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山びこ学校
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『山びこ学校』に投稿された感想・評価

mh

mhの感想・評価

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ベストセラー「山びこ学校―山形県山元村中学校生徒の生活記録」が原作。
日教組が製作しているので、幾度となく学校団体鑑賞で上映されたのだろう。マスターフィルムの状態がやたら悪い。全体的にボケているのでオイルがまわっているのかもしれない。
ボケた映像、聞き取りにくい声には、思わぬ副産物もあって自然と前のめりになるため妙な没入感がある。作文指導が作中で行われる。その作文が有名になって、この映画ができあがるというメタ的なループに取り込まれるので酩酊感も味わえた。
生徒とのやり取りが、生活指導の模範解答集みたいにもなっていて、体育館で映画を見ている生徒たちはもちろん、先生たちも勉強になったんじゃないかな。
おひかりさまのくだりもよかった。村で問題視されてて「誰も頼まないのに勝手にきた」とのことだった。戦後のたけのこ――新興宗教ブームならではのプロットだった。
ググってでてくる無着先生の略歴も面白い。映画化されて村から追い出される。「子ども電話相談室」のレギュラー解答者で、まだご存命なのか。
状態のいいマスターが見つかって、リマスター版が登場したらまた見てみたい。
面白かった!
Omizu

Omizuの感想・評価

3.7
【キネ旬日本ベストテン1952 第8位】
とにかく状態が悪く、3割くらいセリフが聞き取れなかった。映像も乱れがひどい。同じ年の黒澤明『生きる』や成瀬巳喜男『稲妻』、木下恵介『カルメン純情す』などはちゃんと残ってるのにこれはちょっとひどい。修復してほしい。

山形県山元村の教師、無着成恭が生徒たちの文集、生活記録をまとめた『山びこ学校』が原作。『山びこ学校』は2年間で18刷を重ね、12万部を売り上げるベストセラーとなった。

教師の無着を演じたのは『七人の侍』『生きる』など黒澤作品の常連でもある木村功、同僚の教師に『青い山脈』『山の音』などの杉葉子。

ヒューマニズム溢れる正統派な人間ドラマで、田舎の貧困の現状や教育を厳しくみつめた作品でもある。戦争で親を亡くした児童、学校を辞めさせられ奉公に行かされる児童、児童売春の話も出てくるなどその視線はかなり厳しい。

あと「おひかりさま」って何かと思ったら新興宗教の世界救世教のことらしい。北海道では霊波之光が盛んだったのを思い出した。北の方は新興宗教入ってきやすいんだよね。

終盤文集を子どもたちと印刷するところは『ペンタゴン・ペーパーズ』を思い出した。印刷物が、言葉が世に出る快感というか。

ただ無着が葛藤する場面というのがなく、神のように描かれてるのがリアリティを薄くしている。児童の問題も親に説教すれば大抵解決しちゃうのでどうなんだろうとも思ったり。

いい映画だとは思うので修復お願いします。
odyss

odyssの感想・評価

4.0
【日頃の暮らしから教育を行う】

DVDにて鑑賞。
映像は特に最初のあたりで揺れがひどく、音声も全般的に不明瞭。デジタル技術での修復が望まれますし、それが無理なら字幕を付けてほしいところです。

昭和20年代半ば過ぎの山形県山間部の新制中学を舞台に、貧しい生徒たちとその教師の学校での毎日、そして日頃の暮らしなどを描いています。

新制中学。戦後間もない頃の学制改革で、それまでは五年制で義務ではなかった中学が、三年制で義務教育となりました。ただし従来の中学がそのまま新制中学となったのではなく、従来の中学(つまり旧制中学)は高校に格上げされ、三年制となったのです。

ですから新制中学は戦後の改革で新しく生まれた学校だった。(ただし従来も6年制の小学校を終えた後、中等学校には進まないけれど、すぐに社会に出るのは早すぎるということで2年制の高等小学校に行く生徒は少なくありませんでしたから、新制中学は旧制高等小学校が昇格したという見方もできます。)それだけ教師も試行錯誤する場面が多かったと考えられます。

冒頭の教室での授業。木村功の先生が出席をとるところから始まりますが、欠席者が少なくない。病気で休むのではなく、家の仕事を手伝わなくてはならないので学校に来れないのです。このように、義務教育でも学校に来れない生徒がそれなりにいて、また教師もその事情を分かっている。これは明治時代に近代的な学校制度が生み出されて以来、変わらずに続いていた問題でした。

舞台となっている地域は山間部で農地が狭く、林業や畜産などの兼業をしながら生活している人々。しかし収入は少なく、生活は楽ではありません。

お金の問題は、ですからこの映画の最初から最後まで前面に出てきています。貧しくて修学旅行に行けない生徒のために同級生たちが働いてお金を作る。貧乏のために首都圏に売られてしまう生徒もいる。

先生だって例外ではありません。月給が4千円弱、そのうち自分の本代や生徒のための雑誌代など色々引いて、実家には7百何十円しか入れていない。つまり5分の1ですね。実家はお寺ですが、檀家からのお金だけではやっていけないので農業もやっている。

木村功の先生はこういう事情を生徒の前で包み隠さず報告し、しかしそれをもとに自分の家庭のお金の問題を自分自身で考えるように仕向けます。

実際、学校の各種納入金だって生徒やその親にとっては負担だったのです。そういう事情を綴った作文も作中で紹介される。自分の貧乏を作文にすることで、社会の仕組みや世の中について考えさせようということです。

このように、この映画では学校の教育は自分や家庭の生活や経済事情と密接に結びつけられていますし、また木村功の先生もそれこそが教育の真のあり方だという信念を持っているのです。

時代は変わり、今の日本ではこのような田舎での農業人口はごく少数になっています。けれども、都市化が進んだ現代日本にあっても貧困の問題はなくなっていません。この映画のような教育を今の時代にそのまま実行に移すことは無理だとしても、教育を自分の生活事情と切り離さずに行うこと、生活を通して教育を行うこと、この大原則を現代人がこの映画から学ぶことはできるでありましょう。

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