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拳と祈り ―袴田巖の生涯―

拳と祈り ―袴田巖の生涯―の作品紹介

拳と祈り ―袴田巖の生涯―のあらすじ

プロボクサーとして青春を駆け抜けた袴田さんは30歳で突然、逮捕された。無実の訴えは裁判所、そして世間からも黙殺された。そんな過酷な状況下でも、リングに上がり拳ひとつで闘った遠い記憶は、生き抜くための支えとなっていた。やがて袴田さんは獄中で、自らを「神」と名乗り始める。一方で、釈放され故郷・浜松に戻ってからもボクサーとしての記憶が袴田さんの足を思い出の地へと向かわせる。弟の無罪を信じて闘ってきた秀子さんは、そんな巖さんを明るく見守り、「この映画は、笑ってるとこでも泣いてるとこでも、私は真実のものを伝えてくれればいいと思ってます」と語る。生きて歩く死刑囚——。その存在は、権力によって覆い隠されてきた「死刑」という刑罰の残酷さを、白日のもとに晒す。そして、時に人の理解を超えた袴田さんの言動が意味するものとは何なのか。映画は、やがて一つの答えにたどり着く。

拳と祈り ―袴田巖の生涯―の監督

笠井千晶

拳と祈り ―袴田巖の生涯―の出演者

袴田巌

袴田秀子

原題
公式サイト
https://hakamada-film.com
製作年
2024年
製作国・地域
日本
上映時間
159分
ジャンル
ドキュメンタリー
配給会社
太秦

『拳と祈り ―袴田巖の生涯―』に投稿された感想・評価

5.0
159分間、食い入るように観入りました。
この世の中に起きていること、実話、ドキュメンタリーを好んで観ますが、この作品は特別でした。満点以外に考えられません。

まず、笠井千晶監督のことを先に少し書きます。なぜこんなに密着して撮れるのか?
それは静岡放送局勤務時に袴田事件に関わるようになり、一時期、袴田秀子さんの所有するマンションに居住していたことがあり、秀子さんとは友情以上の密接な関係性を築けていたことにあります。すぐ近くに暮らす秀子さんと巖さん宅に頻繁に出入り可能だったからこそ撮れたことばかり。
お綺麗な監督ですが、22年をかけて執念で追いかけた袴田事件の集大成ここにありです。

ニュースだけでは知り得ない真実の姿を見ることが出来ました。


2014.3.27、東京拘置所から47年7ヶ月ぶりに突然釈放された巖さんは78歳になっていた。その時も監督は休みを取って個人的に秀子さんと一緒に東京に移動した。だからこそ、その日の巖さんの車内の表情から撮せているのです。

巖さんは『拘禁反応』(長い間の抑圧による人格の変化)が出ていて、自分を"神"と言ったりして本心をハッキリと言葉で聞くことは不可能なところがあります。特に男性の訪問には抵抗を示したり、一日中、家の中を歩いていたりしますがお元気でした。
そんな中、3歳上の姉、秀子さんの大き過ぎる包容力には頭が下がります。とにかく「巌を自由に好きなようにさせたい。否定はしない。」その精神で常に笑顔を絶やさず見守っていらっしゃるのです。
秀子さんがいらしてこその、巖さんの健康状態維持ですからね。

一方、巖さんの第一審担当判事、熊本典道さんの苦悩。自分は無実を主張したが、裁判長含む2人の裁判官の反対により、死刑判決書を書かねばならなかった。その日以降、巖さんを思わない日はなく悔いている。クリスチャンになったのも巖さんに肖って少しでも理解したかったから。直接行った裁判所の面会は叶わなかった。
しかし秀子さんの計らいで、入院中の福岡の病院へ巖さんが見舞いに行き顔を合わせます。意識が朦朧とする中、「わるかった、いわお...」と口を開いた。

もう一つの奇遇な話は、巖さんと時を同じくした1966年に冤罪で収監され、19年服役したアメリカのボクシングチャンピオン、ルービン"ハリケーン"カーターさん。彼は巖さんが獄中から手紙を送り、2人は励まし合う仲でもあった。カナダまで取材に行き笑顔でインタビューに答えている(1999年、デンゼル•ワシントン主演の伝記映画『ザ•ハリケーン』は良かった)
1993年、世界ボクシング評議会(WBC)が世界ミドル級名誉チャンピオンの称号とチャンピオンベルトを授与している。それにちなみ、巖さんも史上2人目、WBCが名誉チャンピオンベルトを授与した。

