【オリジナルタイトルが謎😁】

※ダリオ・アルジェント「動物3部作」の②。

「サスペリア」で一躍ホラー映画作家・監督の名声を得たダリオ・アルジェントの初期作品で、イタリア語オリジナル・タイトルに動物の名前が入ってあることから、アニマル・トリロジー（動物3部作）と呼ばれるようになった作品のリバイバル上映だ。
音楽はモリコーネ。
イタリアのスリラー映画「ジャッロ」というカテゴリーの先駆けとなったものだが、 3部作を通して、個人的にはホラー的というよりヒチコックを思い出した。

この「わたしは目撃者」が3作品の中では、盲目の元新聞記者のアルノやその姪ローリ（とっても可愛くて天使のよう😁）が登場し、謎解きをしたり、事件に巻き込まれ、追い詰めたり、追い詰められたり、そして、今では少し考えにくい、当時のエセ科学的・陰謀論的な話をベースにストーリーが構築させれているのに加えて、犯人は誰か、なぜ犯行に及んだのかというところにはなるほどと思わせる背景をちゃんと用意してあって、一番サスペンスタッチが濃いように思える。

また、現代に置き換えても、こうした陰謀論的なものに突き動かされて非合理的な行動に出たり、場合によっては追い詰められて殺人などに手を染めてしまうものはいるかもしれないなんて考えさせられるところは、当時というより現代社会に対する皮肉にも感じられて興味深い気もするが、盲目の元新聞記者のアルノは実は僕たちのメタファーで、大変な事態が進行しているのに何も知らないでいる危うさを示唆しているような感じもする。ある意味、ループだ。

この「わたしは目撃者」のオリジナルタイトルの訳は「9本の尾を持つ猫」。

この意味は何だろうかと考えたけれども、これといったものは思い付かなかった。

ー 突然変異の獣が襲う
　 悪業が先か？ 悪意が先か？ー

　　ビスコティーノーッ！

D.アルジェント監督第2作
原題[九尾の猫]だから[動物3部作]と呼ばれるが
もちろんそんな猫は登場しない。
盲目の元事件記者が、勘と経験を活かして事件捜査する物語を的確に表現した邦題の方が数段カッコ良い。

遺伝子学と犯罪係数の因果律
ますます理不尽な犯行動機
破綻と見るか？不条理と見るか？
そもそも殺人鬼の凶行は合理的か？
[異常]とは多数決によって捏造されるもの

豪華なキャスト、かわいい子役
衣装・建築､全てハイセンスなイタリアデザイン
殺しの描写もエキセントリック増量(当社比)
今回も多彩な音色､モリコーネ戦慄の旋律
アレンジの美学が映画に与える立体感！
……………………
「動物3部作」上映会第2夜
アルジェント研究会の矢澤利弘さんと、企画の仕掛人キングレコードの山内拓哉さんによるトークイベント付き上映に参加
知ると10倍面白くなるバックヤード裏話にホウホウと感心する梟🦉状態🙏
余は満足ぢゃ！

• #マエストロの伝説
• #ジャッロってなんじゃろ
• #Dの殺気
• #若気のイタリー

ダリオアルジェントの監督二作目。
盲目の元記者と現役バリバリ記者が連続殺人の謎を追うミステリー♫前作に負けず劣らず面白かったです(*^^*)

あらすじ…
盲目で元新聞記者の主人公は幼い姪と2人暮らし。近所の研究施設に強盗が侵入。特に何も盗まれた様子がないが、極秘の研究をしている施設なため、産業スパイではないかとの疑惑があがる。その直後、研究員の1人がホームから線路に飛び込み死亡。主人公はその事件を報じた記者ジョルダーニを訪ねる。そこで現場写真に研究員を押す手が写っていることに気づき…。

前作『歓びの毒牙』よりもジャーロ色薄めなミステリー。というかジャーロと呼んで良いのか微妙なとこですね。殺害シーンにそれほど残虐性はないですし、エロもほとんどないし、被害者も女性は少ない。

ただ内容はすごく面白い♫盲目の元新聞記者アルノと現役イケイケ新聞記者ジョルダーニのバディ。凸凹コンビかと思わせて相性ピッタリ。先輩であるアルノに対するジョルダーニの敬意が感じられるとこも良いし、お互いを信頼した上での行動や連携が見てて心地よい。

ただ、本作は完全に脚本が破綻しています。主人公たちの捜査にここまで何の意味もないミステリーは見たことがありません。そもそも盲目設定にさほど意味がないし、犯人特定のための決定的な手がかりとして登場するキーアイテムにも何の意味もない。手がかりを得て行く先々でも意味のあることは何も起こらないし、前作にあったような映像的違和感による真犯人の伏線もなく、観客が推理することは完全に不可能。

でも、それらすべてを意図的にやってるように思うんですよね。そうじゃなかったらこうはならない。本作はアルジェントの実験だったのではないかと思ってます。主人公たちによる謎解きや捜査が全部スカされ何の意味ももたらさないミステリーをやったらどうなるか。原題にもなっている『九尾の猫』にどんな意味が込められてるのかはわかりませんが、９つの手がかりに踊らされ続ける主人公たちを描くことで、観客も同様に迷宮の中に落とし込み、ひたすら翻弄し続ける意図だったのではないかと思うんです。言ってみればミステリーの枠組みをミステリーの文脈の中で逸脱する試み。そうだったとしたら大成功な気がします。少なくとも私は最後まで惹きつけられました。

そもそもジャーロ自体がミステリーの枠組みをミステリーの文脈の中で逸脱させたものと取ることもできるのではないかと思います。そう考えると『歓びの毒牙』と本作はアプローチ方法は違いますが、同様のことをやってるように思える。

確かに、わかりやすいアルジェントらしさは薄いですが、こういったところにアルジェントらしい拘りが色濃く出てるのかなと。雰囲気重視でポンコツ脚本というのはある意味では的を得てるとは思いますが、アルジェントの場合そこに作家としての明確な意図が見えてくる。それを雰囲気重視の一言で片付けてしまうのは少し違うように思います。こんな作品を監督二作目にぶち込んでくるあたり、さすがとしか言いようがないです。アルジェント最高♫

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