【法廷映画のススメ】
グリシャム原作①『評決のとき』(1996)
〈フィクション (現代 / ミシシッピ州) 〉

◆法廷の争点
10歳の娘を強姦した白人加害者２人を殺害した、黒人中年男性の被告人を無罪放免に出来るか？
・公平な裁判を行うため、黒人差別の激しい地区から、黒人の陪審員選定を期待出来る、黒人居住比率の高い裁判地に対する変更申請は承認されるか？
・被告人は加害者殺害時に果たして心神喪失の状態にあったか？

〈見処〉
①圧倒的不利な黒人被告人に対する
　若手白人弁護士の戦い
・『評決のとき』(原題: A Time to Kill）は、1996年のアメリカ合衆国のドラマ映画。
・本作の舞台は、アメリカ南部ミシシッピ州にある架空の街クラントン。人種差別主義の白人青年２人が10歳の黒人少女を強姦したことから、その父親カール・リー(サミュエル・L・ジャクソン)は、翌日裁判所に連行された犯人2人を射殺。
・第一級殺人罪で逮捕されたカール・リーを弁護することになったジェイク(マシュー・マコノヒー)は、大物検事バックリー(ケビン・スペイシー)を相手に勝ち目のない裁判に挑むことになる。
・裁判が進むにつれて、非常事態を警戒した州政府は州兵を派遣するなど、黒人住民とKKKの対立が激化。ジェイクはKKKによる迫害を受けながら、恩師のルシアン(ドナルド・サザーランド)や法学科の大学生エレン(サンドラ・ブロック)の力を借り、街を黒人と白人で二分させた裁判も遂に最終弁論を迎える…。
・本作は、人種差別問題が絡んだ複雑な事件の裁判を通じて、正義と真実を勝ち取る人々の姿を描いたサスペンスタッチの感動作。
・監督は、原作者ジョン・グリシャムの指名にて、『依頼人』のジョエル・シュマッカーが再登板。出演者は、主演に大抜擢された新星マシュー・マコノヒーに加え、サミュエル・Ｌ・ジャクソン、サンドラ・ブロック、ケヴィン・スペイシー、アシュレイ・ジャッドら多彩な顔ぶれも見もの。

②ジョン・グリシャム
・本作は、法曹ジャンル小説の第一人者、ベストセラー作家ジョン・グリシャムの処女作を原作としている。
・グリシャムは、1955年に人種差別の色濃いアーカンソー州の建設労働者の息子として生まれる。ミシシッピ大学を卒業後の1983年に小さな弁護士事務所を開業、この時期の約10年間で貧しい人たちの公費弁護人を努めた経験が後の作家活動に生きてくる。
・1983～1990年には、ミシシッピ州議会議員も務め、この時期に法曹小説を書き始めるが、そのきっかけは、1984年に彼が傍聴した12歳の少女のレイプ事件の裁判。陪審員が涙するほどの悲惨な事件に対して、犯人を銃殺したい衝動に駆られたグリシャムは、３年間をかけ、本作『評決のとき』が完成。
・第２作『法律事務所(The Firm)』が150万部の大ヒットにより、一躍スター作家となったグリシャムは、自身の弁護士経験を活かしたリーガル・サスペンスを数多く執筆。1994年から2000年まで全米1位のベストセラー作家を続けるという偉業も達成し、90年代にはグリシャム原作の有名作品が複数製作された。

③マシュー・マコノヒー
・『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)でアカデミー主演男優賞に輝き、翌2014年にクリストファー・ノーラン監督の『インター・ステラー』に主演するなど、今をときめくトップ俳優マシュー・マコノヒーが大出世を遂げたのが本作。
・また、本作の翌1997年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督『アミスタット』、2011年『リンカーン弁護士』と過去に３作で弁護士役を務めたマコノヒーであるが、2021年３月の報道によると、
マシュー・マコノヒーが、本作『評決のとき』で演じたジェイク・ブリガンス弁護士役をジョン・グリシャム原作のHBOの新作ドラマ「A Time for Mercy」で再演するとのこと。自らのルーツとなるジェイク役を再び演じるマコノヒーが今から楽しみだ。

④結び…本作の見処は？
◎:「この女の子の姿、頭に描いてもらいたいんです。想像してください。これが白人の女の子だと…」。子を持つ親ならば誰もが涙するラストシーン、マコノヒーが白人陪審員一同に向けるこの最終弁論は、映画史に残る名場面。
○: 「どんな役でもサミュエル・Ｌ・ジャクソン」「男勝りのサンドラ・ブロック」から逸脱するスター俳優２人の本作の演技は大変印象的。とくにサンドラ・ブロックは本作が一番美しく見える。
▲: ドナルド&キーファー・サザーランドの親子共演は、敵味方に別れて配置。
本作による子キーファーの配役は、目も当てられない。彼が「下衆の専属俳優」から脱皮する「Twenty-four」まであと４年。
×: KKKによる黒人差別行動や、弁護士チームに対する迫害はフィクションであっても、やりすぎ。映画をドラマティックにさせようとする意図が見え透け、作品質を大きく下げている。(原作が稚拙？)

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これはなかなかのセンセーションな作品。暴行被害を受けた娘の父がゴロツキ2人を射殺したのを機に人種問題が法廷を飛び越え、もはや何でもありの無差別場外乱闘にまで発展する狂気が凄まじい。骨太な社会派サスペンスだった。ゴロツキの片割れのタンクトップの丈短すぎ笑。

マシューマコノヒーが正義のために新米弁護士として戦う！！

アメリカ・ミシシッピ州。黒人の少女が白人青年2人に暴行されるという事件が起きる。暴行された少女の父カール・リーは、憎しみと怒りが込み上げ銃を持ち、裁判所で白人青年2人を射殺してしまう。
カール・リーの弁護士を頼まれた新人のジェイクは、圧倒的不利なな方、カールリーの無実を証明することができるのか。

マシューマコノヒーの最後まで諦めず戦う姿に感動。
陪審員に対して語りかけるシーンが心に残る。

差別がなくなれば良い世の中になる。

勇気と感動を貰える映画でした。