「おれはオルフェだった、コワルスキーだった」 脳の中で映画を撮影しながら、内戦の地に降り立つ男が見たものとは。 ”インナーチューブ”に暮らすインディペンデント映画作家のクラレンス・オルリック。 何もかもに失敗し、彼は失意と赤貧に陥り、虚勢にすがるような暮らしにあった。些細 なきっかけをもって、彼は”オールドボール”の文化再生機関に所属する秘密警察官・ミラーにより、不毛な内戦への関与を強いられる。 時を同じくして、悪友フジキの手による装置”ボイルドブレイン”が完成。自己の意識を映像化し、カネも人手もいらずに映画づくりが可能となる電送装置を使い、オルリックは再起を賭ける。けれども装置の副作用として、彼は時間の感覚を失い、思い出と空想がない交ぜの迷乱した神経状態へと陥る。 精神を蝕まれながら、戦地”アンペイドサラリーズ”へ送り込まれたオルリックは、爆撃と妄想が降り注ぐ旅路の中、映画への狂的な妄執に憑かれていく。
尾道の海辺にある唯一の映画館「瀬戶内キネマ」が閉館を迎えた。最終日は、「日本の戦争映画大特集」のオールナイト興行。そこで映画を観ていた若者3人は、突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリ…
>>続きを読む「変なものが見える」主人公の視界をコラージュで描く ある日、幻覚が見えるようになった。そんな彼が幻視に導かれるように密造酒や奇妙な人々に出会い、不条理な世界へ吸い込まれていく。独特の語りと…
>>続きを読むある植物園、ふたりの少女が互いに宿命を解析しようとする。(『アリアとマリア』)とある男女が、キャンピングカーで旅に出る。(『Blue Through』)監督からの手紙を基に、大森靖子が楽曲…
>>続きを読む深夜ラジオ番組に回顧録を投稿するタクシー運転手、守島輝。一年前に亡くなった妻の生き写しと出会うことをきっかけに、彼は再び愛を欲し、夢を乱した
とあるバーに現れた1人の男性客。そのバーのマスターは、客を殺害し、顔の皮を剥ぎ取り、マスクにして被る猟奇殺人鬼。いつものようにその男を殺害し、顔の皮を剥ぎ、被る。すると、マスターの頭に、悪…
>>続きを読む大正7年。初めての女優主演映画といわれる帰山教正監督「生の輝き」の以前に、実は月島桜が主演した「永遠の謎」という映画があった。しかし、この「永遠の謎」は、警視庁の映画検閲によって妨害され、…
>>続きを読む日本。秩序と混沌の国。美と醜の国。過度な経済成長で得た豊かさの代償として、国⺠は様々なコンプレックスを抱えている。 醜きを覆い隠し、美しきことのように振る舞う。奥ゆかしさとも言えるその性…
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