難病ものはあまり得意じゃないけどこれは良い。最初こそラブラブ具合にさっさとチューしろーとか思ってたけど、綺麗事だけじゃ済まされないのはちゃんと描いてたし、屈辱と思いやりの間で揺れるスティーブンと揺れながらも決意をもって生きるジェーンの姿には好感。
エディ・レッドメインはこれでアカデミー主演男優を取ったけど、体の不自由さの表現より動かせないからこその目や口元の表現力が良かった。フェリシティ・ジョーンズの可憐さと気丈さは言わずもがな。学術的なところはサラッと流す程度だけどそのバランスはちょうどいい。
終盤のペンのシーン、あれが素晴らしい。病気以降あまり表立って感情を表せないスティーブンが、人生哲学を聞かれたタイミングで思い描くどうってことのない行動。あそこに全てが集約されていて涙したよ。