はなれ瞽女おりんの作品情報・感想・評価

「はなれ瞽女おりん」に投稿された感想・評価

Gatt

Gattの感想・評価

4.0
一人の女性の生きる姿を、しっかりと描いた、昭和の日本映画の良さが満載。盲目の女性として生きる弱さだったり、危うさだったり、堅固さや強さもある。
大好きな女優、岩下志麻姐さんが、時折見せる純粋な喜びが、なんと可愛らしいことか!
日本の自然も美しく、切れの良いカットもテンポ良く展開していく。
個人的に日本映画の中で、外せない一本になった。
目の不自由な女性が三味線を弾き歌を唄い生活する者を瞽女さんと言う
基本的には親方のもと集団で生活、巡業しているみたい
瞽女の社会にも決まりがあり男と関係したものはその共同体からはじかれる、そんなはなれ瞽女となったおりんの物語

まず、子供時代のおりんちゃんが洗濯するシーンでの「はぁえぇ」が可愛すぎる!めっちゃ萌えるんだけど!そしてものすごい美少女で印象的
岩下志麻もやっぱりいい!常に目を瞑っている難しい役を見事に演じきった、常に目を閉じている女性ってなんかそれ故のフェチズムみたいなの凄いですね、確かに菩薩を彷彿とさせるってのもわからなくもないある種の神々しさがあった

実は再見なんだけど10年以上前だから、辺り一面の雪景色の中を瞽女さんたちが行列で歩くシーンくらいしか覚えていなかった
改めて見ると撮影が宮川一夫じゃないですか!道理で美しすぎる風景なわけです
岩下志麻が原田芳雄が引く車に乗って橋を渡るシーン、あそこのシーンの美しさは特にインパクトがある、鮮やかな着物を着て日傘を差した別嬪さんと素晴らしい景色との融合、一枚の絵みたいなそんな輝きを感じた

あとは奈良岡朋子も凄い良かったなー、優しく時に厳しく、そして威厳があって
その子達を思うからこその厳しさ、繰り返し何度も教えてきたはずなのに落ちていく娘たちには何も出来ない、落とされた本人は勿論だけど親方にとっても地獄だったでしょうね
風景とストーリー完璧。素晴らしい邦画でした。
Netflix
fuo

fuoの感想・評価

4.0
壮絶な悲劇でした…
鑑賞後の絶望感がしばらく残ります。
ただ、樹木希林がこの映画に救いを与えてくれました。

そして、ロケーションが素晴らしいです。製作陣の本気を感じます。(岩下志麻の話によると、電柱1つ映さないよう、必死に全国探し回って撮ったそう)
Netflix
申し訳ないけど、これが樹木希林だったら、こんなに応援してないから、やっぱり、①に美貌、②に愛嬌、③④がなくて、⑤に宮川一夫ってぐらいの優先順位。
母に捨てられ身寄りなく、盲目ゆえ瞽女となり、長じては瞽女の家から出され、はなれ瞽女となったおりん。
下駄屋を営む母と貧しい暮らしをし、貧しさ故に金持ちの兵役逃れのために代わりに徴兵され、そして脱走兵となった男。
このふたりが出会って惹かれ合う。互いに身寄りもなく、ひとりぼっちだからと。

厳しいながらも美しい北陸の自然描写の背後で、岩下志麻演じるおりんの屈託のない語り。相当に辛い目にあっているはずが、仏のような笑みを浮かべるその姿。
そのおりんをひたむきに愛し、他の男のように一時の情欲のために決しておりんを抱こうとしない、原田芳雄演じる男。

その孤独と愛を代弁するかのような美しい撮影。自然の風景も、善光寺などでの人混みの描写も。どこかに希望があると思わせるような優しさも包みながら。

盲目のおりんと男の、房の扉の小窓を介しての最後の面会。最後に男が嘘をついていたと告白する。おれには身寄りがないと言ったが、実は母がいる、赦してくれ、と。おりんは言う。あなたにお母さんがあっても何もおかしくはない。
そして男は憲兵に引かれていく。
開いた小窓。小さい窓でも、大きい窓でもおりんには関係がない。男の心を、自分のことをひたむきに想い、大切にしてくれたその心を見ることのできたおりんにとっては。

男を失ったおりんは、自分の母の所在について聞かされていたことを頼りに、母を尋ねる。しかしそこで聞かされたのは母の死だった。

背後のトンネルの闇の中に、測量器だけが映し出される。印象的な暗転だ。
どこかに母が生きている、そのことがおりんを支え続け得たのかもしれない。彼女を愛した男の存在とともに。しかし自分を愛おしんでくれるはずの存在がもはやどこにもないと知ったとき、おりんはもはや自然の中で屍となるほかなかった。
ラスト、穏やかでうららかな風景の中に映し出されるおりんの乾いた骨はあまりに非情な自然と現実の姿を思い知らせる。

自然と人生を見事なカメラと演技で見事に融合させて描いた名編と思う。
岩下志麻の可憐さ。は、台詞回しにある気がする。「ありがとござます」がとにかくかわいい。
明るく訛りのある舌足らずの敬語で、時折寂しさを乗せながらあっけらかんと、ある種の諦念をも感じさせるニュアンス。
生きてる心地などないのと同じだが、なおも生きている、という「はなれ瞽女」リアリズムを表現してきっている。
それに、まったく違うアプローチで劇中いきなり登場してきて主人公に寄り添い、また唐突に去っていく樹木希林のバケモノ感。
とにかく強そうで、純粋でしかし、死への暴力に堕ちて行く原田芳雄。
役者陣もいちいち気が利いている。

そこに篠田正浩監督が到達した映像美。というか、日本の土着的な四季、をどうやら宮川一夫の撮影によってうまくビジュアル化したのかな、っていう印象。
篠田監督というのはディテールや、テーマに対しての構造やアイデアに集中して、骨を作り込んだあとはエモーショナルな部分の肉付けは俳優の演技だったりカメラマンの画づくりだったりに一任してる気がする。
そういう意味であまり世界観や、キャラクターに対してビジョンを具現化しているというイメージを持てないかなぁと思った。
そういう意味では監督というよりも、演出家というよりも監修っていう感じに長けた人なのだろうと思う。

が、篠田作品ではベストワンな感じ!
由子

由子の感想・評価

5.0
胸が苦しい
新潟越後瞽女の人生

しかし
原田芳雄 かっこよ!!!
法月

法月の感想・評価

3.8
某番組で篠田正浩監督+女優・岩下志麻特集を観て、興味を持っての鑑賞。

暗さ、重さ、湿り気。そう、自分が子供の頃に触れていた邦画は、確かこんなだった。懐かしい感触。

生まれついての盲目ゆえ、瞽女「ごぜ」(三味線をひき歌をうたい銭を乞う女旅芸人)となったおりん。
「この世の地獄が視えねぇように、阿弥陀様がまなこ(眼)潰してくださったんじゃ」
瞽女のおかみの言葉が沁みる。
これ以下はない底辺の暮らし、差別。
けれど、おりんの表情に格別暗さはない。
自身の境遇をありのままに受け入れる強さ、諦念。
昔の人の潔さを感じた。

岩下志麻の美しさ、原田芳雄の男臭さ、かっこよさ、奈良岡朋子の威厳、樹木希林の飄々とした演技、そして失われつつある日本の原風景。

過去の映画を観ると、いろいろと学ぶことがあるよなぁ......
そう感じさせてくれた作品でした。
日本の風情や情緒ある風景
瞽女として生きる
おりんの感性豊かな心模様が表情だけで感じられます。
言葉では伝えきれないぐらい素晴らしかった。
心に残る名作
>|