プールサイドマンを配信している動画配信サービス

『プールサイドマン』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

プールサイドマン
動画配信は2025年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

プールサイドマンが配信されているサービス一覧

プールサイドマンが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

プールサイドマンの作品紹介

プールサイドマンのあらすじ

世界の狂気や悪意とは隔絶されたような北関東郊外の小さな町。水原勇介(今村樂)は市内の屋内温水プールで監視員として働いている。家族も友人も恋人もいない水原の生活は、単調に繰り返される日々がどこまでも続く孤独なものだ。ある日、水原は流行り病で欠員が出た隣町のプールへ、嫌われ者の同僚・白崎浩二(渡辺紘文)と共に応援として出勤することになるのだが…。

プールサイドマンの監督

渡辺紘文

原題
POOLSIDEMAN
製作年
2016年
製作国
日本
上映時間
117分

『プールサイドマン』に投稿された感想・評価

5.0
前作『七日』を観賞している身としては、(言っちゃ悪いが)このような非商業的な映画に、多くの観客が詰め掛けていることにまず驚いた。私がこの映画をみたのは新宿武蔵野館の水曜日のサービスデーで客席は何とほとんど満席。『七日』に比べて集客が多いのはやはり東京国際映画祭や海外映画祭で賞を受賞しているということが大きいのだろうか。ゲストの来場もイベントも無いのに、小さな自主映画にこれだけの客が詰め掛けることがまず異例の事態だろう。

作品は美しくスタイリッシュな白黒映像の長回し、繰り返す日常、言葉を一言も喋らない主人公、さらにキャストに俳優を起用しないなど、大田原愚豚舎の前作『七日』を踏襲した演出や類似点が数多くありながらも、驚くほど全く違う仕上がりの作品となっていた。

映画前半は主人公のプール監視員・水原の変化やドラマの無い日常が、白黒の静謐な映像で描写される。
その描写は病的に執拗であり、意図的に挑発的で、恐らく多くの観客が退屈に感じ、眠気を誘われる者もいれば、苛立ちを感じる者もいるであろうあまりにも大胆で野心的な演出なのだが『七日』に比べて『プールサイドマン』は、何か狂気じみた緊張感をはらんでいて目を離す事ができない。
牛飼いの男とその祖母の静かな生活を美しく描いた前作『七日』には確かに存在していた牧歌的な雰囲気がこの映画からは根こそぎ取り除かれているのだ。

ロボットのように仕事に従事し、映画をみて、インターネットにふけり、朝はシリアル、昼はカロリーメイト、夜はハンバーガーを食べ、ゾンビのように寝起きする水原は、この映画の中では明らかに非人間的な存在として扱われているように見える。

前半1時間、水原一人の孤独な生活を追いかけ、劇的なことが何も起こらないまま進行する『プールサイドマン』だが、中盤、この映画は監督の渡辺紘文が自ら演じる“嫌われ者の同僚”・白崎の登場によって劇的な変化をみせる。水原はペーパードライバーだとうそぶく同僚・白崎と共にインフルエンザで欠員が出たという隣町のプールに応援要員として通勤することになり、彼が最も嫌悪し忌避している社会(世間)の中へと半ば強引に、無理矢理に引っ張り出されるのだ。
孤独な殻に閉じこもり一人で生活することで其処を安息の場としていた水原が、自己中心的な同僚・白崎と無理矢理関わらされることで次第に正気を失い、狂気に侵食されてゆく過程は、観客へのいささか過剰とも思われる喜劇映画的なサービス要素を持ちながらも(これが相当に笑えるのであるが)実に不気味で恐ろしく感じられた。
水原と白崎の車中の会話劇のシーンはこの映画の最大の見せ場ともいえるものだが、何を考えているか分からない表情で黙って運転をし続ける水原と、怪物的存在感でよどみなく社会や世界への不平不満を水原相手にブチまける白崎との間には一触即発の空気が不穏に漂っていてブラックコメディーの領域を越えサスペンス映画やスリラー映画を見ているようなスリリングさがある。ワンシーンワンカットで描かれた大胆不敵なこの車中のシーンが成立しただけでも、映画としての狙いを完全に成功させたといえるだろう。

