『「老婆補完計画」始動＿＿＿＿。』





ショーン・ベイカー！！！いやー私大好きな監督であります全編iPhone5sで撮られた異色の映画「タンジェリン」でマインドを掴まれ続くアカデミー＆ゴールデングローブ賞(助演男優賞)にもノミネートされた神奈川ではこれが“たまプラーザプロジェクト”かもしれない「フロリダ・プロジェクト」でもう完膚なきまでに感無量のケチョンケチョン！！にされてしまいまして……


なんでしょうこのジェーンとセイディーの関係性。親子以上に歳の離れた端から見れば完全に“祖母と孫”なんですけどね。この2人の間にはそんな親子のような関係……でもあり“歳の離れすぎた友達”のような、そう言った方がしっくりくるかもしれません。


セイディーはまぁ、言ってしまえばカワイイ頑固ばあちゃんなんでありまして、現在大きな庭完備の一軒家に一人暮らし、ほかに家族もおらず口数も少ないし歳の近い友達も作らずビンゴ大会でも周りと距離を取りながら一人孤独に楽しむ日々。そこへ陽気で誰とでも仲良くなれるタイプのキャピキャピギャルのジェーンがセイディーがはるATフィールドを初対面からいきなりぶち壊しにくるわけですよ！？アンタばかぁ〜！？と初めは拒絶反応をしめすセイディー、しかしなんだか彼女と一緒にいると“楽しい”。80過ぎのおばあちゃんが


「新しい友達を作って人生の輝きをちょっとずつ取り戻していく」


なーんて素晴らしい話なんでしょう。なかなか高齢になってから新しい出会いを探す、新しいことに挑戦するなんて出来ませんよねー。まぁセイディーの場合“巻き込まれた”だけではありますが


今作でもやはり「社会的に立場の弱い者」を描いていたショーン・ベイカー監督。今作は「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト」より前に撮られた作品ではありますが一貫しているなぁーと思ったのは「格差社会」とそこに生きる者たちを「ありのままに写し、そしてありのままを受け入れる」という姿勢＿＿＿



↓ブログにも感想書きました↓
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🔞原題: Starlet=主人公ジェーン👱🏻‍♀️(21)の飼っている🐶◯ンコの名前。【あらすぢ】ガレージセールで老婦人👩🏻‍🦳(85)からツボを買ったら中に大金が入ってた💵🏺!!!!✨トホホな邦題ですが中身は良作ヒューマン📽✨👙天真爛漫な若さと、偏屈BBAのやり取りから『ココロを開くこと』が描かれまつ👭🏼✨🚺やや女子に有利

【インディペンデント・スピリット賞(ロバート・アルトマン賞)受賞🏆】

本作は『💬語らない』無言のラストシーンで評価が爆上がり📈✨いつも笑顔のジェーンの表情がアレで→観客は察する💭✨『このシーンだけで観る価値がある』ジワる良きシーン(一応チワワは見ているww👍🏻✨(✈️+🧳)→🇫🇷✨ジェーン役のドリー(本業: モデル)は📚ヘミングウェイの曾孫ですって!!!!(ﾟдﾟ(｡_｡ *セレブかヨッ🥂

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ショーン・ベイカー 初期傑作選④ 『スターレット』

2012年、ショーン・ベイカー監督の長編4作目は、『ANORA／アノーラ』に匹敵する完成度の感動作でした。

ロサンゼルスの郊外。若いポルノ女優ジェーンは、フリーマーケットで買ったポットの中から思いがけず大金を見つける。その持ち主だったのは、孤独に暮らす老女セイディ。ジェーンは彼女を徐々に訪ねるようになり、年齢も生活背景も異なる二人の間に、不思議な温かな連帯が芽生えていく・・というストーリーライン。

では、以下レビューしていきます。


■ 逆光を多用した美しい映像
ショーン・ベイカー監督の特徴の一つでもある、美しく躍動的な映像。
昼間のロサンゼルスに降り注ぐ強い陽光を逆光として描き、人物の輪郭をやさしく溶かすような映像はとてもストーリーにマッチしており、本作をさらに感情的で、魅力的なものにしていました。

この撮影手法は、のちの作品、『タンジェリン』や『フロリダ・プロジェクト』、『レッド・ロケット』に通じるものですが、特に印象に残りましたね。


■ ドリー・ヘミングウェイの魅力
ジェーンを演じたドリー・ヘミングウェイは、曽祖父が文豪アーネスト・ヘミングウェイという血筋を持つモデル出身の女優。本作が映画デビュー作とは思えないほど、スクリーン上に自然な存在感を放っており、モデルらしい長い手足と軽やかな佇まい、大金にも揺らがない強さと静けさが混ざり合った彼女の自然体の演技には、まさに“才能の塊”という言葉がふさわしかったです。

