テスの作品情報・感想・評価・動画配信

『テス』に投稿された感想・評価

小さく貧しい農村には余りに美しすぎた娘、テス(ナスターシャ・キンスキー)がたどる受難の人生。

父に命じられ、遠縁にあたる農場主のもとへ奉公に出されるテス。そこの放蕩息子アレックに見初められ、犯されたことで子を身籠もるも、子は間もなく病死。しかし、洗礼前であったことから教会の墓地への埋葬を拒否される。
その後テスは別の奉公先で初めて恋を知り、牧師の息子エンジェルと結ばれる希望を抱くが…。

「to sharon(シャロンへ)」。

この文句が、映画の冒頭に掲げられている。辛い不幸の数珠つなぎのようなテスの人生は、言うまでもなくシャロン・テート、ポランスキー監督の妻であり、マンソン・ファミリーに腹の子ともども惨殺された女性への想いと重ねられているのだろう。
とすれば、懊悩の末にテスをようやく迎えに現れるものの、「Too late.(遅すぎたわ)」と告げられるエンジェルはポランスキー氏自身だろうか。シャロンが自宅で殺された夜、ポランスキー氏は留守だった。その後悔と怒りの念がずっと彼を、そしてこの作品を突き動かしているようだ。

そしてもうひとつ、彼が自らと同じくらい許せていない対象がある。それは神の存在だ。
神はシャロンも、そして今作のテスも、救いはしなかった。むしろ、テスの人生を悪循環させた要因として、信仰の欺瞞を糾弾している。

今作の舞台は19世紀末の英国であり、キリスト教に根ざした道徳観が強く支配する。テスの頑なにも見える態度やエンジェルの心変わり等々、現代そして日本という国のわたしたちから見れば俄かには理解が難しいところも多い。求められる社会規範の男女間アンバランスも、今日の比ではない。

そして「名誉」という要素にもまた、信仰と結び付けて鋭く批判の目を向けている。
テスの運命が狂い出すきっかけは、父親が自らの家は今は鳴りを潜めた名家の末裔である、と「村の牧師から」きかされたことだ。たちまち、父親は俺ぁ貴族の家系なんだと威張り出す。暮らし向きが何一つ変わるわけではないのに。
そして、その筋の遠縁であると頼った農場主ダーバヴィル家もまた、金でその名前を買った、いわば成金だったことが判明するのだけれど、アレックは二言目には「男の名誉にかけて君を守ろう」などと嘯くのだ。

これら男たちが拠り所とするかりそめの名誉とは、神への信仰と本質的に変わりがない、と言っているように、わたしにはきこえる。実体がなく、真の窮地に役に立たない。
そもそもは家の制度も教会の役割も、財産管理を効率的に行うために仕組まれた構造でしかない。それらが名誉や道徳というきこえのよい皮を被って、壁高くテスの幸福や再起のチャンスを阻む。本来、テスの高潔な美しさは、それらのシステムが求める貞操観念に誰よりも近かったはずなのに…ここには大きな皮肉があるといえるだろう。

3時間弱という長尺、かつそこまで派手な起伏が起こるわけではないのだけれど、退屈は感じない。わたしたちは何もできないまま、テスの人生を冷たく湿った土を踏むようにじっくりと共に歩む。
ナスターシャ・キンスキーの類いまれな求心力も大きいほか、当時の農村生活を季節の移ろいを連れて時に幻想的とも言えるタッチで切り取った映像も魅力的だ。ミレーやクールベの風俗画を見ているかのよう。

画面の奥へと長く伸びる道を映した構図が多用されていて、カメラはその上に置かれた人物から遠ざかるように動く。このぽつり取り残されるような感覚は、足を踏み外して時代の溝に落ちてしまったようなテスの孤独を思わせる。

