江口のりこさんが本当に良かった。
昔から脱ぎっぷりのいい女優さんとは知っていたが、今作もそれがすごく良かったし、声がいい。
坂口安吾原作だからこその昔風の台詞回しも、江口さんにはピッタリ。

内容は理解し難い所だらけだったが、それは戦争を知らないからかもしれないし、自分があの極限状態に置かれたとしたらどうなるのか想像もつかない。

※一夜限りの特別上映「戦争と一人の女」にて。
上映記念トーク「戦争と五人の男、戦争を語る」
荒井晴彦、森達也、井上淳一、佐伯俊道、小林三四郎

良い子は回れ右💁‍♀️


江口のりこがとにかくヤッてヤッてヤリまくる。
惜しげも無くモザイクなしの▼丸出し。
男は全く見せないけどね。

戦争中だけど戦争の話しはあまりないような…

首絞めプレイが好きな変態強姦さんもかなり出ます。


戦争と一人の女と二人の男
だと思うぞ。

　天皇の戦争責任まで踏み込んだ、異色の反軍国主義・反戦映画。かつての大島渚監督の作品を彷彿とさせる、過激で前衛的な内容に度肝を抜かれました。テーマは、なんと「戦争は性快楽中枢を狂わせる」。戦争で理性が破壊されると、理性によって抑えつけられていた「狂った性欲」が解き放たれ、人間はついに自壊の道を突き進むというメッセージが読み取れます。

　原作は坂口安吾の小説。監督は「福田村事件」で脚本を担った井上淳一。レイプシーンを含むおぞましい性描写が続きますので、ご注意願います。

※以下、ネタバレ、性的表現、不快表現を含みます。

　本作品では、中国戦線での三光作戦に加わった帰還兵・大平（村上淳）が登場します。三光作戦とは「殺し尽くし・焼き尽くし・奪い尽くす」の意味。大平は戦地にいた際、上官の命令により、赤ん坊の横で若い母親を強姦殺害します。その猟奇的な快感に目覚めてしまった大平は、右腕を失って帰還した後、コメを求めてさまよう若い女を次々と騙し、犯し、殺します。そうでないと射精できないのです。

　この大平は、妻と坊やの前では良い父親であろうとします。でも、一度目覚めた快楽からは逃れられず、葛藤に苦しみます。後に逮捕された大平が「なぜ中国女を犯し、殺しても罪にならないのに、帰還後にやると死刑になるんだ？中国での殺しは天皇の命令だからか？」と捨て台詞を吐くシーンに、本作品の核心があると思います。

　主人公は、元娼婦で飲み屋の女将（江口のりこ）。戦争末期、身よりもなく自暴自棄になったこの女は、これまた自暴自棄の作家（永瀬正敏）と同棲します。セックスは仕事と割り切っていた女は不感症になっていましたが、大空襲の夜、猛火を見ていると急に性の快楽に火がつき、作家と狂ったようにまぐわい絶頂に達します。そして「全て燃えろ！全てなくなれ！」と叫ぶのです。江口のり子の体当たり演技は、圧巻の一言です。

　本作品が他の反戦映画と一線を隠すのは、このシーンです。「一億総火の玉」体制が米軍の空襲で破壊され、天皇制軍国主義が事実上崩れたことにより、束の間の自由を取り戻した人間が死を前に、突き上げるようなオーガズムに歓喜するー。このストーリー展開に、戦争に対する恐ろしいまでの洞察力を感じざるを得ません。

　さらに作家が、天皇の玉音放送により第一歩を踏み出した戦後日本を、形を変えた国民総動員体制とみて嘲笑う場面も秀逸です。もう性の快楽は謳歌できないというわけです。

　ここまで踏み込んだ本作品の上映年を見ると、２０１３年４月。安倍長期政権発足（２０１２年１２月）前に撮ったであろうという背景事情は、記憶にとどめていいかもしれません。

　このように、本作品は極めて過激で前衛的であり、万人受けする映画ではありません。しかし、問うているテーマは非常に深く、今の時代を生きる私たちが忘れてはならないものであるのは明白です。低予算映画で、時代考証に難がありますが、反戦・平和思想に関心がある方には、強くお勧めしたい一本です。