はなれ瞽女おりんの作品情報・感想・評価

「はなれ瞽女おりん」に投稿された感想・評価

【 シネマメモ帖 「はなれ瞽女おりん」】

先日読んだ本「美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道」(春日太一著)から興味を持った本作。1977年公開。篠田正浩監督作品。

盲目の女旅芸人である瞽女(ごぜ)のおりん(岩下志麻)と脱走兵(原田芳雄)とのあてのない旅を、北陸の厳しくも美しい四季の景色を背景に描く本作。

おりん演じる岩下の、盲目&方言セリフ&三味線弾きのトリプル難役を自然体に演じるところが見所。さすが名女優、役作りが半端ない。
瞽女としての厳しい生活を覚悟しながらも、ときに寂しさから男に体を許してしまう辛さを見事に演じています。

一方、脱走兵演じる原田はまさにギラギラ全開期の芳雄そのまんま。
色黒ワイルドで腕っぷし強そう。何故かおりんには手を出さない優しさも持つ「ワケあり」の男を熱演。
ふんどし姿とほっかむり姿があんなにカッコよく映る男はそうそういないね。

そして、二人の旅路の背景を彩る北陸の四季折々の景色が美しい。
春の花々、夏山の緑、冬の凍てつく海。
この部分だけ見ると、まるで「遠くに行きたい」等のドキュメンタリーのよう。
撮影監督は名カメラマン 宮川一夫、いい仕事してます。

一方、作品の時代背景である昭和初期独特の日本の古い因習や軍隊等による戦争の影、公然とまかり通っていた男尊女卑文化が、本作全体に暗い影を落としています。

そんな当時の日本の清濁併せ呑む空気感も堪能できる和風ロードムービーとしても十分堪能できる作品であります。
tori

toriの感想・評価

3.9
瞽女が読める、「はなれ瞽女」とは何か想像できる人どのくらいいるだろうか??

時代はちょうど100年前の大正 
オバマが大統領になった瞬間名を挙げた
福井県小浜市辺りが舞台
裸足の瞽女さんにとって冬は辛そう

米騒動、シベリヤ出兵が世相に反映されているとのセリフがある
人生100年時代の今
その頃生まれた人がどこにでもいるのだから決して遠い昔ではないが
祭り、芸能、瞽女さん、生と性のおおらかさ、風俗等Dog Yearどころでない今から見ると石器時代のよう
自国のちょっと前を何にも知らない自分に気づく

樹木希林
若い!視力障害者(めxら)を演じているがどうもめxらのふりをしているようだ
芸達者

樹木希林の娘が1975年に母に
届いた父からの手紙を発見したという話をテレビでやっていた
一人の女優の半生に思いを馳せた

米騒動
「第一次世界大戦による好景気がまだ続いていた1918年(大正7年)に伊勢の福寅一派の相場師の買いあおりにより米穀取引所における期米相場は遂に50円(1石当たり)に迫り、小売価格も1升30銭から50銭を超すに至り世の中は物情騒然となった。
米価の暴騰はとどまりを見せず、1918年(大正7年)8月1日には1石35円を超え、同5日には40円を超え、9日には50円を超えた。8月10日には京都市と名古屋市を皮切りに全国の主要都市で米騒動が発生する形となった。8月12日には鈴木商店が大阪朝日新聞により米の買い占めを行っている悪徳業者である(米一石一円の手数料をとっている)とのねつ造記事を書かれたことにより焼き打ちに遭った。米騒動は移出の取り止め、安売りの哀願から始まり、要求は次第に寄付の強要、打ちこわしに発展した。10日夜に名古屋鶴舞公園において米価問題に関する市民大会が開かれるとの噂が広まり、約20,000人の群集が集結した。同じく京都では柳原町(現在の京都市下京区の崇仁地区)において騒動が始まり、米問屋を打ち壊すなどして1升30銭での販売を強要した」
てぃだ

てぃだの感想・評価

2.6
原田芳雄の「国民皆兵ってのは嘘じゃねぇか。金持ちは兵役免れて俺らみたいな貧乏人だけが兵役やんなきゃいけないだけじゃねぇか」ってのが妙に印象に残った。いつだって金持ちだけが特別扱い。そんぐらい。あとは特に面白いとも思えず。樹木希林出てた。
鴉

