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蜜の味
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『蜜の味』に投稿された感想・評価

Omizu
3.4
【第15回カンヌ映画祭 男優賞・女優賞】
『トム・ジョーンズの華麗な冒険』トニー・リチャードソン監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され男優賞と女優賞をW受賞、キネマ旬報ベストテンでは第8位に選出された。

ロンドンの女子高生の恋模様を描いたイギリス・ニューウェーブの作品。リチャードソン監督らしいペーソス溢れる語り口が興味深い。

あらすじとしては何てことない話なのだが、どこかアングラ感があるのがリチャードソン監督の持ち味だと思う。

男女だけでなくゲイも描くことで物語に多層性が浮き上がってくる。また、黒人に惚れた白人女性という人種問題も乗っかってくる。

しかしそれを大げさに描くことなく、あくまでたわいのない恋愛映画としてとらえているのが興味深い。

正直言えば物語に意外性はないし少し軽すぎる気もするのだが、これはこれで時代を捉えた重要作だとは思う。リチャードソン監督、そんなにハマらないが独特の持ち味があるのは確かだ。
3.8
トニー・リチャードソン監督作品。
ジャケ写は主人公の女の子ジョー(男性だと思ってたので…)
イングランド北西部の町が舞台。
高校卒業を控えたジョーは母親と二人暮らし。家賃を払えないと夜逃げする生活を続けている。
母親の再婚を契機に、高校卒業したジョーは働きながら一人暮らしを始めるが、もうそばにはいない黒人の恋人の子供を妊娠していることを知る。

意思の強さが伝わる少女の目が印象的。
嫌いな奴には攻撃的になるけど、ちょっと風変わりで明るく気のいい少女。
母親とは顔を合わせれば喧嘩ばかりだが、母からの愛情に飢えている。

主人公と共に同居する友人ジェフとの会話が胸を打つ。
ーちょっと落ち込んでるだけさ。そのうち普通の君に戻るさ。
ー普通の私って?普通の私は普通じゃないの。忘れないでジェフ。私は非凡な人間よ。私もあなたも特別。
ー個性的。
ー若い。
ー最強。僕らは超一流だ。

主人公の不安や苛立ち、未来への希望が生き生きと描かれていて、とりわけ同居人ジェフとのやり取りに心を動かされた。
道端に落ちていた一羽の鳥の死骸を見て表情が曇る主人公も忘れられない。

その当時のイギリスの風俗がわかるのもおもしろくて、
下町の町並み、パレード、遊園地、商店、車に群がる子供たち。運河で遊ぶ子供たちなど描かれている。

この原作は18歳の少女が書いた舞台戯曲を映画化した労働者階級の少女の物語。
カンヌ映画祭では、主人公ジョーを演ずるリタが主演女優賞、友人役ジェフを演ずるマーレイが主演男優賞と、ともに受賞した。

🐾JAIHO体験記⑨これにてとりあえず終わり☆
菩薩
3.7
娘の生活よりも自分の恋愛を優先する母親、父親の事はよく知らない。寂しさを紛らわす様に黒人の船乗りと恋に落ちるが、彼は遠くの海へと旅立っていく。母親は家を出て行き高校も辞め靴屋で仕事を始め、ようやく自分1人のだだっ広い城の様な部屋を手に入れる。そこに招き入れるのはデザイナー志望のゲイの青年、ただ穏やかな生活は長くは続かず突如妊娠発覚、父親はあの船乗りの青年、不安に押しつぶされそうな日々をゲイ青年に支えられるも、ある日恋に破れた母親が転がり込み彼は弾き出されていく。振り出しに戻るのか、はたまたコインの裏表の様な娘関係は出産を機に変化していくのか。常に悲壮感が漂っていながらも絶望一歩手前で踏み止まってはいるし、なんだかんだあっけらかんとしている。工場の排水が行き着く汚れた街、貧乏人だらけの街、この時代にしては要素に富んだ作品だろうし、リタ・トゥシンハムがアイコンとして鈍く輝いている。

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