1976年11月。職探しのためにオハイオを出たランダル・アダムスとその弟は、感謝祭の夜にダラスを通りかかる。そこでランダルは仕事を得ていたからだ。その週の日曜日、間違えて出勤した帰り道、彼の車はガス欠で動かなくなった。そこに通りかかったのがデヴィッド・ハリスである。彼は16歳の少年で、近所から盗んだ車に父親の拳銃を乗せてテキサスへ向かう途中、ダラスに着いたのだ。ガソリンスタンドまで歩くランダルをデヴィッドを乗せていき、二人は意気投合した。そして、ある夜、パトロール中の警察官が射殺される事件が発生する。逮捕されたのはランダル・アダムズだった。本作品は『Gates of Heaven』(1978)、『Vernon, Florida』(1981)に続くエロール・モリスの監督三作目で、彼の名前を一躍有名にした作品だ。その理由には並の映画では敵わない。死刑囚が冤罪だったとして釈放されたからだ。ヘルツォークがCBCのインタビューで語った"映画は世界を変えられないが、銃なら変えられてしまう"という発言に真っ向から挑む形になったわけだ。