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億万長者の不都合な終末の作品紹介

億万長者の不都合な終末のあらすじ

ストリーミング・プラットフォームの重役プロデューサーであるローラは家庭を顧みず、自身のキャリアにすべてを捧げてきた。華やかな映画業界での成功を目前にしたその矢先、世界では、裕福な人々を次々と死に至らしめる奇病《リッチフルエンザ》が突如発生し、資本主義に支配された現代社会は、瞬く間にカオスへと陥る。富が死を招く、その極限状態のなかで、ローラが下す究極の決断とは......。

億万長者の不都合な終末の監督

ガルデル・ガステル=ウルティア

原題
Rich Flu
公式サイト
https://synca.jp/richflu/
製作年
2024年
製作国・地域
スペイン
上映時間
107分
ジャンル
スリラー
配給会社
シンカ

『億万長者の不都合な終末』に投稿された感想・評価

kuu
3.5
『億万長者の不都合な終末』
原題または英題 Rich Flu
製作年 2024年。上映時間 107分。
映倫区分 G 
製作国 スペイン・チリ・アメリカ合作

富裕層のみが感染する謎の奇病リッチフルエンザの発生によって、資本主義社会が崩壊していく世界をブラックユーモアたっぷりに描いたスリラー。格差社会を鋭く描いた『プラットフォーム』シリーズのガルデル・ガステル=ウルティアが監督・脚本を手がけ、価値の逆転がもたらす混沌をスリリングに描き出す。

資産の額がそのまま生存リスクのメーターになってなっち舞うと云う、なんちゅう悪趣味でシニカルな世界観。
勝ち組のパスポートやったはずの銀行残高が、一瞬にして八神月のデスノートのよな死神の死亡ノートへと変わる不条理劇に、強烈なウキウキ目眩を覚える。
新進気鋭のインディーズ出身監督は、資本主義のバグを映画のスパイスにするのが実に巧い。
そして主演のローラを演じる実力派俳優の、冷徹さと焦燥感が同居した瞳が、このカオスなドラマをギリギリのところで支えてます。
プロットの粗さや矛盾をいちいち突くのは野暮であり、これは歪んだ現代の地獄絵図をゲラゲラと笑い飛ばす、極上のブラックコメディとして受け止めるのが正解かな。
 
富裕層だけが死に至る奇病リッチフルエンザが流行し、成功の象徴やった資産が命を脅かすリスクへと反転する。
今作品が提示するこの設定は、格差社会や行き過ぎた資本主義への痛烈な風刺として、抜群のインパクトを放ってました。
しかし、映画の序盤から中盤にかけては、ストーリー展開のわかりづらさや、世界観の説明不足に戸惑いを覚えるのも事実。
肝心の病気の感染ルールや発症のタイミングは曖昧なままであり、設定のディテールには粗さが目立ちます。
主人公ローラをはじめとする登場人物たちの、徹底した物欲主義や不可解な行動の数々には、鑑賞中にツッコミを入れたくなる瞬間も少なくなかった。

それでも、こうした設定の不都合さを乗り越えた先にテーマが浮かび上がってくる。
今作品の本質は、精緻なSFスリラーとしての完成度じゃなく、もしも今の価値観が180度ひっくり返ったら、人間はどう狂っていくんか?という人間のドロドロとした本性を炙り出す寓話性にあるかな。
資本主義の崩壊と価値の逆転が起きた世界で、彼らが真っ先に始めた生き残るための貧困泥棒の醜悪さ。
高級ブランド服をドブに捨て、わざとボロを纏ってマクドナルドのレシートを買い漁る姿は、涙ぐましくも最高にマヌケで、滑稽の極み。
 
ここで突きつけられるのは、形骸化した所有欲への執着ちゅう、人間の悲しいサガに他ならないし、普段、乗っている車や住む場所、あるいはSNSのフォロワー数といった外付けのスペックで自分を定義しがちな傲慢さが、作中の金持ちたちの姿にそのまま投影されている。
彼らにとって、ゼニを失うことはアイデンティティの死を意味するため、命が危ないと分かっちゃいるが、隠し口座の暗証番号を消去できない。
この執着の構図は、どこか仏教的な『執着(しゅうじゃく)』の概念や、実存主義的な『自己の空虚さ』を容赦なく抉ってくる。
持っているものが自分自身になってしまっているから、それを手放した瞬間に自分が煙のように消えてしまう恐怖。
そんな現代人の精神的な脆さが、笑えないジョークとしてコーティングされ、冷徹に観察されている。
 
