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私たちの話し方

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私たちの話し方の作品紹介

私たちの話し方のあらすじ

手話のみを使用しスクーバダイビングのインストラクターを目指すジーソン、ジーソンの幼馴染で親友、口語と手話の両方を使う広告クリエイターのアラン。そんな2人が、大学を卒業後、大企業に就職し人工内耳(※)のアンバサダーに就任したソフィーと出会う。新たな出会いが、3人それぞれの生き方を変えていくーー ※人工内耳とは、聴覚障がいがあり、補聴器では十分な効果が得られない人がつける医療器具。受信コイルを皮下に挿入するため、手術が必要。外部に送信コイルなどの器具を付けることで使用できる。

私たちの話し方の監督

アダム・ウォン

原題
看我今天怎麼說/The Way We Talk
公式サイト
https://mimosafilms.com/thewaywetalk/
製作年
2024年
製作国・地域
香港
上映時間
132分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ミモザフィルムズ

『私たちの話し方』に投稿された感想・評価

背骨
3.8
聴覚障がいを持ちながらも考え方が違う3人が交流を通して自分らしい生き方を模索する群像劇

社会の不寛容や、彼らを利用しようとする社会、障がい者と一括りにされてしまう事に対して抵抗する姿、わかりあうために他者の領域へと踏み込んでいこうとする勇気も描かれていて、何不自由ない生活が当たり前としてしまう考え方や、安易に「普通」という言葉を使ってしまう自分にはハッとさせられる事が多かった

彼らの聴き取りにくさを少しでも伝えようとする音響演出や、字幕にも工夫が凝らされており、作り手の真摯な姿勢を感じる作品
kuu
3.9
『私たちの話し方』
原題または英題 看我今天怎麼說 The Way We Talk
製作年 2024年。上映時間 132分。
映倫区分G 製作国 香港

聴覚に障がいのある3人の若者たちの変化と成長をみずみずしく描いた香港発の青春映画。

耳を澄ますことは、ただ音を拾うことではなく、その奥にある痛みに触れようとすることなのかもしれない。
映画『私たちの話し方』を観て、何よりも強く心を揺さぶられるのは、普段当たり前のように使っている言葉やコミュニケーションの本質を、これまでにない角度から描かれているからです。

印象的なんは、映画館の音響設計がもたらす圧倒的な臨場感。
人工内耳を通した歪んだデジタルノイズや、突然訪れる完全な無音状態。
これらをスクリーンを通じて体感した瞬間、自分がこれまでいかに聴こえる世界の常識だけで他者を測っていたかを痛感させられ衝撃を覚えた。

今作品は、手話を誇りとするジーソン、聴こえる人として必死に社会に溶け込もうとするソフィー、そしてその間で揺れるアランという3人の若者を通じ、アイデンティティの探求を深く描いている。
ソフィーが放った科学が発展すれば聾者はいなくなるという当初の言葉は残酷に響いたが、それこそが彼女自身が社会から受けていた、健常者に合わせなければならないという強烈なプレッシャーの裏返しだったのだと気づいた時、彼女の孤独が苦しいほどに伝わってきた。

それは、ひとりで静けさに耐えてきた彼女の、張り詰めた心の叫びだったのでしょうれど、寄り添う手が世界の色を変えていきます。
物語の中盤、ソフィーがジーソンとの交流を通じて手話の豊かな表現力に魅了されていく過程は、チョン・シュエットインの見事な演じ分けも相まって瑞々しく美しい。
指先が宙に描く軌跡は、どんな言葉よりも優しく、空間を震わせます。

しかし、社会の偏見や、香港の歴史的な口話教育の強制といった重い背景、さらには3人の間で生じる恋心や嫉妬のすれ違いによって、綺麗事だけでは進まない現実の厳しさもしっかりと描かれてました。
後半、ドラマがやや普遍的な青春のすれ違いに終始し、展開が少し冗長に感じられる部分や、メッセージ性が前に出すぎていると感じる瞬間もあったのは否めない。
だが、それらを補って余りあるほど、彼らの葛藤は誠実で温かい。
歪みや迷い、そのすべてが愛おしい彼らの足跡。
結末でソフィーが選んだ、人工内耳か手話かという二者択一ではないどちらの自分も認め、グラデーションのままで生きるという決断には、深く救われる思いがした。

自分の最適解を他人に押し付けず、それぞれの話し方を尊重し合うこと。
この映画は、障がいという枠組みを越えて、自分らしく生きることに迷うすべての人に、静かだが力強い一歩を踏み出す勇気をくれる作品だと確信しています。

世界に満ちる無数の話し方を慈しむよに、この物語はそっと抱きしめてくれました。


あらすじ・キャスト
20代のソフィーは3歳の時に聴覚を失い、人工内耳を装用することで「聞こえる人」として“普通”の生活を送ろうとしている。一方、ジーソンは生まれながらのろう者として、手話話者であることに誇りを持って生きている。アランは人工内耳装用者で、手話と口話のバイリンガルだ。手話禁止で口話教育を推進するろう学校で出会ったジーソンとアランは、お互いの環境の違いを認識しながらも、親友のまま大人になった。やがて、人工内耳を推奨するアンバサダーとしてアランとソフィーが出会うが、人工内耳の推進イベントでソフィーが語った「科学が発展すれば、この世からろう者はいなくなる」という言葉にジーソンが激怒してしまう。

「作詞家志望」「黄昏をぶっ殺せ」のジョン・シュッインがソフィーを演じ、パンサー・チャンによる主題歌「What If」の作詞も担当。「狂舞派」「狂舞派3」で高く評価されたアダム・ウォン監督がメガホンをとった。2024年・第61回金馬奨にて最優秀主演女優賞(ジョン・シュッイン)を受賞。2025年・第20回大阪アジアン映画祭ではスペシャル・メンションを贈られた。
私にとって、印象深かった視聴覚障害を扱った日本映画は、「みんな、おしゃべり!」(発見と笑い)や「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(発見と号泣)や「ケイコ目を澄ませて」(発見と感動)や「桜色の風が咲く」(発見と大号泣)かな。まあ古いところでは山田洋次の「息子」や北野武の「あの夏、いちばん静かな海。」なんてありましたね。
そして本作品は香港から届いた希に見る傑作でした。手術により人工内耳を埋め込み、母親の熱血指導で発声の特訓を乗り越えたソフィーと、同じく人工内耳を埋め込みしかも口語も手話もこなすオールラウンダーのアランと、手話を巧みに扱いそれで生きてきたジーソンの、女1男2のキラキラ青春映画でした。
同じろう者でも三者三様で、ソフィーの母親は、娘の将来を想い普通の人に一歩でも近づけようとします。お陰でソフィーはいい大学いい企業と邁進するのですが・・・。アランはそんなソフィーを見守り、親友のジーソンの人生にも寄り添います。そして、ソフィーとジーソンは最悪の出会いからのスタートで、お互いを刺激する仲になってゆくのです。けっしてお気楽な青春ではないけれど、「普通」とは?「人生」とは?「親子」とは?「親友」とは?あれこれ辛いけど、キラキラ青春三角関係ドラマとしていつまでも心に残るのです!
日本も同様に「手話が禁止されていた長ーい時期があった」なんて知りませんでした!これ私だけ?あ〜無知だ。

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