時代の映画にはその闇が存在感を放つ。
だから、真っ暗な中でそっと寄り添ってくれるような温かさがあるのかもしれない。

また余計な音楽がないのも良い。
電車の音
動く機械の音
虫の声
木を削る音
そして
話す声
が耳に語りかけてくる。

台湾の映画。
そこにしかない何か。
定期的に見たくなってしまう。
言葉にならない、この手触り。
すっと心に沁み込んでくる優しさ。
また、しばらくしたら求めてしまいそうです。
あかね

あかねの感想・評価

4.2
淡い
綺麗で無駄のない画面
終わってすぐにもう一度みかえしてしまう
ジェイ

ジェイの感想・評価

4.6

父から貰った防水時計、海、濡れた背中に張り付いたYシャツ。行く宛てのない哀しみよ、分厚い雨雲と緑林生い茂る丘よ。そんでもって3年経ってサイズに違和感のなくなったシャツを着るのさ。
Soichfork

Soichforkの感想・評価

3.8
なんとも言えない切ない初恋というか青春というものをここまでリアルで、純粋に映し出すとは!あと、台湾行ったことないのになんだか懐かしい気持ちがした。

初台湾映画。他の作品も観てみたい。
シミズ

シミズの感想・評価

4.4
地方と都市、生と死をつなぐものとしてのトンネル。とにかくほとんどが動かない、遠い、長いショットで構成されている映画。しかしそのまま彼らの心を描くようにアフンとアワンがカメラに収まったとき画面は動きだす。
つた

つたの感想・評価

4.0
なんかみてるこっちが辛くなるような切なーい物語だったなぁ。なのに長回しの風景とかめっちゃ綺麗で見惚れてた。山が雲の影で色が変わるのとか、台湾の独特なじとーとした雰囲気とか、たまらん。
りま

りまの感想・評価

3.5
ずーーーーっと湿気ってる
霧がかかってる山ってまさに台湾


㊗️今年50本目!
>|