フランス発の大道芸グループ「ロワイヤル・ド・リュクス」の活動を追っている、ドキュメンタリー作品。

町全体が一夜のうちにして、アートの舞台へと変容。自動車が大木に突き刺さっていたり、巨大な靴が脱がされたままになっていたり、非日常的な光景が忽然と姿を表す。度肝を抜かれた町人たちの反応が面白い。

メインイベントでは、「人間に操られている巨大な機械人形が街中を練り歩く」という、大掛かりな見世物興行が展開。人形を操演する人たちが「機械人形の乗組員」を演じており、様々な裏エピソードを妄想することができる。

巨人の姿に驚愕する大人たち、純粋な気持ちで応援する子供たち、暗喩を深読みしようとする芸術家肌の人たちなど、「こういう人いるわー」という、あるあるネタが止まらなくなる。幼少期の記憶に既視感があると思ったら、「元気が出るテレビ」だった。

フランスのパフォーマンス集団のドキュメンタリー。
YOUTUBEでたまに動画を観てはいたけど、長編があるとは知らなかった。
残念ながら、ツタヤのレンタルでは「巨人の神話」のみで、「スルタンの象と少女」は観れなかったが、それでも十分に素晴らしかった。
冒頭の靴や新聞、フォークや壊された車等々、全編とにかく粋で痛快で感動的だと思った。
なにより素晴らしいのは、老若男女皆が皆驚いて興奮して感動していた所。これを幼い時期に見た経験というのは、何にも変え難い特別なものになると思う。
ドキュメンタリーとしても、アングルや少し荒っぽい撮り方がしっかり盛り上げてくれて良い。町の人達のコメントも印象的なものばかり。
逆説的に、日本のお祭りも素晴らしいものなんだなと再確認した。
本当に本当に素晴らしい文化、素晴らしいパフォーマンスを撮り収めたドキュメンタリー。ジブリ的な世界観が好きだったら絶対にオススメ。「スルタンの象と少女」も観たい！！！

究極の地域文化コンテンツを見せつけられた｡街・地域全体が物語世界と化している､そしてそれを大人も子供も老人も､皆んなが信じて想像する｡これほどまでに楽しい世界はないと思う｡ああ私も映画をとおしてこんな世界を作りたい｡
フランス語勉強しよ｡