本日鑑賞済み
映画館《字幕1》・その他-


✍🏻感想述べます。

〈あらすじ〉
地球ではないどこかの惑星。その星には真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられている人類オム族が住んでいた。ある日、ドラーグ人の知事の娘ティバは、ドラーグ人の子どもたちにいじめられ母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾う。ティバは赤ん坊をテールと名付け、ペットとして飼うことにする。

〈感想〉
とにかく異質かつ不気味で美しい映画だった。紙人形のようにカクカクとした独特のアニメーションと、シュルレアリスムを思わせる奇妙で幻想的な生物や風景が強烈に焼きついている。人間がドラーグ族にペットや害獣として扱われるシーンは、そのまま人種差別や植民地主義を象徴する寓話のようで、観るのが少し苦しかった😅

物語自体は派手に盛り上がったり、感情を大きく揺さぶる展開があるわけではない。むしろ淡々と進み、冷たい静けさに包まれている。しかし、その静けさの中にある「異質なものとの共存の不可能性」や「価値観の違いによる断絶」といったテーマが、じわじわと心を侵食してくる。

観終わったあとには、「これは一体何を寓話しているのだろう？」と考え込まずにはいられない。弱者を虫けらのように扱うことの残酷さ、支配する側とされる側の圧倒的な力の差、そして最後に訪れる転換の意味……そうした問いかけが、自分の中の価値観を照らし返してくる。

単なるアニメーション映画というより、奇妙な夢を覗き込んだような体験だった。観ている最中は不安を誘うような不気味さが続くのに、終わったあとには妙に澄んだ余韻が残る。まるで「理解できないもの」と対峙したとき、人はどう在るべきかを静かに突きつけられているようだった。

原題『La Planete sauvage』

〔最後に一言〕
"少々お待ちを...

• #ファンタスティックプラネット

オマケの『かたつむり』が見たくて『ファンタスティック・プラネット』のDVDを借りたが、本編は4K修復版を映画館で見たいので、見ないで返してやったぜぇ。ワイルドだろぉ？　と言っても60円だけどね。

映画館で見た。
4K修復でクッキリした感じ。セル画ではなく切り絵らしい。
『猿の惑星』は1968年だから、影響してると思う。
あと『ガリバー旅行記』とか『SF巨大生物の島』とか。
さすがに日本の『家畜人ヤプー』は知らないかな。

75点
肌が真っ青な巨大なドラーグ族と、彼らに虐げられているオム族が共に暮らす惑星。、ドラーグ族の少女ティバが拾ったオム族の赤ん坊テールを中心に進んでいくストーリーは一見するとSF冒険物語のように見えるが、その実は、人種差別や植民地支配といったグローバルな問題に斬り込んだものなのか。壮大なスケール、独特なデザイン、そして切り絵アニメーションという夢のようなタッチで描かれた世界観は、不気味さがありながらも、そこにはフランス映画らしい独特の美しさが感じられる。劇伴や色の使い方も実に効果的。一部でグロい描写があったり、抽象的なストーリーのため、万人うけする内容ではないだろうが、現代人なら誰もが考えさせられるテーマを上手く盛り込んだ作品。まさに現代の人間社会の複雑な構図を皮肉たっぷりに描いた寓話🎬U-NEXTで再視聴(4K版ではない😓)