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『HANA-BI』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.3
 背中に羽が生え、頭に金色の輪っかがある天使の絵、青いつなぎを着た2人組(ショー小菅、ガンビーノ小林)は西佳敬(ビートたけし)と目が合うなり、勢い良く蹴散らされる。その男の姿は寡黙だが、ある種の粗暴さと狂気を孕んでいる。「西さんとは同級生ですか?」堀部泰助(大杉漣)は田中(芦川誠)と中村(寺島進)の質問に勢い良く答える。西と堀部とは刑事時代の同僚であり、中学高校の同級生だった。2人はまるで『キッズ・リターン』のマサル(金子賢)とシンジ(安藤政信)のような関係性を帯びる。中村は遠い目をしながら、2人の関係性を永井刑事(逸見太郎)に聞かせる。常日頃、粗暴だった堀部に対し、西は黙ってことの次第を見つめるだけの寡黙な男だったが、実は西の方が怒ると手がつけられないんだと冗談交じりに話す。神奈川県川崎市、張り込みの目的地が西の奥さんの入院先に近いと感じた堀部は、非番の折に妻の入院先に駆けつけられるよう取り計らう。中村は今夜デートだと言って突然の提案を断ったことで、堀部はたった1人で張り込みをすることになる。西の最愛の妻・美幸(岸本加世子)は、末期癌で余命いくばくもない。彼女を見舞う西は、長い刑事人生の中で妻にしてやれたことを反芻する。妻との2人きりの時間、それを遮るかのように中村は血相を変えて病院へやって来る。それは堀部が凶悪犯(薬師寺保栄)の凶弾に倒れたという知らせだった。

 生涯の伴侶となった妻の死の予兆、それと引き換えに西は長年、国の安全のために全力を尽くして来た相棒の堀部の瀕死の重傷という二重の罪を背負うことになる。更に事件解決の瞬間、キオスクで身勝手な奇襲作戦に打って出た西は田中の命さえ奪われてしまう。映画は車椅子生活を余儀なくされた堀部と、末期癌の最愛の妻を見舞いながらそれが元で仲間の人生をも歪めてしまう西の深い深い病巣。自殺願望に包まれる西に対し、一方の堀部は必死に自分自身の生を謳歌しようとする。今作の西と堀部のアンヴィヴァレントな相克関係には、たけしのバイク事故の影響が色濃い。一方で死を全うしようとした男は、もう一方で生への葛藤に追い詰められる。靴下を履いた堀部の足に水が浸る描写は何よりも雄弁に物語る。いつの間にか妻子と距離が生まれていた堀部は車椅子生活を余儀なくされたのと時を同じくして、妻子に見捨てられる。一方で妻の末期癌の発覚直前に、最愛の娘の不慮の死を受け入れた夫婦の絶望は、元刑事を贖罪の旅へと駆り立てる。新婚旅行以来の夫婦水入らずでの旅、西と美幸は『3-4x10月』の雅樹とサヤカ、『あの夏、いちばん静かな海。』の茂と貴子のように、互いに寡黙で多くを語らない。美幸の生の終わりに帳尻を合わせた西の焦燥感は、追っ手のヤクザの幹部で貸金業の男(西沢仁)にも怯むことがない。雪の中に出来た落とし穴、自決と書かれた絵、娘と挙げた凧、美幸の「ありがとう、ごめんね」のたった二言の余韻に涙腺が緩む。今作は見事、ヴェネツィア国際映画祭にて金獅子賞に輝き、世界のキタノの評価を内外に決定付けた。
tatsuya

tatsuyaの感想・評価

3.7
皆さんご存知『世界のキタノ』と言われるようになったこの作品。

そしてこの作品あたりから北野監督の暴力性の描き方が変わり、暴力のための暴力という色彩を強めてゆくことなります。
初監督を果たした一作目の【その男、凶暴につき】と見比べて『暴力性』の違いを楽しむのもいいです。

冒頭暴力性の部分にフォーカスを当てて話しをしましたが、
この作品はそこだけではなく映像の美しさ、映画の中で流れる音楽センス、芸術性の部分でも高く評価されています。
北野監督が目指してた、やりたかったことが素直に形に出せた作品だと感じます。後々の作品を見てもやはりこれが最も監督「っぽい」作品ではないでしょうか。
ろっち

ろっちの感想・評価

4.3
どこで狂ったのか?な話。
刑事の西は、妻の余命が幾ばくも無い事を知る。落ち込む西に代わりに張り込みをした同僚は犯人に撃たれ、追い詰めた西の前で、部下を二人撃たれ、ついに西は逆上してしまい、犯人を銃弾が尽きる迄撃ち尽くす…。西は懲戒免職となった---。西のこの先は?……ってあらすじ。
北野ワールド全開!最初から「それ」に向かって行く展開。ラストはやっぱり「そう」なる。破滅的なストーリーと展開が、実に武さんらしい。ハマる時とハマらん時の差が激しいのも魅力的。
とにかく観せ方が抜群!
まぁ多くは語るまい(笑)

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