沢山の涙を誘う場面やハラハラするシーン(散歩中に階段から落ちて大怪我して入院)もありました。
秀子さんは常に凛とされていますが満91歳。巖さん88歳になられました。
どうか一日も長く元気で穏やかに過ごせますよう祈っています。


そもそもがボクサーだからという勝手な人間の思い込みによって起きた冤罪事件。
私たちも人の意見に流されることは絶対に止めましょう。


題字『拳と祈り』は金澤翔子さん。

良かったです、ぜひご覧になることをお薦めします。
Aki43
4.1
釈放されるのに約47年
無罪確定まで約58年
馬鹿げてるとしか言いようがない

証拠品捏造?
司法は本当に人を裁く責任をどう思ってるのか
ただただ怒りでしかない

これまで日本の司法は何件の冤罪を生み出してきたのだろう
ただただ腹立たしい

そして
お姉さん
凄すぎます
100%自分の人生を弟に捧げて
100%寄り添う姿
涙が止まりませんでした

この作品は中学校、高校で全校順次上映会をすべきだ!


自由
私達は自由だと言う事を
作品を通して再認識するべきだ
お姉様の秀子さんの
しなやかさと強さに
ただただ恐れ入る
その和かな笑顔の裏で
60年近くに渡り
味わったであろう
惨痛を
傍観者である私達に
少しも感じさせない

袴田巌さんが
無実の身でありながら
48年もの長期に渡り
獄中で
耐え難い屈辱と
恐怖を乗り越え
生き延びることが
出来たのは
ボクシングで培った
強靭な肉体と精神力が
あったからなのだと
本作を観て確信したが
ボクシングと同様に
この秀子さんの存在も
大きかったことでしょう

30歳で無実の罪で逮捕され
塀の中で無実を訴え続けた巌さん
弟の無実を信じ続けた秀子さん
共に壮絶な日々を闘い続けた姉弟

2014年に再審開始決定と共に
死刑囚のまま78歳で釈放され
48年ぶりに観た外の景色
巌さんにはどう映ったのだろう

何故もっと早く
再審決定されなかったのか
いや違う
そもそもどうしてこんなことが
起きてしまったのだろうか

そしてもう1人
無罪を確信するも
合議の末、意に反し
第一審で死刑の判決文を書き
後に良心の呵責に耐えかね
裁判官の地位を捨て
謝罪、そして袴田巌さんの
再審支援活動に参加するなどした
熊本典道元裁判官


事件の被害者だけでなく
裁いた側や裁かれた側
そして秀子さん達の様に
それぞれのご家族も
人生を大きく狂わされた

改めてこの国の
捜査権力と司法制度には
不信感いえ憎悪すら湧いてきます

司法の威信や信頼のため
という理由で誤ちを
認めないのだとしたら
正義とは何なのでしょうか
誤ちを真摯に認める
誠実さこそが
正義なのではないですか

これはフィクションではなく
紛れもなくドキュメンタリーなのだ
ということに
改めて驚愕します

劇中、笠井監督との会話の中で
巌さんは自らを神と
語っていらしたが
死刑囚として
いつ死刑になるか分からない
極限状態に日々晒され
その恐怖に抗う為
神となることが
自らを守る術だったのですね

そしてその神が捧げる祈りは
自らの無罪を勝ち取る
などという自分本意の祈りではなく
助けを求める弱い者に手を差し伸べ
穏やかで平和な世界が
実現する様にという
尊く献身的な祈りだったことに
私は心が震えました


『今の巖には、自由こそが薬』と言い
巌さんの行動(1人での外出等)を
全く制限しない秀子さん
事故や迷子になったりしないかと
観ているこちらが心配になるけれど
改めて秀子さんの強さと
巌さんを思う愛情の深さに
圧倒されます

どうかお2人が
この先健やかで穏やかな日常を
少しでも永く過ごされます様にと
願います

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