鴉の感想・評価

-
圧倒的映像美、そして死とエロス。詩的な自然美、徹底した大正時代の再現、とりわけお気に入りはポスタービジュアルになっている玄関先での演奏ですが、どれもこれもが素晴らしいです。
櫻

櫻の感想・評価

-
流れるように生きてきて、人知れず息絶えた命、寂しからずや。耳に残る三味線の音と懐かしい波の音。赤い古着物はまだ哀しく木々に張り付いたまま。

生まれつき盲目の女。幼いころに瞽女集団に入り芸を磨くも、掟を破ったために破門になってしまう。ただのひとりでさすらう、はなれ瞽女となる。その開かずの眼では、ひとりさすらうには危なすぎる。しかし、生きていかねばならず、身元知らずの者に己の身体を売り、三味線と歌で流れ流れて暮らしていた。ある日のこと、下駄職人の大男と共に旅するようになる。その男ひとり、彼女もひとり、すぐに心を通わせてはじめて味わう心の温み。それもそう長くは続かない、彼の秘密がばれてしまうまでの束の間。

生まれつき光を眼で捉えたことがない彼女は、海や山など当然ながら、この世にある風景や人間の姿を見たことがない。それでも、ひとりきりになって暮らしが厳しくても、彼女は彼女のまま、ゆったりと口元に笑みを浮かべていた。盲目であることで飾り立てることを必要とせず、ただ生きていくことに必死な彼女の生き様は、踏みにじられても高く伸びていこうとする野の花のような気高さと強さがあった。

岩下志麻さんの熱演はもちろん、歌声までうつくしくてもう耳が幸せ。篠田正浩監督と岩下志麻さんとのタッグは、言わずもがな最高。
Gatt

Gattの感想・評価

4.0
一人の女性の生きる姿を、しっかりと描いた、昭和の日本映画の良さが満載。盲目の女性として生きる弱さだったり、危うさだったり、堅固さや強さもある。
大好きな女優、岩下志麻姐さんが、時折見せる純粋な喜びが、なんと可愛らしいことか!
日本の自然も美しく、切れの良いカットもテンポ良く展開していく。
個人的に日本映画の中で、外せない一本になった。
目の不自由な女性が三味線を弾き歌を唄い生活する者を瞽女さんと言う
基本的には親方のもと集団で生活、巡業しているみたい
瞽女の社会にも決まりがあり男と関係したものはその共同体からはじかれる、そんなはなれ瞽女となったおりんの物語

まず、子供時代のおりんちゃんが洗濯するシーンでの「はぁえぇ」が可愛すぎる!めっちゃ萌えるんだけど!そしてものすごい美少女で印象的
岩下志麻もやっぱりいい!常に目を瞑っている難しい役を見事に演じきった、常に目を閉じている女性ってなんかそれ故のフェチズムみたいなの凄いですね、確かに菩薩を彷彿とさせるってのもわからなくもないある種の神々しさがあった

実は再見なんだけど10年以上前だから、辺り一面の雪景色の中を瞽女さんたちが行列で歩くシーンくらいしか覚えていなかった
改めて見ると撮影が宮川一夫じゃないですか!道理で美しすぎる風景なわけです
岩下志麻が原田芳雄が引く車に乗って橋を渡るシーン、あそこのシーンの美しさは特にインパクトがある、鮮やかな着物を着て日傘を差した別嬪さんと素晴らしい景色との融合、一枚の絵みたいなそんな輝きを感じた

あとは奈良岡朋子も凄い良かったなー、優しく時に厳しく、そして威厳があって
その子達を思うからこその厳しさ、繰り返し何度も教えてきたはずなのに落ちていく娘たちには何も出来ない、落とされた本人は勿論だけど親方にとっても地獄だったでしょうね
風景とストーリー完璧。素晴らしい邦画でした。
Netflix
fuo

fuoの感想・評価

4.0
壮絶な悲劇でした…
鑑賞後の絶望感がしばらく残ります。
ただ、樹木希林がこの映画に救いを与えてくれました。

そして、ロケーションが素晴らしいです。製作陣の本気を感じます。(岩下志麻の話によると、電柱1つ映さないよう、必死に全国探し回って撮ったそう)
Netflix
申し訳ないけど、これが樹木希林だったら、こんなに応援してないから、やっぱり、①に美貌、②に愛嬌、③④がなくて、⑤に宮川一夫ってぐらいの優先順位。
>|