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THE DEPTHS
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『THE DEPTHS』に投稿された感想・評価

4.2
濱口版BLなのか、これは?

登場した時から、カメラマンのペファンがカッコいい…しかもめっちゃ優しくてまともでいい奴。おでんでいうと、ほどよく味がしみてるけど、中心は本来の甘さが感じられる大根(これは演技がダイコンっていう意味ではない)。
だけどある場面から、それまで脇役としてイイ感じの存在感だった花嫁逃げられ男ギルス、彼はおでんでいうと厚揚げって感じなんだけど、この厚揚げにめっちゃキュンとしてしまった。
そして、「風と木の詩」のジルベール並みに男たちを次々と虜にしてしまうリュウ。おでんでいうとうずら串かな?この子がまた良かった。最初はフツーのちんちくりんな男の子にしか見えなかったけど、写真になった時の魅力的なこと。そこからは、野良猫みたいな野生みとたよりない風情に引き込まれた。

物語は闇社会も絡んできて、ダークでハードボイルドな雰囲気。これまで観た濱口作品と比べて言葉は少ない。でも、韓国語、日本語、カタコトの英語が入り混じる会話は、やっぱり作風なんだろうなと思ったし、濱口作品で繰り返し語られる「暴力」がとても直接的で、意外とこういう世界と濱口作品は食い合わせが良いのかもしれないと思った。
乗り物表現も相変わらず良かった。ラストのタクシーのシーン。並走→枝分かれして走っていく、っていう画を見せられると、やっぱり無条件に心を掴まれる。

村上淳ってこんなおっかない役が似合うんだ、知らなかった。木村役の人は、お笑い芸人がコントでやるヤクザ(チンピラ?)って感じだったかな。
No.3922

お! これは、濱口版『ブエノスアイレス』なのか? 濱口版『ブロークバック・マウンテン』なのか!?

とワクワクしながら見ていたのだが、どうも違ったようだ・・。

韓国から来たカメラマンのペファン(キム・ミンジュン)が、リュウ(石田法嗣)の生き方や仕事に口出しし始めた時点で、

「ウゲーー」ってなった。職業差別やん。

余計なお世話やん。

ゲイの人たちもみんな判を押したようなオネエ口調、他の男の体にベタベタ触るテンプレ演出で、なんだこりゃって感じ・・。

あの濱口監督でも、こんな変な映画撮ってたんだ、っていう、逆の驚き。

======================

ただ、ムラジュンこと村上淳は素晴らしい!

あのねちっこくて、いつ爆発するかわからない狂気の感じが凄くいい。
tetsu
3.6
濱口監督作を観たくなり、かつて友人からもらった録画DVD(過去に日本映画専門チャンネルにて放送)にて観賞。

韓国から来日したカメラマン・ぺファン。友人・ギルスの結婚式に参列した彼だったが、その直後、花嫁が失踪してしまう。一方、男娼・リュウは、お得意様を過失死させてしまい、隠蔽工作を試みるが……。ぺファンとリュウ、異なる世界に生きる2人が出会った時、彼らの境界線が揺らぎ始める。

冒頭クレジットにCJエンタテインメントのロゴが映し出された時点で、監督作としての異質さが際立つ本作。

東京藝大と韓国国立映画アカデミーとの共同製作として、日韓合作となった本作は、日本映画の世界に韓国映画のキャラクターが混じり合ったような独特の魅力があった。

ある意味では、監督にとって、幻の韓国映画デビュー作とも言えるし、韓国語と日本語とが混ざり合う作風は、のちの『ドライブ・マイ・カー』に繋がる要素とも。

物語は、ざっくりいうと、男性同士による身分違いの愛(それが恋愛なのか友愛なのかすら曖昧な関係)を描いたもので、他者との分かりあえなさという意味では『寝ても覚めても』にも通ずる面白さがある。

被写体とカメラマンを隔てるシャッター、部屋と部屋の間を隔てるマジックミラーの窓、そして、言語や性別といった他者との関係性における壁。

映像・テーマともに「隔たり」を強調しつつも、それらが物理的・心理的に近づいていく様を描いており、ここにこそ、濱口作品に共通する作家性を感じた。

また、扱う題材は異なっているものの、男性同士の愛情関係や、ある二人の関係性を物理的に決定づける奇跡的なラストカット含め、どことなく『裸足で鳴らしてみせろ』を思い出す作品でもあった。

ただ、終盤、唐突に現れる吉岡睦雄さんには不意を突かれた。

『Chime』や『見はらし世代』の怪演でも記憶に新しい彼は、今作でも抜群の存在感を発揮。

彼が物語を掻き乱した結果、思わぬ結末へとルート変更してしまうため、"ある2人"の幸せを願っていた心の中の応援団が「なんでお前がいるんだよ~!」「ふざけんな~!」と総ツッコミしていた(あくまでキャラクターに対してであり、吉岡さんに対してではありません)。笑

とはいえ、あの結末は"彼"が引き寄せたものでもあるし、観賞後にジワジワと余韻に浸ってみると、"彼ら"の関係性においては最善の終わり方だったのかもなぁと合点はいったけれども。

なにはともあれ、濱口作品のフィルモグラフィーにおいても、かなり異色だった本作。

監督の最新作が、フランス・日本・ドイツ・ベルギー国際共同製作による『急に具合が悪くなる』とのことで、それを思うと、公開の前後で本作こそ再評価される作品なのかもしれない。

参考

『PASSION』『THE DEPTHS』の挑戦、映画館を作るという挑戦 8/25映画館と映画作家の10年|濱口竜介/林未来【前編】 | 元町映画館ものがたり
https://motomachieigakanstory.amebaownd.com/posts/20770813/#amp_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=17718907637739&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com
(監督本人が『ドライブ・マイ・カー』を経て本作を語っているという点で、かなり貴重だったため、共有)

OUTSIDE IN TOKYO / 濱口竜介 『THE DEPTHS』レビュー
http://www.outsideintokyo.jp/j/review/hamaguchiryusuke/thedepths.html
(逆に製作から程なくしたタイミングで書かれたレビュー。近作との比較なしで語られた文章だからこそ、作品そのものの魅力が語られているとも。)

【Next Movie's HINT】
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