『プールサイドマン』の後半は現実と妄想と悪夢とが入り乱れ水原が社会や他者と関わることでどうなったかという顛末が描かれる。
最終的に水原がどこへ向かうのかは明確に答えが出されることは無く、解釈は観ているものそれぞれに委ねられるのだが、ラストシーン、自分には気が狂った水原が暴力やテロに身を投じたというよりも、むしろ正常であった一人のプール監視員が狂気や悪意に満ちあふれた社会へ逆に引きずり込まれたようにもみえた。プールサイドにいれば自分なりの幸福と世界を享受できていたはずの男が、プールサイドからプールの中に引きずり込まれたように感じられたのだ。そして水原が引きずり込まれた社会というのは、狂気や悪意が常態化した私たちが生きる世界(現実)に他ならない。

人ごみの中へと消えてゆく水原の後姿と祭囃子、そしてワルツがいつまでも心に鳴り響き続け、激しく心を掻き乱されるような映画体験だった。

2017年の日本映画の中で圧倒的異彩を放つ孤高の傑作。
TIFF2016

モノクロの撮影ということもあり、冒頭タイトル(最初にこういう風に律儀にキャストとスタッフを流す映画も今は減ったものだ)が終わった後に屋内プールの更衣室ロッカーを真正面から平行に捉えたショットには一瞬たじろぐ。なにやら異界めいた雰囲気が一気に立ち込める。普通の状況が普通に見えない。ロッカー内の忘れ物チェックでロッカーを端から端まで矢継ぎ早に開閉していくところのある種の「異常ではないのに異常に見えるさま」は、既にして作品世界を暗示しているようだ。

本作主人公の水原は映画中でただの一言も口を利かないし他人とコミュニケートするそぶりすらない。プール監視員を務めるプールでロッカーの中の忘れ物を確認し、ボイラー室で何かのチェックを行って表に記入し、ほとんど人のいないプール脇に立ってプールを監視し、休憩中のバックヤードでは同僚が楽しく雑談をしている中で机の端の定位置に毎回座り全く会話に加わらず、退社後はプール出入り口の喫煙スペースで一服し、水原以外に誰もいない映画館で映画を観て(必ず戦争映画の類い)、車でマックに行って晩飯、帰宅するとパソコンを立ち上げて何やら熱心に見入る(たまに微妙にニヤける。映画内で水原が表情を変化させるのはここだけ)。朝飯は常にシリアルの類。家や車内では毎回必ずテロのニュースか報道番組の音声が流れている。このサイクルが細部は微妙に異なるもののこれでもかと都合4回反復され、「終わりなき日常」が観客にも否応なしに印象付けられる。

水原が自分の「城」を築き上げ周りと関わらず、頑健な城壁で己の精神を外界からの刺激によって乱されないようにしていることと、テロという手段で世界を変えようとする連中とは、対話を拒んでいるという点である意味似たようなものだが、世界に関わる意思があるかないか、という点では根本的に異なりもする。

しかしながらプール監視員の同僚である白崎が、隣町にあるプールから人員不足でヘルプ要請を受けたが、自分はペーパードライバーなんで車の運転が出来ないので車に乗せて欲しい、と水原の領域に介入して以後、水原の精神が微妙に変調を来たす。変化がないがゆえの平和が崩壊させられるためだ(むろん、この平和はかりそめの平和だが)。

その「変調ぶり」は(端的に破壊衝動と言っても的外れではあるまい)映画内では然るべきイメージの乱反射として描かれているが(これは言葉にするといかにも陳腐化かつ矮小化に繋がるので観て頂きたい)、作品内で水原を取り巻く外界には具体的な痕跡は残していないように見える。映画の最後で祭の情景が、主要被写体であるはずのやぐらは奥にあるにも関わらず被写界深度がやたらと浅い撮影で収められる中、水原がその人混みの中に入って行く場面で(ここで深度が徐々に深くなる)、この男は「何か」をやらかすのではないか、と観客は皆不穏な空気を感じるはずだ。しかし、映画は人混みの中に消えた水原のその後を描かずにそのまま終わる。何かにコミットして行くことを暗示させる幕切れだが、それはあるいは水原が毎日ラジオか何かで聞いていたテロの類でない、とは誰も言い切れまい。しかし、いくらテロを連想させるような展開だとは言え、単にそういう文脈に収められない曖昧さがあり、これは観る人の数だけの解釈がありうる。

