🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-253 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋素晴らしい作品ですね！！その容姿や表現主義的な陰鬱な映像から時折“ホラー”のカテゴリーに位置付けされますが、れっきとしたメロドラマ、クライマックスにはハラハラし、そしてラストで涙が溢れるそんな作品です。

🖋そして本作、サイレント映画が芸術の域に達し、トーキーが勢いづき出したそんな頃の作品、ドイツ表現主義のサイレント映画の最後の宝とも言われている作品です。映画に対する溢れんばかりの愛と勢いを感じます。

🖋素晴らしいカメラワーク、豪華なセット、陰影の効いた映像、そして素晴らしい俳優陣、どれをとっても迫力があります。

🖋物語は、口を裂かれた事でずっと笑っているように見える異形の男と盲目の少女の純愛。やはり涙が溢れてきます。マスクで口を覆う主人公グウィンプレイン（コンラート・ファイト）の容姿は確かに『バットマン』のキャラクターであるジョーカーとの類似もしています。しかしそこには悲しんでいても笑って見られる、異形のものの悲哀が満ち溢れています。一方ヒロインには『オペラの怪人』（1925）のメリー・フィルビン、素晴らしい2人の純愛です。

🖋さらにこの時代に、オルガ・ヴァクラノヴァが魅せる官能性は特筆ものです。

😢Story:（参考: digitalvampier ）
17世紀のイギリス。貴族の謀略によって処刑された領主の幼い息子グウィンプレインは、口を耳まで切り裂かれた上に追放される。吹雪の中彷徨うグウィンプレインは、偶然にも拾い上げた赤ん坊と共にサーカスの一座に身を寄せる。それから20年。「笑う男」としてサーカスの人気者となっていたグウィンプレインであったが、切り裂かれた口によって顔に張り付けられた笑顔とは裏腹に、心に深い傷を負っていた。

🔸Database🔸
・邦題 :『笑う男（1928）』
・原題 :『The Man Who laughs』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1928
・日本公開 : 1929/01
・上映時間 : 111分
・受賞 : ※※※
・監督 : パウル・レニ
・脚本 :
・原作 : ヴィクトル・ユーゴー『笑う男』
・撮影 : ギルバート・ワーレントン
・音楽 :
・出演 : メアリー・フィルビン、コンラート・ファイト、ブランドン・ハースト

🔸Overview （参考:映画. com ）🔸
フランス文豪ヴィクトル・ユーゴーの長編名作「笑う男」の映画化で、「支那の鸚鵡」「言論の自由」等を脚色したＪ・クラブ・アレキサンダー氏が映画改作並びに撮影台本作成を行い、「支那の鸚鵡」「猫とカナリヤ」と同じくポール・レニ氏が監督した。主役は「ある男の過去」「芸術と手術」等出演のコンラート・ファイト氏と「君が為め命捧げん」「オペラの怪人(1925)」等出演のメアリー・フィルビン嬢との2人で、これを助けて「罪の街」出演のオルガ・バクラノヴァ嬢、最近物故したジョージ・シーグマン氏、サム・ド・グラッス氏、チェザーレ・グラヴィナ氏、スチュアート・ホームズ氏、等が出演している。

• #MyDVDArchive

短文感想 68点
ジャケがとてつもなく気になるクラシック映画。なかなか見れませんでしたが、dvdでようやく登場。かのジョーカーのモデルにもなったと言われている、口を整形され終始不気味に笑っている男が主人公の映画。別に悪人というわけではなく、むしろ悲劇に見舞われた人。見世物小屋で笑われているシーンはやはり胸糞悪い。そんな中、彼は目が見えない女性と恋に落ちるのですが、自分の醜い姿を、目が見えないからと言って隠しているのに嫌気がさしてくるのは心苦しい。完全に悪人の映画かと思いましたが悲しいメロドラマでありました。

• #tmy整理映画黎明期

「ジョーカー」の原点とも言われている、約100年前の白黒、サイレント映画。
幼い頃に父親の政敵に、「父親の愚行を一生笑う様に」と外科手術により笑った顔に整形されてしまったグウィンプレイン。その後、道化師「笑う男」として生きていかなければならなかった悲哀に満ちた人生を描いた作品。
ジャケから想像する様なホラー感はほとんど無く、悲しくて辛くても顔は笑っているという切ない心情や幼い頃から共に育った盲目の女性デアとの純愛を描いたストーリー。セリフがほとんど無いので、身振り手振りなどの演技に全てがかかっているのだが、これは凄い！めちゃくちゃ伝わってくる。常に笑っているのに泣いている表情。デアの演技と存在感、盲目ならではの愛情。お互いに優しく寄り添う2人が尊い。
ストーリーも貴族のあれこれに巻き込まれ、終盤は結構ハラハラさせられる。犬のホモ（名前）のさりげない活躍も良かった。賢い！
想像とは結構違ったが、中々の良作でした。