瀬戸内海の小島。その丘の上に善太と三平の家と牧場がある。二人は仲良しの兄弟で、牧場の手伝をしてよく働いた。ある日二人は、見知らぬ老人に馬に乗せてもらった。家に帰ってお母さんにそのことを話したが、何故か母の表情は暗かった。この人は実は二人の祖父の小野老人であった。十年前、小野老人は母の久子を自分の小野合資会社の老会重役と結婚させようとしたが、久子は嫌って青山一郎氏と結婚してしまった。それ以来小野家を勘当されたのである。二人は母から老人に会ってはいけないといわれ、次の日には馬にのらなかった。小野老人はなにか寂しげであった。そのかわりに三平は河原にあった牛にのったが、振り落されて気絶してしまった。このことがきっかけで、小野老人は久子をゆるして、善太や三平たちは家に遊びに来るようになった。しかしここに不幸なことが起った。老会は三平たちの父に自分の地位をとられるのをおそれ、青山氏が昔兄の俊一氏から会社の金を借りたのをたてに、借金の請求をしてきた。ところがこの金を返さなくてもよいという、俊一氏の手紙を青山氏は失くしてしまった。法律にうとい小野老人は、みごとに老会の策にひっかかり事情をしらずに烈火の如く怒ってしまった。青山氏は警察につれていかれた。父親のいない善太と三平は父に代って、朝早くから車をひいて牛乳を配ってあるくことになった。
名物按摩の徳市・福市のふたりが新緑を連れて山の温泉場にやって来た。ふたりは盲人でありながらも驚くべきカンの持ち主。先を行く子供の人数や、男か女か、果ては職業までも言い当ててしまうというのだ…
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>>続きを読む郊外に念願のマイホームを建てた会社員の吉井さん一家。今までガキ大将だった長男の良一と弟の啓二は、転校した学校の悪童亀吉やその仲間たちと喧嘩したり威張りあったりするうち、いつしか家来が出来て…
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坂本武を主人公にした人情劇、“喜八もの”の一編。失業した父が二人の子供を連れ、工場地帯を職を求めて歩き回る。次々に門前払いを食った父子は、安宿に転がり込み、同じ放浪の身にある母娘に出会う・…
>>続きを読む今までガキ大将だった長男の良一と弟の啓二は、転校した学校の悪童亀吉やその仲間たちと喧嘩したり威張りあったりするうちに、いつしか家来が出来て、また大将の座を勝ち取るのだが、ある時、誰の父親が…
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