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ヴィクトル・ユゴー 笑う男

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ヴィクトル・ユゴー 笑う男

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『ヴィクトル・ユゴー 笑う男』に投稿された感想・評価

kuu
3.6
『ヴィクトル・ユゴー 笑う男』
原題または英題 L'homme qui rit
製作年 2012年。上映時間 94分。
製作国 フランス・チェコ合作

漆黒の夜のただ中に、かくも眩惑的な光の深淵が潜んでいようとは!
1928年の銀幕に刻印されたこの恐ろしいまでの奇蹟は、小生の無防備な胸腔を容赦なく抉り、そこに眠る魂の戦慄を呼び覚ましてくれました。
 
コンラート・ファイトが全身の血を絞り出して演じた悲運の男、グウィンプレン。
権力の冷酷な刃によって口元を切り裂かれ、死に至るまで不快な喜劇の笑みを貼り付けられたこの男の肉体は、文字通り人間存在の不条理そのものでした。
凄惨な装置によって口唇の自由を物理的に奪われながらも、眼光の微かな揺らぎと佇まいの哀傷のみで悲劇の深淵を物語る彼の凄絶な演技。
この異形にして高貴なるシルエットが、のちに世界を震撼させる哀哀たる悪漢・ジョーカーの視覚的起点となった歴史的奇縁も、彼が放つ無声の叫びに接すれば自ずと理解できます。
 
その地獄の底に、一筋の天上の光として降臨するのが、メアリー・フィルビン扮する盲目の少女デア。
彼女の肉体の瞳は光を失っている。
しかし、将にそれ故に、彼女の精神の瞳は肉体の美醜という俗世の虚飾を飛び越え、グウィンプレンの内面に宿る清廉な純潔をしかと見抜く。
目を開いた者たちが彼の異形を恐れ、あるいは悪徳の好奇心で嘲笑する中で、闇の中に生きる者だけが真実の光を感知するというこの恐るべき逆説。
 
この悲劇の周縁を彩る人間群像の対比もまた、息を呑むほどに濃密でした。
チェザーレ・グラヴィナ演じる老旅芸人ウルシュスは、貧困の泥にまみれながらも、血の繋がりを超えた温かな愛で幼き命を守り抜く。
その無骨な慈愛は、荒野に咲く一輪の野花のように尊い。
一方で、オルガ・バクラノヴァ演じるジョシアナ公爵夫人の冷艶な毒気は、退屈の贅沢病に冒された彼女は、グウィンプレンの異形を己の歪んだ欲望を癒す道具として貪ろうとする。
絢爛豪華な宮殿に住まう者の精神の頽廃と、見世物小屋の泥に塗れた者の魂の気高さ。
 
タイトルが掲げる『笑う男』という言葉は、一見すると見世物の道化を指すかのよでありながら、その実体は人類の歴史に対する最も激しい告発です。
彼に刻まれた笑顔は、彼の感情の吐露ではない。
絶望に身を捩り、血の涙を流している時でさえ、権力者が刻んだ、満足の仮面を被り続けねばならない。
それは自らの言葉を奪われ、支配者の都合に合わせて幸福であるかのように装うことを強制された、持たざる者たちの声なき悲痛の象徴と云えます。
 
ここには、社会精神の深層を撃つ峻厳な思惟が満ち満ちてました。
自らの意思と無関係に張り付けられた仮面は、社会という巨大な機構が個人の尊厳を押し潰す構造的暴力を白日に晒す。
己の真実の感情を殺し、システムの要請に応じて、従順な笑顔を作り続けねば生きられぬ現代の群集の姿が、彼の引きつった唇の陰に確かに二重写しとなって現れるではないか。
 
かつて、この作品のあまりに濃密で悪夢的な世界観に対し、誇張が過ぎる、重苦しさに耐えかねる、といった退屈な不平が囁かれた時期もあったそうです。
万人受けする無害な娯楽を求める者にとって、この頽廃と怪異の美学は毒が強すぎたのかもしれない。
 
