簪(かんざし)の作品情報・感想・評価

「簪(かんざし)」に投稿された感想・評価

kentaro

kentaroの感想・評価

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小津のアナザーサイドとして観ると、いやこれはひょっとすると小津を超えているんじゃないかという面白さ

ただの切り返しなのに、スリリング。

「情緒が足の裏に突き刺さる」
highland

highlandの感想・評価

2.7
被写体との距離感がドキュメンタリーぽい。日常系。
ナレーションでなく手紙を書く手とか文面絵日記で示すのは洗練された手法だ。それにしてもあっけなく皆帰っていく。
老先生の反復ギャグとかはやや古臭い感じがしてしまった
短絡的悲観的情緒的非道徳的な学者先生

…あ、失礼しました。
shuuhey

shuuheyの感想・評価

4.2
清水宏が旅館を使いたがるのはパーソナルな部分で愛着があるんでしょう。数日間の出会い、交流、別れ。赤の他人と過ごす場所として旅館を採用する点では映画的で凄く好き。現代はプライバシーが尊重され、他の客との交流など無いに等しい環境だけど、当時の旅館は襖一枚隔てただけの部屋で、様々な事情で宿泊する客との出会いの場だった。人の価値観や生活観がいちばん現れるのはそういった場所であり、それらが衝突するときに起こるドラマが面白いじゃないですか。


連続した襖を使った人物の出入り。見せること、隠すことをコントロールする為のツール、その賢い使い方に興奮する。
『按摩と女』のようなブラックユーモアの笑いではなく、権力が反転したときに起こる笑いがベース。居心地の悪さや暗黙の了解の中で繰り広げられる会話。

少年たちの「頑張れおじさん!」って叫び続けるやつは悪い意味で耳が痛いけど、口語で書かれた日記を読むとすごく可愛らしくてやっぱり愛せてしまうのが卑怯。

川に架かる橋や原っぱでリハビリする一連のシーンは、引きで笑いを作りたいのは凄く分かるけど、それを引っ張るだけの画の耐久性がない。カッティングで笑かすか、別の起爆要素がほしかった。
リハビリを複数のシチュエーションで一部始終見せちゃったのが勿体無い。ラスト、女の顔と階段を上がる足のカットバックを叙情的に見せていくラストが活きてない。
あ

あの感想・評価

4.0
大事件が起こるわけでもなくのほほんと日が過ぎていく
全てが儚く終わる
本作にも出演している笠智衆が著書で「小津先生の作品は、いろんな人があれこれ言いますが、清水オヤジのシャシンをきちんと評価する人がいないのが不思議でなりません。」と過小評価を指摘した清水宏の映画。過小評価と聞くと変に期待しちゃうんだけど、この作品は裏切らなかった。
旅館の客たちがそれぞれキャラ立ちしていて愛おしくなる。偏屈な学者先生を中心としたコメディとして秀逸だし、ほんのり漂う侘しさもたまらない。アンチクライマックスなラストも良かった。
手紙が重要なモチーフになっていて、特に田中絹代の書く文字をひたすら映すシーンは強く印象的。人々が離散していく様子を子供の絵日記だけで表現する演出は、情報量を抑えているだけに余計に寂しさが積もる。一本橋を渡る笠智衆を遠くから映すカメラや、団体客の坊さんたちを撮るところなど、撮影もさり気なくセンスがいい。「情緒が足の裏に刺さった」というのは素敵な表現です。
1941年という混乱の時期にこんな大らかな作品が作られたことを考えると、なんだか嬉しいような切ないような。
クライテリオン・エクリプスシリーズ#15より。清水宏は感情の芳醇!琴線に触れ包み込む。タダのイイ話しで終わらないし終わらせない。若い頃の笠さん初めて見た!イケメン!グランドホテル形式の群像劇だが、有りがたうさんもホテルをバスに転化したグランドホテル形式の様な気がする。いや、あれは駅馬車形式か?
ネムル

ネムルの感想・評価

4.0
素晴らしい。
ガキって段階を踏むステージでゲームを盛り上げるのが上手いよな。ただ橋を渡るだけで、ああもハラハラさせられるとは思わなかった。そして、そこからおんぶ、アンマさんと繋がる意外性。

疑似家族映画としても楽しい。人が増えていくのはゆっくりだが、去っていくのは一瞬のこと、寂しい。
P後輩

P後輩の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

オフビートな笑いと女の生きる道。
ラスト、田中絹代が階段を上がる足元のショットで泣く。

@シネマヴェーラ渋谷 35mm
石段登るだけの場面が、あれだけ手に汗握るものになっているのは凄いと思ったし、ラストの寂しさなどたまらんのだが、登場人物があまりに善人ばかりでちょっとノレず。
「情緒的イリュージョン」て台詞が出てくるけど、それってまんま清水宏の映画だよな、と。
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