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難船ス物語 第一篇 猿ケ島
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『難船ス物語 第一篇 猿ケ島』に投稿された感想・評価

菩薩
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元祖猿の惑星感。船が難破し猿ヶ島に漂着した人間の子が猿に育てられ爆速で成長するが尻尾が無い為猿側からの偏見を浴び徐々に仲違いが始まり最後は島を飛び出しかつて自分が乗っていたのであろう船を見つけるところで完。
政岡憲三デビュー作の切り絵アニメ。猿の島で起こる異端差別や相互不理解、どこかで見たような暗部。コミカルな動画を突き抜けてくる白猿表現
2.5
【なるほど“難船ス”な猿惑だ】

日本アニメの父、後に『くもとちゅうりっぷ』を生んだ政岡憲三デビュウ作の切り紙アニメ。

いまの感覚からは当然ぎこちなく、テンポも悪い。動かすことが精一杯といった風で、24分が長い。

が、元々洋画家を目指していた監督のしなやかな美術力が発揮され、動く絵本風の画面にはずっと惹かれる。

お話は『猿の惑星』を先取りしたような設定だが、ナンセンスを表に立てて遊び、風刺は後回し。元ネタと言えるのは『類人猿ターザン』の方かと。

人の知能を持つ猿の島に漂着した赤ん坊が、猿に育てられるが結局、猿と対立してしまう。

ターザンにはなれなかった少年。そこにどんな意図を潜ませたのだろう?

因みに制作時、1931年の日本は、満州事変から戦争へと突入している。

また、無意識?の差別感が滲むところなど、面白いね。島の猿が“土人”に見えてくる、この描き方だと。

逆に、新鮮に映ったのは、少年と猿が延々と競争するのを、延々と横スクロールで見せるところ。ゲーム画面みたいな疾走感が生まれ、この快楽は最近の、特に日本のアニメにはないよなあ…と感心した。

終盤の、対立関係を活かした盛り上がりには引き込まれるが、このレベルを冒頭から担保してくれたら、物語としても、現代でも楽しめるものになったのではと。

<206.9.25記>

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