しかし、その過剰なまでのドラマの奔流こそが、この映画を時代を超越した真の古典たらしめているに違いない。
光と影の巨大なコントラストだけで、人間の暗黒と崇高さをこれほどまでに残酷かつ美しく彫り上げた芸術が他にあろうか。
ただの古い活動写真だと思って対峙した方は、心の最も深い場所を力任せに揺さぶられ、己の真実の顔を問われる恐怖に震えることになるに違いない。

ヴィクトル・ユーゴー『静観集』より
 
「暗闇の中へ降伏してはならない。
苦痛が深ければ深いほど、魂は輝きを増す。
涙の背後で、神聖な光が微笑んでいる。
見る者よ、見よ。愛する者よ、信じよ。
夜の底にも、光は生きている。」
 
(Ne te donne pas à la nuit... Plus la douleur est profonde, plus l'âme est brillante...)


幼い頃に買売人(コンパルチコ)によって口の両端を耳まで切り裂かれ、常に笑っているような顔に変形させられた少年グウィンプレン。彼は雪の中で凍死寸前の盲目の赤ん坊デアを救い出し、旅芸人の老人ウルシュスに拾われて育てられます。成長したグウィンプレンは「笑う男」として見世物小屋で人気を博し、デアと心を通わせ合いますが、やがて自身の隠された出生の秘密が明らかになり、運命の渦に巻き込まれていきます。

ジャン=ピエール・アメリス監督、マルク=アンドレ・グロンダン主演、ジェラール・ドパルデュー共演によるフランス・チェコ合作の映画化作品。
yura
3.7
韓国ミュージカル版がもう超絶どハマり真っ只中なので、原作を読み終わったところでこちらも…

ミュージカル版の音楽担当の方が飛行機で本作を偶然見た事がきっかけで制作が始まったらしいので尚更気になってた。しかもユゴーの国フランスが作ったものだから期待も膨らむ…

日本では見る術なさそうだったので、Watchaと韓国vpnとあまり精度の良くないリアルタイム翻訳を駆使して鑑賞。

本編の時間も短いからやや浅めな気がしたのと、グウィデアの愛はもっとピュアピュアなものだと信じてるので…ちょっとだけ解釈不一致な部分もあったり、、
(でもフランス映画ってこういうものだよね)
原作と色々違うところも多いけど、あの薄暗い世界観の雰囲気は作り込まれていて良かった。
グラスハープのお兄さんが何者なのか、原作に出てきた人なのかもわかってないけど、あの音楽のかんじはとても好き。

グウィンプレンはデアとジョシアナでたしかに揺れるけど、今作のグウィンプレンはほかの翻案とか原作に比べるとデアへの想いがちょっと薄めな気がした、私の知ってるグウィンプレンはもっとデアにしか興味ない

宮廷のシーン、キュッキュキュッキュしながら廊下歩いていくシーンがシュールで笑ってしまった。かわいい。
巨大なベッドと巨大な部屋と巨大な肖像画…ベッドはミュージカル版のと比べるとそっくり!

議会のシーンは原作に出てきた鬘をかぶってない若い貴族とか、あぁこの人か!ってなったりして面白かった。

でも期待したから尚更だけど、、刺さらなかった.…

逆にミュージカル版のあのエンドの演出はここから着想を得て生まれたのかと思うと感慨深い気もする。

ここ1ヶ月くらい、ずっと毎日何らかの形で笑う男を摂取してる私です。
犬
3.2
川

口の両端が裂けた少年グウィンプレンは、彼を誘拐した一味に捨てられて死にかける
だが、行商の旅を続けるウルシュスに盲目の少女デアとともに救われる
ウルシュスはグウィンプレンを見世物にした旅芸人に転業
やがて時はたち、グウィンプレンは青年に成長するが、彼は妹のように育ったデアと互いに愛情を抱くようになっていた
そんなグウィンプレンの前に肉親を名乗る裕福な者が現われ……

文豪V・ユゴーの古典小説を映画化した

劇

道化について

何が

誘惑も
展開はなんとも

映像や世界観良かったです

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