浅野公喜

ポップコーンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ポップコーン(1991年製作の映画)
3.7
大学の映像学科の学生達が映画館で主催したホラー映画祭に主人公が夢の中で見た謎の人物が紛れ込み・・というコメディホラー。アマゾンで売られているVHSは1万近く、DVDに至っては7万円の値段が付けられていてたまげました。

上映されている映画は50年代60年代風SFホラー系で、映画の内容と現実がシンクロする展開、作品のテーマに合わせて巨大な蚊の模型が館内を飛んだり椅子に電流が流れたり癖の強そうな臭いが充満するギミックは「地獄へつづく部屋」や「ティングラー」といった自身の監督作を映画館で上映する際そういった数々のギミックを取り入れ、「マチネー」でも取り上げられていたウィリアム・キャッスルへのリスペクトあるいはオマージュといった感じで面白く、終盤観客の目の前で本当に殺されそうになる主人公に対し異様さに気付かない興奮した観客達という構図は集団心理の恐ろしさもさり気無く描いているようで興味深いです。

犯人のビジュアルを除けば特殊メイク&殺人描写はそれなり、エンディングもあっさりしていますがその内容や雰囲気はレトロホラー好きなら楽しめるはず。主人公演じるジル・シュエレンは「W/ダブル(ステップファザー)」やブラピの「処刑教室-最終章-」にも主演と80年代後半~90年代前半のサスペンスホラーを観ている方ならお馴染み(?)の人。

ホラーでワーキャーしている向こうの映画館がちょっと羨ましくなります。
浅野公喜

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