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モンスターロード
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『モンスターロード』に投稿された感想・評価

moon
3.3
孤高の天才アニメ作家ブルース・ビック・フォードとその父親を映したドキュメンタリー
仕事終わりにダッシュで見に行ったため、あまりに淡々とした映像のリズムに一瞬寝てしまったが、上映後のトークでうまく補完されました 笑

家族の死を次々に目の当たりにし、この世界に痴呆の父親と自分一人だけ取り残されてしまったという孤独感。観客のためのエンタメ作品ではなく、手を動かして何か作らないと生きていけないという強い焦りを感じた。モーフィングを繰り返すアニメーションに何故だか惹かれるのは、グロテスクさよりも際立つ狂気とビックフォードの死生観が現れているからだろう

ブルースビックフォード追悼上映は2/1〜イメフォにて。このドキュメンタリーを見る前にプログラムAの作品群を先に見ることをお勧めします
ビックフォードというのは、フランク・ザッパのアニメで一般的知名度を得た作家で、その後に代表作のプロメテウスを作り、当時発売されたVHSでカルト化して名前が広がった。
その後数年は表に出てこなかったが、このドキュメンタリーでまた名が知られるようになる。

そんな彼のアニメの作風は簡単に行ってしまえば「暴力と死」「生成と破壊」である。
見ていて幸せになる人はなかなかいないだろう。


ではどうして彼がそのような作品を作る事となったのか?
直接的な描写はないが、観ていれば感じ取れるものが今作にはある。


そもそもビックフォードの作品はアニメーションでありながら、他のアニメと徹底的に違うのが「見せ場を作らない」という部分ではないだろうか。
そこで起きる現象、事件、世界そのものを記録映像としてアニメーションを作っている。見せ場がないからどこを見ればよいのかがわからないのだ。

そんな彼にだけ見える世界や宇宙の闇がどこから来ているのかをこのドキュメンタリーは映し出している。

彼が生まれ、思春期を過ごしたアメリカは冷戦時代で、大人になればベトナム戦争へと徴兵される。
そこでは体の小さなビックフォードは虐めの的だった。

大きくフィーチャーされるのは父親との関係だ。
ビックフォードと比べて父親は悪夢的な日常に対して、敢えて気づかないようにしている発言が目立った。しかしそれこそがアメリカ的な闇を内包している。


また、ビックフォードが生まれた地はとても治安が悪く、モンスターロードを散歩しているシーンはいつも護衛用にナイフを持ち歩いていたらしい。


生まれた国、地域、両親、兄弟、その全てが彼を作り上げ、その全てが彼の作品へと繋がっているのを確かに感じ取るドキュメンタリーだった。
mingo
3.8
「プロメテウスの庭」の創作現場を観れるだけで喜び〜なのに彼の人生の成り立ちを知ることが出来る稀有なドキュメント。Aプロ観てからBの方が良いと言う方が多かったのでミスったか〜と思ったらそんなことなくてむしろBを観たからこそよりAを観た際彼の生き様をアニメーションで補完出来る気がする。意外と気づきに満ちた言葉だらけで良すぎた、愛とは「理解」と「赦し」らしい。ベルイマン「野いちご」リスペクトやフクロウノイローゼ、火のついたモーニングスターをぶんぶん振り回すビックフォードなど、アニメーションの神様の人間的振る舞いに心躍る。

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