原題の”Starlet”とは、劇中に登場するチワワの名前ですが、同時に、”小さな星：スター候補”という意味もあるそうで、まさに、本作がデビュー作だったドリー・ヘミングウェイにピッタリのタイトルだったんですね。


■ 年の差を超えた二人の女性の友情と連帯
そして、本作のテーマは、年の差を超えた二人の女性の友情と連帯。

21歳のモデルのジェーンと80歳を超えるセイディ。60歳近く年の離れた二人ですが、その関係には、年齢や境遇を超えて生まれる美しさがありました。

セイディが劇中で語るセリフ。「アステアとヘップバーンが共演した映画みたいなものよ」。その言葉がジェーンにとってのきっかけとなり、パリ行きを決意する。
1957年の『パリの恋人』を指すその言葉は、人生に遅すぎる始まりはないということを、静かに教えてくれるようでもありました。


■ 映画を超えた二人の友情
これもベーカー監督の特徴ですが、高齢のセイディを演じたベセドカ・ジョンソンは、元々女優ではなく、地元に住む素人の方。それでも、ドリー・ヘミングウェイとは撮影後も連絡を取り合うような親しい関係になったそうです。

まるで映画がそのまま続いているかのような関係ですが、ベセドカは映画公開と同じ時期に亡くなってしまったそう。

ドリー・ヘミングウェイは、彼女が亡くなった際、こう語ったそうです。
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“Besedka showed that no age is too old to do what you dream. I loved her dearly.”
（ベセドカは、“夢を叶えるのに年齢は関係ない”ことを教えてくれました。私は彼女を心から愛していました）

https://www.latimes.com/local/obituaries/la-me-besedka-johnson-20130410-story.html
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こんなエピソードを聞くと、この映画がさらに好きになってしまいました。


■ まとめ
美しい映像とともに、静かに、少しずつ心を動かす映画でした。

セックスワーカーという職業も、孤独な老いも、ごく普通の“人間の物語”として描かれたことが本当に素晴らしく、光と沈黙と友情が織りなす、やさしさに満ちた傑作だったと思います。

ラストは、逆光の中で沈黙を共有する二人だけのショット。

セリフがなくとも、光と表情が二人の心を伝える。
見る人それぞれに異なる解釈の入り口を与える余白があって、いつまでも心に残る、素晴らしいエンディングだったと思います。

今回の初期傑作選を見るまでは、『タンジェリン』がデビュー作のようなものだと思っていたのですが、前作のプリンス～や、本作を見ると、既にこの頃からその手腕は発揮されていて、決して『ANORA／アノーラ』の受賞が運じゃなかったことが、はっきりと分かります。

見る機会は少ないのが残念ですが、機会がありましたら是非。


（以下は、エンディングについてのネタバレ感想です）

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エンディングについては、いろんな人の感想が読みたくなる場面でした。

物語の終盤、パリに行こうという話になったものの、その前に「お金のこと」が明かされてしまいますが、セイディは怒るでもなく、ただ無言で「お墓に寄ってほしい」とだけ伝えます。

ジェーンが言われるままに墓地へ向かうと、夫の横に娘の墓があり、セイデイには娘がいて、すでに亡くなっていたことを知ります。

そして、花を置いたジェーンは一度は戻るものの、意を決したように再び墓を振り向き、物語はそこで幕を閉じます。

私は、「お金のことはもういいわ。秘密を共有したのだから、これからは家族なのよ」というメッセージに思えました。つまり、これはハッピーエンド。旅行から帰ったら一緒に暮らすんだろう、って。

一方で、調べてみると「許していない」という解釈もあるようですね。
言われてみると、確かにそう読むこともできるのかもしれませんが、無言の中での二人の表情を見ていると、”本当に理解し合えた二人”に思えました。

相変わらず、最後の最後に観客に解釈を委ねる、ショーン・ベイカー監督らしい仕掛けでした。

余談ですが、昔から色んな方が言っていますが、邦題の『チワワは見ていたポルノ女優と未亡人の秘密』って、誤訳レベルの失礼なタイトルですよね。。本当に酷い。
この邦題のせいで見なかった人がいると思うと、悲しくなります。