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• #\1947

当時のベストセラー小説が原作の、17世紀イギリスを舞台にした大作大河メロドラマ。
田舎の農家に育てられたアンバーが愛する男ブルースを求めながら、成り上がりを実現し、やがて敗北するさまを描く。
138分の長尺な上映時間なので、見るのが大変と思っていると、とにかく展開が早い。愛する男は一人だけだが次々男が変わると共に状況の変わるアンバー。とても面白いけど、もうちょっとゆっくり見せてほしい、いっそ180分くらいで！実は貴族のアンバーの出自や、脱獄の様子、女優になるオーディション、夫となる伯爵の前妻の死の謎なども描いて欲しいのに、そこら辺はちゃっちゃと飛ばされてしまう。
豪華絢爛な衣装、レオン・シャムロイの華麗なテクニカラー、それ相応の俳優を次々繰り出しては出番が終わる贅沢さ。
1665年ロンドンの大疫病、1666年ロンドンの大火といった歴史的事象を背景にしつつ、自己顕示欲を剥き出しにする女が、全てを手に入れながら愛する男だけは手に入らないというメロドラマ。アンバーは目先の利益を優先し過ぎるし、思慮がないし、邪悪だし自業自得な面も多々あり。しかし女優になるわ、料理はできるわ、ペストの看病までできて超有能。しかも生命力高い！一方ブルースは人の心に疎いというか冷たいというか。命の恩人にする仕打ちじゃないよなあ。愛する男を間違うとこういう事になる。
ブルース役のコーネル・ワイルドは出演作の中でたぶん一番いい男に撮れている。うなされる様子がセクシー。得意のチャンバラも披露。
ブルースの友人リチャード・グリーンは三枚目役がなかなか良い。クレジットも3番目。その他育ての父レオ・G・キャロル、チャールズ2世のジョージ・サンダース、アンバーの獄中仲間ジェシカ・タンディ、陰険伯爵リチャード・ヘイドン、追い剥ぎの元締めアン・リヴィエール、2番手美男のグレン・ランガンなど。
アンバーはテクニカラーにもっとも映える美女リンダ・ダーネル！宝石よりも輝く瞳、真紅に発光する唇。なんという美しさ。赤毛に染めたダーネルの美貌に浮かぶ悪徳と悲劇性。ロンドンの大火に照らされたダーネルの顔。本作のみならず「アンナとシャム王」「戦慄の調べ」などで炎にまかれたリンダ・ダーネルは、現実でも火事で亡くなってしまった。哀しい。

こういう映画って男性目線なのか女性目線なのかで感じ方も評価も分かれる映画だろうなと思う。

女性から見るとこの女性のしたたかさと男性を踏み台にして上り詰めてゆく様はあまりキモチよいものてはない。（一途な感じは出てるけど、とは言え何人も人を殺し、財産はちゃっかり頂いてるので。傲慢さもちらほら。）

（ちょっと違うけど観てる間、日本のデヴィ夫人思い出してしまった。あと松居一代要素な盲信さもちょっと入ってるタイプかも？）

勿論彼女にも純粋な母の気持ちがあって最後息子を思い、手放す辺りで初めてあぁ、愛があるんだなと思ったけど
基本は愛、ふれあい≪のし上がりたいタイプにみえる。
あとね、ちょっと亡くなった我が従姉妹を思い出してしまった。（何処そこの誰さんと付き合ってる、すきといわれた、おくってもらった…というのがいつもの自慢で彼女のステータスだった…。ヒス起こすとお母さんに物投げたりしてた。。結婚することもなく亡くなってしまったけど…）
のし上がるのが悪いこととは思わないけど（その人にはその人の理由がある訳で…）傍から見るとあまり気持ちいいものでないし、何故か本人幸せからは遠のくよね。。

子どもへの愛も、
こういうタイプの女性は違う男性の子どもだったら多分可愛がらなかったり、自分の機嫌で虐待とかしてしまいそうで怖いかも。
いい奥さんタイプでなく
小悪魔タイプってことなのかな？
（王様。その辺ちゃんと見抜いていたよね。ブルースも。）