『読書する女』
原題La Lectrice.
製作年1988年。上映時間99分。

本を朗読することが職業の女性と、彼女をめぐる人々の姿を描く風変わりな演出が評価され、世界的にもヒットした不思議な雰囲気を持ったフレンチロマンティック・官能異色作。
レイモンド・ジャンの原作を基に、製作はロザリンド・ドヴィル、監督は「気まぐれに愛して」のミシェル・ドヴィル、脚本はロザリンド・ドヴィルとミシェル・ドヴィルの共同、撮影はドミニク・ル・リゴルーが担当し、ベートーヴェンの音楽を使用。
出演はミュウ・ミュウ、クリスチャン・リュッシェほか。

マリーはある日、友人からの勧めで新聞に“お宅で朗読します”と言う広告を出す。
早速下半身不随の青年や、劣等感に満ちた中年実業家などの客が付く。
声ばかりか、その姿までセクシーでオシャレな彼女に魅了される客たちにマリーは。。。


自分でページをめくるのを嫌うブルジョワの顧客に、プロの読書家としてサービスを提供する若い女子の冒険を描いた、スタイリッシュで泡のような軽い読み物の様な作品でした。
ユーモア、
皮肉、
エロティシズムを盛り込んだエレガントなエンタメを作り上げたこの遊び心のある小品は、個人的には多くのシーンで目を楽しませてくれる豪華な演出で構成しました。
アルルの旧市街の曲がりくねった道や路地の絵のような外観とか光沢感を際立たせてました。
小生の知る限り(無知ではありますが)、レイモン・ジャンの小説の中で映画化されたのはこの作品だけやったんちゃうかな。
その可能性を見出したミシェルとロザリンデ・ドゥヴィルの功績は大きいと思う。
今作品は、一般的にいかにもフランスらしいタイプの映画やと感じたし、それが、スタイリッシュで、文学的で、構成がしっかりしていて、味のあるエロティックなもので、筋書きよりもキャラを重視しているという意味であれば、確かにこの作品は素晴らしい。 プロの読書家マリーを官能的で魅惑的なミウミウが演じ、
人は読書中にいくつもの人生を生きるちゅうウィリアム・スタイロン(米国バージニア州出身の小説家、随筆家)の観察を強く思い起こさせるように、この作品は本質的にどこで現実が終わり、どこでファンタジーが始まるのかを描いてる。
彼女に読み聞かせを依頼するちょっと風変わりなクライアントは、それぞれの人生や好みを反映した題材を好む。事故で車いす生活になったイケメン青ッチョロイ兄ちゃんは、ボードレールの最もエロティックな詩を読んでほしいと頼むが、その詩は1857年に発禁処分になった6編のうちの1編である(ボードレール『宝玉(宝石)』)。
孤独なビジネスマンはポルノが好きだが、マグリット・デュラス(『愛人／ラマン』の原作者)の『恋人』で我慢しているが、彼の場合はマリーの行動が言葉よりも雄弁やった。
将軍の未亡人は、カール・マルクスの散文が好き。
判事はサドの『ソドムの120日』が好きで、彼が選んだエキスに目を奪われたときのマリーの表情は何とも云えへんモンがあります。
プロダクションデザインとアートディレクションは素晴らしく、デヴィルはクラシック音楽を効果的に活用している。
『ヴァルトシュタイン』を始め、
『テンペスト』
『春』
『英雄』
『チェロ・ソナタ第1番』とか全編にわたってベートーヴェンの音楽が流れここじゃベートーベンが主役みたい。
この作品は、言葉の力、そして言葉が心を豊かにし、想像力を解き放つためにいかに重要であるかをテーマにしてる。
残念やけど、この作品は、起きている間はスクリーンに釘付けになっている現代人の多くにとって、荒野で叫ぶ声のようなモンかな。

オサレありきの作品。

自分が見たジャケ、こんなんじゃなかった…😅

最近免疫付いてきたかと思ってたおフレンチ作品でも、これはどうにも苦手系のヤツだった…。

あまり美人とは思えない主人公にも魅力を感じず、エロネタばかりで全然解らん…。

そもそも最初っから朗読者失格じゃね？？😅


……なんて思ったら、成る程そういうラストか…😅


まぁ、この辺の解釈的レビューは映画通の有識者に任せよう…。

レイモンド・ジャンの原作小説「La Lectrice」を基にした作品。
てっきり真面目な文芸作品だと思っていたけど、ちょっとエロティックな雰囲気のロマンチックコメディだった。

自分の声に自信のあるマリーは、他人に本を読み聞かせる朗読のアルバイトを思いつき、新聞に広告を出すが、朗読をしながらその物語の登場人物になり切るマリーの読み聞かせは好評で、ちょっぴり変わった客たちを顧客に持ち始める。
ストーリー自体はものすごく面白いわけではないのですが、お客様に本を読んでいるマリーの実態自体が途中から曖昧な存在となり、ラストのラストで私たち鑑賞者もまるでこの物語の一部のように取り込まれていたように感じさせる巧妙なトリックはユニーク。

そして何よりもマリー役のミュウ=ミュウのフレンチガーリーファッションと、グリーンを基調とした鮮やかな色使いのインテリアなどがおしゃれなのでこれを観るだけでも価値はあるかもしれません。