TOMORROW 明日の作品情報・感想・評価

TOMORROW 明日1988年製作の映画)

上映日:2015年08月01日

製作国:

上映時間:105分

ジャンル:

4.0

あらすじ

1945年8月9日の長崎原爆投下まで、市井に暮す人々の24時間を描く。 ささやかな喜びと秘められた哀しみを優しく澄んだ眼差しで追い、戦時下の日本人の心と生活を見事に映し出す。そして、それらを一瞬にして消し去った閃光。

「TOMORROW 明日」に投稿された感想・評価

buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
生活の息遣いが伝わる黒木和雄監督らしい傑作だし原発の性質上こういう企画はいずれ撮られただろうし空前絶後であろうからそれが黒木監督でよかったと思った。
伊佐山さんがめちゃ最高。
唯一のヤな奴役を引き受けた殿山さんも渋い。
8.15終戦の日 特別企画 映画を通して、歴史や社会を考える 戦争 軍隊 原爆 冤罪…
@新文芸坐

新文芸坐は毎年夏になると戦争映画や日本の暗部に焦点を当てた作品の特集上映をしてくれて、色々と思い出したり考えさせられるきっかけを作ってくれるから足を運ぶようにしてます。

黒木和雄監督の戦争レクイエムの一本。
長崎に原爆が投下された"あの日"の前日から物語は始まり、戦時下で物がなく苦しいけど懸命に生きた人たちの日常が映し出されます。しかし観客は結末を知っていて、そこに向かっていく様子をただ見つめることしかできません。
そしてラスト、残酷にもその時はやってきて、無情にも映画は終わります。
その後、彼らの身に起きたことは一切描かれません。
その描かないことによる絶望感、余韻が強烈です。
うーん。
子供の頃に観て、大人になって改めて観て。
そして3回目の鑑賞。

現在の心境での感想として。割と思想性の高い映画な気がした。
長崎原爆投下の24時間前から投下までの物語。
「明日」という存在の絶望感と、対比されている「日常」の風景。
しかし物語の中にある日常はすべて虚構であるために、当時、あったかもしれない結婚、あったかもしれない出産、日々の仕事、恋、そんな出来事にはある一定のリアリティがあるが、少し「日常」の要素を劇的に詰め込み過ぎてる気もする。

結論ありきの物語なので、どうしても悲劇性を帯びてしまう分、やはり、演出としてはもっと、淡々としていても良いと思うし、その上で、結婚とか出産とか、女学生の恋に絞った上で他のエピソードはもっとさりげなくていいと思った。

悲劇として原爆が投下されて容赦なく映画は終わる。それは、大変に潔く、また、恐ろしい。そこは良かった。

本作はテーマ性以外のところで、キャスティングが良い。

若き佐野史郎や黒田アーサーなんかも良いが、突出してるのは女優陣、
特に、南果歩、仙道敦子は個人的に、どうしても、どうしても愛おしさすら感じるほどに美しい。

あと、娼婦役の伊佐山ひろ子の棒読みの物凄さと、対して、この頃若くてなんだか、本当に色っぽい。

病弱でいじめられてた佐野史郎は南果歩みたいな嫁を貰えたのに、なんだか苦悩してるイケメンの黒田アーサーは友達もなく、嫁もいない。寂しくて売春宿に行く。
というのもまぁ…良かったといえば良かった。

だけど、ちょっとブレる気もする。

基本的な映像のルックと、出演者の好演と、残酷なテーマ性だけでも充分に良い映画ではある。
黒木和雄監督の傑作!

原爆投下直前の24時間を描いた作品で、「TOMORROW/明日には、この長崎の人々に原爆が落ちてくる」という事実を知らない庶民の姿を描いている。

この映画の大半が、そうした庶民の普通の生活を描いているからこそ、終盤が強烈なインパクトとして観る者を飲み込む。

何度観ても、庶民の姿が痛々しく心に残る映画である。

平和を願う。
長崎に原爆が投下される直前の24時間。

まだ、「時」は永遠に続くと思われていたありふれた1日。普通に暮らす人々の日常が丁寧に丁寧に映し出されます。

戦時中ですが、ささやかな結婚式があり、出産があり、好きな人とこっそり会ったり、戦争に行く息子と写真館で家族写真を撮ったり、ご飯作ったり食べたり、そこいら辺にある普通の暮らしがたくさんたくさん描かれます。

ただ一つ違うのは、彼らには明日は来ないということ。
観る側は、それが分かっているから、普通のちょっとしたことに涙を押さえることができません。

静かな静かな映画ですが、戦争に対する強い怒りを感じます。

「この世界の片隅に」に感動された方には、この映画もぜひ観ていただきたい。今年も8月9日はやってきます。明日を迎えることが出来る幸せを噛み締めたいと思います。
Kyoshin

Kyoshinの感想・評価

3.6
全体的に静かで落ち着いた描写だが、それがかえって戦争に断固として反対を訴える意思を鮮明にしている。
「この世界の片隅に」のレビューを読んで、ずっと見たいな〜と思っていた映画。
いい意味で想像通りで苦しくなった。
うまくいえませんが戦争で失われた日本的なもの?私たちにとってはあらかじめ失われていた古きよき日本?が丹念に描かれていて感動しました。

お母さん役の馬渕晴子さんが見事な手際でひたすら家事を続ける姿も美しすぎて感動です。その姿が間接的に家族の絆というものを表現していたんだと思います。

ラストシーンでこみ上げてくる哀しさや怒りはとても複雑な感情でした。戦争で失われるものは生活であり、文化であり、歴史であり、庶民の命なのだなと。
ひとりでも多くのかたにこの映画を見て頂き、こんな感情を表現している映画が日本にあるんだということを知ってもらいたいです。

ちなみに監督の黒木和雄さんは私の中の邦画3大巨匠のひとりです!(←どうでもいい?)(あとのふたりはまだ決めてないので聞かないで下さい)
アニメ「この世界の片隅に」を観て思い出した映画。
1945年8月8日、9日
戦争中ながらも長崎に暮らす家族の平凡でささやかな幸せ、生活を描いた作品です。
結婚式が行われ、晴れて夫婦となった幸せそうな2人。
予定日間近の妊婦。
戦争中だけど恋人と愛を育む女の子。
家族を見守る父。
皆が「また明日会おうね」「また明日話そう」などと平凡な日を終えて次の日を当たり前にむかえようとするのです。
しかし…明日は…

子どもの頃に観たのでうろ覚えな部分もありますが、かなり、かなり欝になったのを覚えています。強烈でした。
黒木監督は良作の戦争映画、反戦映画を世に出していますが、この映画ほどショックを受けるものは後にも先にもないような気もします。
傑作だった。
この頃位からの桃井かおりについて、もっと若い時ほどの輝きがないのではないかと誤解していたが、実際には現在の宮沢りえの様な極めて特別な存在であった事が、今作の圧巻の演技により確認された。
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