1990年代初頭。イスラム系の爆弾テロにより妻子を失ったジョシュア。怒りのあまりにジョシュアはモスクでイスラム教徒を次々と射殺。逃げるようにボスニア・ヘルツェゴビナで傭兵として紛争に参加。その地でレイプされて子供を身ごもったセルビア人の女性ヴェラと出会い、ジョシュアは彼女と赤ちゃんを救おうと命がけの逃避行を決める戦争ドラマ。

オリバー・ストーンが製作を務めた作品。テロで家族を殺されて失うものなど無くなった軍人が、傭兵として紛争地域に身を投じる。しかし相棒が妊娠している女性ヴェラを殺害しようとした事で止めようと相棒を射殺。その場で出産したヴェラと赤ちゃんを救おうと心に決めて、命からがら赤十字のある町スプリットへ向かう。

デニス・クエイドの沢山ある出演作品の中でもトップクラスに入る作品。老若男女問わず虐殺される紛争地域の無法状態。この場にいる者は誰もが考えを狂わされる異常性を全編通じて感じさせてくれます。

特に終盤の民間人が鈍器で虐殺される場面なんか身が震えるほどの残酷さ。それを阻止したくても形勢不利な状況でどうしようもなく、為す術が無い悔しさがジョシュアの姿を通じて滲み出てきます。

イスラエルでの紛争やウクライナ戦争など世界でも争いが激化している今だからこそ見る価値のある作品だと思います。マーク数があまりにも少ないのが残念。1人でも多くの方にご覧になってほしい隠れた秀作です。

悲しみ系

始まりは「コラテラル・ダメージ」にそっくりだ。
妻子をテロリストによって殺された父親。
テロに強い恨みを抱き、戦時下のボスニアに傭兵として参加していた。

気持ちが変わるのは捕虜を助けようとしたため、付け狙われる存在になったとき。
妊娠した女性に情が移っていき出産の手助けまでもする。

その後も追っ手をかわしていき、逃亡の旅は続く。

デニス・クエイドはあまり表情豊かではないが、怒りから愛情への転換がはっきりと分かる。