前作と同じキャストが、別の新しいキャラを演じるという、珍しいタイプの続編。

なので再び、新主人公が一から鍛錬を積む。

またゼロから同じ事をするのかと言われればそうなのであるが、退屈さは全く感じなかった。
むしろ、前の修行とは一味違う！と驚く様な、ひねりの効いた、新しいアイデアが豊富に盛り込まれている。

全体の構成はわりかし前作と似ている様には感じたが、内容が新鮮。
主人公のキャラも、よりコミカルな明るい性格になったと思う。
ギャグが多く、娯楽としてのレベルが高まった。

終盤の盛り上がり方も非常に秀逸。
アクションが、冗長に殴り合うだけではなく、武器や物を上手く使うなど、様々な工夫が凝らされているのが素晴らしい。

前作と比較して優れているかどうかは分からないが、質の高いカンフー映画である事は間違いないと思う。

はい、あまり間を空けずに2作目へ。
先日の1作目を観て、リューチャーフィーのこのシリーズにハマる。

途中のシーンを観て思い出す。これ、観たことある。そのシーンだけは見覚えがあった。
“砂の上を歩くのに足跡が残らない”のシーン。

これ、子供の頃、1人でコソコソやってみた記憶がある。でも、これ、絶対無理。あの頃の自分を思い出して恥ずかしくなる。

ジャッキー作品もそうだったが、この頃のカンフー映画の続編にありがちの設定だった。
つまり、“主役や所々の主要キャストは同じだが、全く別の話”、の続編。

この設定、こっちは続編見てるつもりで観始めるから、これに気付いて、それはそれこれはこれ、の脳になって馴染むまで、少し時間を要す、一瞬戸惑う。

しかも、今回はさらにややこしい。
ここに出てるリューチャーフィーは、前作の英雄的な僧侶サンダ、ではなく、“サンダに憧れてサンダに扮するチェンチェ”を演じるリューチャーフィー。

つまり、別の話と別の時間軸で、演じてる役も違うのに、話は繋がっていて、違う人物を同じリューチャーフィーが演じている、、、ある意味、これを成り立たせているのがスゴいとさえ思えてくる。

“弱きを助け、強きを挫く”。

前回は国内の割拠を背景に、自分にも訪れた絶望に対しての雪辱を果たすために修行に励みだし、もっと大きな存在になっていく話だった。

今回も、染物の工房で働く労働者達が、利権絡みで外から来た労働者に仕事を奪われ、賃下げに苦しむことになる。

この辺の背景もあって、カンフー映画の割に女性のキャストも多いのが印象的。

それをリューチャーフィー演じる“チェンチェ”が“サンダ”になりすまして一芝居打って助けようとするも、茶番がバレてしまう展開。

バレたらバレたで、余計に虐げられる結果となった労働者達。
彼らのために、“チェンチェ”が“サンダ”を目指し、少林寺の門を叩く、、、。

ホントにリューチャーフィーを真ん中に据えっぱなしでこのストーリーラインを繋げるとは、あっぱれ。

とはいえ、この流れはジャッキーチェンにもあったわけで、この頃はリューチャーフィーも人気沸騰中で、前作も成功した彼を活躍させるためにみんなで考え抜いた“続編”だったに違いない、、、きっと。

今回はキッカケが自分の絶望ではないだけに、主人公の少林寺に対する必死さが少し弱い。なんなら、少し小馬鹿にしてる。

入門も、真正面からというより、なりすまして潜り込んでるに等しい。

だけども、そこから、少林寺の真髄を触れて、あれよあれよと“例の36房”へ。
前作でも思ったが、そんな中途半端な腕前と根性では乗り切れない。

リューチャーフィーだからか、“チェンチェ”だからか、は置いておいて、やはりここでも、壮絶な修行を1つ1つ、、、。だけども、そこは今回の“チェンチェ”。

今回はややコメディ調に、てんやわんや、筋力もナシ、知恵もナシ、、、挙げ句の果てにここでも“潜り”がバレる。

それでも、なんやかんやと寺に居座り、相変わらずのテンポの良さと機転で武術にのめり込んでいく。この様子が前作と違った楽しさがあった。

“井戸の岩”“足場組み”、、、この辺、『ドラゴンボール』の亀仙人の悟空とクリリンへの初修行に通ずるな。

カンフーとは、少林寺拳法とは。
人の日々の生活にその真髄があり、常に人の所作に息づいている。
まるで呼吸と同じような、人の営みに寄り添う武術。

リューチャーフィー、動きのキレがレベルアップしてる気もする。

最後の工房での“竹の紐”大立ち回りからの“木の椅子”5対1も最高。楽しい。

でも、、、でも。
途中で別の人が演じる“サンダ”が登場、、、面白いけど、ややこしいってば。

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▫続・少林寺三十六房
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▫️Y!レビュー ★★★☆☆３.１
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▫️映画ＴＫ通算：４３９７本
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