富のレッテルを剥がそうと必死に足掻く富裕層たちの滑稽な姿は、現実のパンデミックで見られた差別の構図とも重なり、我々の脆い社会構造を鋭く抉り出す。
共感しづらいキャラや難解な展開やからこそ、観客は一歩引いた視点で、自分が同じ状況に置かれたら何を信じるか?を冷静に自問することになる。
映画が幕を閉じたとき、残るんは絶望やなく、不思議な解放感。
これまでの成功やアイデンティティがゼロになった瞬間、初めて物質的な富ではなく人間としての本当の価値と向き合えるんじゃないかな。
所有を削ぎ落とされた先にある本当の価値とは、ただそこに命があるというプリミティブな事実と、他者と交わす剥き出しの言葉の中にしか残らない。
映画の放つブラックユーモアと強烈な皮肉は、混迷を極める現代を生きる我々に、形あるものに執着しすぎるな!!なんていう不器用で、しかし力強いメッセージを伝えているように感じます。
ただのエンターテインメントに留まらず、鑑賞後の日常の景色を少しだけ変えてくれる、確かな一石を投じてくれる一作でした。


あらすじ・キャスト。
ストリーミング・プラットフォーム企業で重役プロデューサーとして働くローラは、家庭を顧みずキャリアを優先し、華やかな映画業界での成功を目前にしていた。だがその矢先、世界では裕福な人々を次々と死に至らしめる奇病「リッチフルエンザ」が突如として蔓延する。富が成功の象徴から“淘汰の印”へと変わったことで資本主義の社会は崩壊し、世界は混乱へと陥っていく。そんな極限状態の中で、ローラはある決断を下す。

家庭を顧みないキャリア志向のローラを演じるのは、「ジェミニマン」「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」などの話題作に出演しているメアリー・エリザベス・ウィンステッド。そんなローラに呆れ気味でありつつも、彼女とともに未曾有のパンデミックに巻き込まれていく夫・トニー役に、「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」「ジュラシック・ワールド 炎の王国」などの大作でも活躍するレイフ・スポール。そのほか、大富豪セバスチャン・スネイルを、「ハリー・ポッター」シリーズや「ターナー、光に愛を求めて」などで知られるティモシー・スポールが演じる。
ぶみ
3.0
資本主義社会、終了のお知らせ。

ガルデル・ガステル=ウルティア監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド主演によるスペイン、チリ、アメリカ製作のスリラー。
富裕層のみが感染する奇病「リッチフルエンザ」が蔓延する世界を描く。
主人公となるストリーミング・プラットフォーム企業の重役プロデューサーであるローラをウィンステッド、夫のトニーをレイフ・スポールが演じているほか、ロレイン・ブラッコ、ジョナ・ハウアー=キング等が登場。
物語は、オープニングクレジットが表示されつつ、自然死がなくなる旨のナレーションが流れ、鏡に向かって化粧をし、笑顔を見せるローラの姿でスタート、そこで第一章として「今までの世界」のキャプションが入るのだが、先ほどの自然死の話を語っていたのは、ローラに対して企画らしきものをプレゼンする男性であり、特段説明らしきものはないが、ローラがそれなりに社会的な地位を得ていることがわかるオープニングとなっている。
次には、夫であるトニーと離婚協議を進めていることがわかる中、空港にいるトニーとビデオ通話をしていると、その後ろではパニックになっている人々が映り込んだため、何かが起きていることが伝わってくることに。
その後、ローマ法王が死ぬという衝撃的なニュースが流れ、若き資産家の訃報が伝わりと、不穏な空気に包まれ出し、どうやらリッチな人々が罹患する奇病「リッチフルエンザ」が蔓延し出していることがわかり、以降、そんな世界で、ひょんなことから一気に資産を手に入れたローラの姿を中心として、章立てで展開するものの、やはり、面白いのはその設定。
初期症状として歯が白く光出すのは、歯の白さを裕福さの象徴としているかのようで、何ともシュールであるし、今まで巨万の富を築いてきた人々が、何とかして資産を減らそうとする様子は、滑稽でしかない。
また、予告編の雰囲気や、そのタイトルから、奇病に怯え、パニックに陥る人々や、パンデミックに対して対処する政府等を、コメディを交えつつ描いていく作風かと思いきや、パニック感はそこまでではなく、コミカルな面は極力廃した真面目な作りであり、終盤に至っては、セリフすら少なくなり、サバイバルもののようになっていったのは予想外だったところ。
クルマ好きの視点からすると、ローラの愛車が、ミニのクロスオーバーでイメージにピッタリであったこと、裕福層が逃げようとヘリコプターのもとに集まった際に、ロールス・ロイスの隣に日産・GT-Rがあったことに対し、トニーのクルマが90年代後半に登場したスバル・アウトバック(日本名:レガシィランカスター)と古めのモデルであったのは、彼の質実剛健さが滲み出ていて見逃せないポイント。
格差社会を筆頭とした人間社会の縮図を、階層を使って示した怪作『プラットフォーム』の監督らしく、本作品でも、細かい説明がなく、言葉足らずな面やツッコミどころもあるものの、資本主義社会をシニカルに描き出した不条理スリラーとして楽しめたとともに、トニー役のレイフが、大富豪を貫禄たっぷりに演じていたティモシー・スポールの息子だったことに観終わってから気づいた一作。