テスは様々な場所、季節を彷徨うが、映画の最後に行き着く場所はストーンヘンジだ(撮影はレプリカらしい)。彼女の周りを取り巻く信仰や名誉の檻が及ばない、遠い彼方で作られたこの場所で、ようやく彼女は解放されたのだろうか。
シャロンの魂のありかを探すポランスキーが用意したのがこの場所、そしてこの映画だったのかもしれない。
gigigi

gigigiの感想・評価

-
ナスターシャ・キンスキー、ずば抜けてオーラを放っている。他の田舎もんたちは本物の田舎もんの顔してる
あれだけの美しい娘をイマイチにさせるあのわけのわからない前髪パーマ…

しかもこの頃から監督のロマンポランスキーに抱かれていたと思うととても複雑
なんだかテスと同じような道歩んでるような…

ストーリーはただただ悲しすぎる
仕事のためになんとなく観出して、ただただ悲しい話に気が重くなる。
でもロマンポランスキー先生さすがです〜悲しい話なのに、観てよかったと思える作品だった
ロマン・ポランスキーの映画でシャロンに捧ぐと書いてありますが、自身は当時未成年のナスターシャ・キンスキーと関係を持っているという話だそうです。

ナスターシャの仕草や表情が可愛くて、それを見せるためのような3時間でした。

ストーリーは結構残酷で、不憫な展開の連続でした。

時代モノ第3弾
qwerty6

qwerty6の感想・評価

4.0
11
Roman Polanski(b.1933)
based on the novel
《Tess of the d'Urbervilles》(1891)
by Thomas Hardy(1840-1928)
music by Philippe Sarde
Dorset, the end of 19C
なお

なおの感想・評価

3.5
ナスターシャ・キンスキーがとにかく美しい。
村でも飛びぬけて美女。
テスの奉公先のアレックスが思ったほど悪い男じゃなかった。
テスのほうが気が強いのが目立つ。
アレックスはDVでもないし。
エンジェルの態度豹変のほうが不快だった。
テスが二股だったわけでもないのに、そんなに絶望する?心の小さい男。
テスがもっとおとなしく、耐える女性のほうが感情移入できたと思う。
ラストの展開も自業自得では?

(字幕)
面白い
約3時間の大作だが、省略演出と綺麗な構図、それぞれオチのついた3幕構成で十分に飽きさせない
ラストの絞首刑の件は直接描写せずテロップで流す、と言う徹底的なドライさで良かった

ポランスキーはどんな題材でも作家性を出しつつ、過不足なく面白い作品を撮れる安定感があるな
見てて心地良い映像と音楽だった
内容は基本暗いけど人生の浮き沈みが対比として綺麗に描かれてた
ナスターシャ・キンスキーの美しさを堪能する作品。オープニングからエンディングまで、どんな服装をしていても輝いて見える。男たちを虜にしてしまうのは仕方ない。時代に翻弄され、またその美しさゆえに、不幸を呼んでしまう、悲劇の女性。エンジェルが許していればなぁ…と思ってしまうのは私だけでしょうか…?1891年という時代は愛だけじゃ、無理だったんでしょうね。しかし、クズ男たちしか出てこない。原作はトーマス・ハーディの小説「ダーバヴィル家のテス」。ロマン・ポランスキー監督の一番真面目な作品でしょうね。
MAITY

MAITYの感想・評価

3.5
雰囲気可愛い映画かなと思ったら長いしどんよりめ。不幸というか不運というか、、
クラシカルなドレスは素敵だしどれも似合うしテスはどの瞬間もめちゃくちゃ可愛い!!でもその美貌だけで寄ってくる男はだめだな。テス自身も流されるままに感じたしあんまり意志とか表情がないなーって思った

ナスターシャキンスキーの美少女っぷりだけでも観る価値あった
小雨

小雨の感想・評価

3.0
ポランスキーは肌にあわない。
けど、これが合わないのは原作とその時代によるところが大きいかもしれない。
ナスターシャ・キンスキーはそれはそれは美しく、中でも終盤、最愛の夫と再会する場面、着飾って階段から降りてくる姿はまさに目の覚めるような美しさなのだけれども、作品としてはそれ以上でも以下でもない。
美しく生まれついた女の子がその美しさのためにひどい目に遭いながら生きて死ぬ、気分はよくないお話。好きではない。
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