「シャイニング」のドラマ版！

映画版は原作レイプかってぐらい改変されて、スティーブン・キングが納得してなくて自分で脚本を書いて作ったというやつ。90分×3話の構成でジャックが狂気に落ちていく過程やダニーの能力「シャイニング」を濃いめに扱ってて「これが本来やりたかったことか〜」て感じで良かったです

原作版でのジャックはアルコール依存症や家庭内暴力のケがありつつも元々は平凡な市民としてのキャラクターが強めに押し出されていたり、妻のウェンディも映画版のナヨナヨさは無くむしろジャックに突っかかっていくぐらい強い女性として描かれ、ダニーは危機を察知したり様々な超能力を使う勇敢な子になってます。で、ジャックが狂うのもホテル全体が豹変させていくという決定的な違いもあり、そりゃ映画版観たら作り直したくもなるよな〜って感じで相当に違ってました。シャイニングの本来のルーツが知れるので抑えておいて損は無いですね

反面、ホラー描写は割とチープで映画版ほど震え上がるようなシーンはほぼ無く、終盤に繋がってく重要な場面を描きつつも序盤〜中盤はやや退屈かな、という気持ちは否めないですね。動物の形をした植木が動くのも、「何？」て感じだし…。原作本来の家族間の絆といったヒューマンドラマ的なところで楽しめるかなと思います。

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余談ですが、本レビューで今年みた映画が150本になりました。めでたい。1年ごとのペースで見ると一番見てる。あと50本みて年間200いくぞ〜

2019-11-17記。
4時間半あるがキューブリック版の映画より分かりやすいのでスコア0.5プラス。
例えれば、アニメでよくあるTVシリーズがこのTVM(海外ドラマ6話分)で、その総集編をリメイクしたのがキューブリック版みたいな感じ。公開順が逆だけどね。
ちょうど、同じスティーヴン・キングの『IT／イット “それ“が見えたら、終わり。』＋『IT／イット THE END “それ“が見えたら、終わり。』が、1990年の『イット』のリメイクという関係と同じ。

『ドクター・スリープ』に向けて♫

びっくりするほど原作通り。コンチネンタル版と比べるとかけ離れた作品だと思いますが、説明的描写のある北米公開版と比べると丁寧にやり過ぎててかなり野暮ったく感じました。というかなげぇよ！

キングってかなりネチっこく（言い方悪いけど褒めてます…笑）表現を重ねるから、本人が脚本書いたらこうなるんやろな〜とは思いますが、キング独特の良し悪しを問わずひとつひとつのニュアンスを大事にするような作風が映像には乗っかって来てなくて、要所要所の情報を原作から抽出して単に羅列してるだけのような印象を受けました。表現物というより箇条書の長ったらしい説明書みたいな感じ。もちろん表現物ではあるんだけどね。あくまでも程度の話。

説明的描写という点で、コンチネンタル版が引き算の極致だとしたら、本作は足し算の極致。確かにこの２つは別物として考えた方が良いと思うし、善悪のアプローチも真逆だから距離感も凄いんだけど、折衷的な北米公開版を見る限り、キューブリックはコンチネンタル版であえて家族の抱える火種をヒントだけ残して覆い隠したように感じるから、固定化せずに余白を作ったコンチネンタル版は意図された別作品ということなのでしょうね。

その点で、北米公開版は家族の互いを思う愛情と崩壊の火種の双方を必要十分な範囲で描いていると私的には思うし、だからこそ本作の良くも悪くもTVドラマな1から10まで余すことなく語ろうとすることに時間をかけるのは別に映像でやらんでもな〜って感じちゃって苦手。。。情報はほぼほぼセリフで聞こえてくるから、ながら見でも特に支障なくついていけちゃうライトさはTVドラマとしては大正解なんだろうけどね。小説家と映画監督の土俵の違いというか、表現することに対するアプローチの仕方の違いも大きいんだろうな〜。

というかクライマックスのシークエンスってさり気なくガッツリと原作を改変してますよね。しかもその後の追加シーンまで！めちゃドラマチックになっててビックリしました。キューブリック版から更に距離を離そうとする改変だから、キングさんよっぽど怒ってたんでしょうね（笑）

そんで面白かったのはトニーくんの映像化。頼りなさそうなメガネ兄ちゃんがフワフワ浮いてるのがめちゃ間抜けで笑いました🤣それと217号室でアレを見ちゃった後のジャックの逃げ足の機敏さとかアホみたいで大好きだし、通例なんかも知らんけどアルコール依存症の集会で「私は〇〇。アルコール依存症です。」ってみんながみんな自己紹介するのも面白かった。わかっとるよ。

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