名前が変わっても、時計は同じ。
この映画は、野心に満ちた女性の物語。
​動画配信企業重役の主人公ローラは、家庭を犠牲にキャリアの頂点を目指していた。
(ΦωΦ)フフフ…
しかし、大成功を目前にしたその矢先、世界を揺るがす未曾有の事態が発生。
ビリオネアやミリオネアなど、資産を持つ富裕層だけが感染し、歯が白く輝き出した後に死ぬ謎の奇病、
「リッチフルエンザ」が流行し始めた!
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

それまで成功の象徴だった「富」が、一瞬にして「死の宣告」へと変貌するカオスな世界。
より多くの富を築こうとしていたローラもまた、自身が感染対象になる危機に直面し、
生き残る為に富を捨てる必要があり、極限状態の中、
彼女は究極の決断を迫られ、、、というお話。

公開大渋滞週で、個人的に最も興味を惹いたのがこの作品。
設定が面白く、これはもはやトランプ「大富豪」​でいう所の、革命が起きた状況ではないか。
( ゚д゚)ハッ!
鼻息も荒く、いざ鑑賞してみたら、あっという間に寝落ちして脱落した(笑)
(ノ∀`)アチャー
監督の前作「プラットフォーム」の評判やデキを考慮すれば、
期待値を上げたのは無謀だったかもしれない。

「金持ちから順に死ぬパンデミック」という設定の引き、確かに抜群に魅力的ではあった。
​歯が白く輝くのが感染のサインという部分に、ビジュアルの不気味さやブラックユーモアのセンスは感じた。
生き延びるために資産を必死に投げ打ったり、財産を押し付け合ったりする、
「階級逆転」の皮肉な構図には、前半大いにワクワクさせられた。

しかし!
(ΦωΦ)フフフ…

設定が出オチで最高到達点の典型的な作品だった。
(ノ∀`)アチャー

中盤以降の展開がひたすら単調。「資産を減らす」という後ろ向きなサバイバルが続き、
ストーリーが前に進む感覚が薄く、集中力が途切れやすい。

メアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じるローラが、
終始自己中心的で感情移入しづらい、共感性のないキャラクターのまま進むため、
彼女の「究極の決断」に対して心が置いてけぼりになる。

ストーリーも​寓話的すぎて、リアリティが微妙。
シチュエーションスリラーとしての面白さよりも、社会風刺の「メッセージ性」が前面に出すぎている。
「富=悪」という説教くささが鼻につき、
エンタメとしてのハラハラ感が犠牲になっているのが、期待はずれに感じてしまう最大の原因だろう。

たとえていうならば、、、

駅前でビラ配りしてる日本共●党員のおじいちゃんおばあちゃんを横目に見た時の、あの残念な感じ?(笑)
シ━━━ッd(ºεº;)

ただ、ラストの皮肉だけは面白かった。人間の本質は変わらないなあ。

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