やっぱりあんな小さな穴から新たな生命が零れ落ちるのは構造上無理があるような気がしてならず、最初の設計段階でもう少し大きめに開けておけば苦しまずとも済むのでは無いかと、そんな事を思ってはしまうがとなるとそこに例の棒を突き刺す楽しみも半減するわけで、本当つくづく女性には頭の一つもあがりゃしませんよと、ただただ平身低頭を繰り返すのみ。回る回るよ時代は回ると、遠心分離により弾かれる社会の不純物達、自分らしく自由になんてのは一般社会では許されざる御法度、金が、金が全ての世の中か…。幸せで涙が出るなんて、いまだかつてあっただろうか、そしてこれから先あるだろうか。ドロリと這い出た胎盤より、切り離された瞬間始まる生存闘争、マイルストーンよりローリングストーンでいたいけどね、難しいよね適応するのはね。

政治色が強過ぎて合わなかった前作アイスと比べて穏やかな描写が多く、自然も美しく映っていたのでその点では好印象。（脚本あるけど全然そうは見えないのも良い）

でも手持ち撮影と多めのカット割りは好みに合わず、上映時間も長いから見ていて苦痛を伴う場面もあった。（際どいシーンも結構あったし）

ということで円盤発売記念にアテネフランセで上映されるとのことだったけど、あそこで三時間以上ロバート・クレイマーの映画を見るってのは色んな意味でキツいので断念。

‪ ‪「マイルストーンズ」‬
‪冒頭、傘を差し道を歩く年配女性。鼻歌が聞こえ、語られ始める。古めかしいセピア色の画、ピル、乳搾り、シボレー。旅、妊娠、ホーチミンの言葉…本作はR.クレイマーとJ.ダグラスが共同で監督、脚本、撮影その他を手掛けた70年代の隠れた大作で206分の長さを持つ。登場人物が50人‬以上とかなりのキャラが出る。そして個々の思想、歴史感、家族を映す。9組の人間集団の社会との関わりを打ち切った理由を様々な視点と形成で伝えていて、劇中後半に出産シーンがあるのだが強烈な印象を受けるし、その一つだ。それに新左翼が持つテーマの政治的主題を散りばめてる。先ずはベト戦への反‬ ‪戦と環境汚染問題、黒色人種による公民権運動、先住民の運動、女性解放運動や時代の流れの中に起きたキューバ革命などが問われる。とりわけマイノリティの問題や歴史的事件に言及されている会話が随所に写真や資料で描写される。合衆国の歴史を知った上で会話を楽しむ作品だから人には中々勧めにくい…‬