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村と爆弾
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目次

村と爆弾の作品紹介

村と爆弾のあらすじ

日本統治時代末期、太平洋戦争真っただ中の台湾。農村で暮らす小作人のアファとコウヅエの兄弟は家族とともに貧しい生活を送っていた。母親は耳が遠く、妹は夫を戦争で失って以来、精神を病んでいる。ある日、遠方から地主がやって来て、兄弟に田畑を製糖会社に売り払うと告げる。さらに追い打ちをかけるように日本人に一家の唯一の財産である牛が徴用されてしまう。翌日、村が米軍の空襲を受けるが、敵機が去った後、兄弟の畑に残されたのは一発の不発弾。上官から褒美をせしめようと、兄弟と村の巡査は隣町の駐在所へ不発弾を届けることにするが...。物言わぬ案山子を通して、日本による植民地政策のもと、不条理な状況に置かれた台湾の人々の強かな生き様や戦争の悲哀をユーモアたっぷりにテンポよく描いた。

村と爆弾の監督

ワン・トン

原題
稲草人/Strawman
製作年
1987年
製作国
台湾
上映時間
97分
ジャンル
ドラマ
配給会社
オリオフィルムズ

『村と爆弾』に投稿された感想・評価

4.2
 ワン・トンの台湾近代史三部作のうち、『バナナパラダイス』だけは観ていて、DVDを所有しているほど愛しているのだが、残念ながら今作は未見だったのだが、ユーモアの中に移り行く人々の情景を描くワン・トン(王童)はやはり只者ではない。日本統治時代末期の台湾。小作人の兄弟アファとコウヅエは、耳の遠い母や戦争で夫を亡くし精神を病んだ妹らと共に、農村で貧しい暮らしを送っている。そんな中、地主から田畑を製糖会社に売り払うと告げられた上に、一家唯一の財産である牛が日本人に徴用されてしまう。しかもその翌日には村が米軍の空襲を受け、兄弟の畑に一発の不発弾が残る。そこで兄弟と村の巡査は上官から褒美をせしめようと、隣町の駐在所へ不発弾を届けることにする。貧しい農村で育った兄弟が、自身の小作地に落ちたアメリカ軍のミサイルの行方に一喜一憂する。

 不発弾はいつ爆発するとも限らない辺りが極めてサスペンス・フルで、村人たちはこの米軍のミサイルの物言わぬ姿に大騒ぎする辺りがワン・トンの真骨頂である。やがて一世一代の手柄を立てようと、村長と兄弟が不発弾を隣町まで運ぶ辺りに喜劇的で動的な瞬間が立ち現れる。村の名誉を称えた兄弟の送り出しの瞬間がもはや皮肉で、太平洋戦争末期にありながら、日本の勝利をひたすら信じる村の人々の姿がひたすら微笑ましく、敗戦国としてはひたすら申し訳ない心境に駆られる。大漁の魚を持ち帰りながらも、妻が明らかに不満な表情を浮かべる辺りが肝で、兄弟は小さな物語の中において常に負け続ける。それは我が国日本のメタファーとしてもどうしようもない無念を晒す。富士山の絵の前で不発弾と共に満面の笑みで写真を撮るアイロニー。あえて統治国・日本を悪とは描かず、当時の占領下の台湾を描いた力強い力作である。
菩薩
3.7
トラックの荷台から引っこ抜いたサトウキビを一生懸命背負いながら齧り付くちびっ子達のショットで感じた手応えは本物であった、最後までアホな状況に振り回される大人達に対して子供達はとにかくお腹いっぱいご飯が食べられれば幸せ。戦争の足音は忍び寄るどころかとっくに浸透しており状況は何一つ芳しくないものの、シリアスは影を潜めひたすらユーモア全開で押し通していく、後半の珍事件珍道中は完全にコント。結婚の翌日に夫を戦争に取られ亡くし発狂した妹の舞は全盛期の戸川純を彷彿とさせる、女達は防火訓練に勤しみ鬼畜米英のチンコは瓶よりデカいと訓示をうける。田んぼも頼りの牛も取られ一発逆転を狙う不発弾の献上、常軌を逸した状況をそれでも邁進する大人達…と象徴的に観るべきかもしれないが…ただただ笑える。
sonozy
4.0
1944年、日本による統治が終わる間近の台湾南部の村の物語。
ワン・トン監督が台湾の庶民の歴史を描いた『台湾三部作』の1作目。英語字幕にて。

畑にいる案山子/かかしがこの村の状況を語り始めるというユニークな導入。
(原題の『稻草人(かかし)』はここから)

RichMan(兄)とBigMouth(弟)という愛称の農業を営む兄弟が主人公。
常に不満をぶちまけてる兄。嫁さんと子作りしすぎな弟。この二人のキャラが最高です。
一家は、愛称とは真逆の(笑;)貧困生活。

村で一番の美女だったリリーは、結婚してすぐ戦地に向った夫が米兵に殺されてから狂ってしまい、赤いウェディングドレスをボロボロになっても着続け、いつも踊ったりしている。

日本人の指導の元、現地の主婦たちに防空/防火訓練をさせ「アメリカ軍は脅威だ!あいつらのナニはこんなにデカい!」とガラス瓶を見せ、思わずウケる主婦たち。

日本人教師は、子供たちに「日本人の名をつけろ」「米軍の攻撃時の爆弾の破片などを集めろ」そうすれば褒美がもらえるぞ。などと指導する。

ある日、米軍の攻撃を受け、畑に不発弾が落ちる。
恐る恐る爆弾に近付く兄弟。爆弾に石を投げたりしても大丈夫そう。
これを日本政府に渡せば、すごい褒美がもらえるはずと、当地の日本人士官(このおっちゃんもいい味)と兄弟は、爆弾を台車に乗せて暑い陽射しの中、上官の地へ向かうが・・・

タブーとされていたという日本統治時代を描いた作品。
コメディテイストながら、当時の日本人が台湾人をどのように統治していたのかを知る貴重な作品でした。

エンディングは子供たちによる♪「夕焼け小焼け」
作中も日本語が何度も出てきます。

金馬奨: 最優秀監督/脚本賞ほか
ボゴタ国際映画祭(コロンビア):最優秀脚本/編集賞

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