差異と反復、多様に解釈可能な曖昧な細部の集積。観ていて楽しい映画とは言えないが(とは言え、渡辺監督自ら演じる白崎が一方的に水原にしゃべり倒すシーンは相当笑えます。コミュニケーションが成立していない。水原がネガなら白崎はポジ。本質は似ている)、しかし一瞬も目が離せない。これは一般公開して欲しいものだ。観る人を選ぶ映画ではあるけれど。

ちなみに本作は音楽に独自のこだわりを感じさせ、一筋縄では行かない。冒頭いきなりリゲティの『ヴォルミナ』の強烈なトーンクラスター音響がぶちかまされ、さらには同じ作曲家の『ムジカ・リチェルカータ』の反復。シューマンの『森の情景』や映画館のロビーで毎回流れるシューベルトの『鱒』(殺伐としたロビーの雰囲気と温かみのあるシューベルトとのギャップがエグい)。エンドロールではキューブリックが『アイズ・ワイド・シャット』で用いて以来有名になったショスタコーヴィチのジャズ組曲のワルツかな、と前奏で思わせておいて恐らくは映画独自の意図的なパクリ楽曲が流れ始め、しかも『80日間世界一周』の有名なテーマも引用され、いかにもキッチュな印象を振りまく。そう言えば『ムジカ・リチェルカータ』は『アイズ・ワイド・シャット』にも使われていた。渡辺監督は意識しているんだろうか。単なる偶然?
菩薩
1.0
シンメトリーでミニマルな結局は変わらない世界。例えばTwitter上での旭日旗アイコンvsアベ政治を許さない同士のクソリプの応酬を延々と見せられているような映画、もっと簡単に言えば国会内での与野党によるブーメランの投げ合いを見せられているような映画、はっきり言って苦行。そんな事を繰り返したって次の選挙での与党圧勝なんて分かりきってるし、世の中はなんも変わらない。音響・撮影的な面白みはあるが、内容としての面白みは皆無、ただ延々とつまらぬものを繰り返し見せられるだけ。ただ正直この嫌悪感は同族嫌悪から来るものであってなんとも言い難い。これがまだ「狂気」として認定を受けている間はまだマシで、これが狂気では無く「日常」になってしまった時がいよいよやばく、そしてそんな未来はまぁまぁ近いところに見え隠れしている。ただ自分だったら他人を殺すくらいならさっさと首くくって死ぬ、もう一回言うけど俺がこの映画を嫌いなのは単なる同族嫌悪、自分を取り巻く全部が嫌いだってだけ。

『プールサイドマン』に似ている作品

普通は走り出す

上映日:

2019年10月25日

製作国:

上映時間:

100分
4.1

あらすじ

「蓮實重彦だろうが、アンドレ・バザンだろうが、淀川長治だろうが、佐藤忠男だろうが……!」など傍若無人に映画評論家への愚痴を炸裂させる大田原在住の自主映画監督。電話の向こうの「直井さん」な…

>>続きを読む

枝葉のこと

上映日:

2018年05月12日

製作国:

上映時間:

114分
3.8

あらすじ

横浜の自動車整備工場で働く隆太郎は、関わること全てに諦念を抱く無気力な男。無駄話に興じる職場の先輩や後輩。ガールズバーで出会った女の子。誰にも心の内を語らない隆太郎は、周囲からも変わり者扱…

>>続きを読む

お嬢ちゃん

上映日:

2019年09月28日

製作国:

上映時間:

130分
3.7

あらすじ

みのり 21歳。神奈川県鎌倉市で暮らすみのりは、観光客が立ち寄る小さな甘味処でアルバイトをして生活している。一見普通の女性に見えるが、どこか違う。普通って何なのか。みのりは他の女性と何が違…

>>続きを読む

夜を走る

上映日:

2022年05月13日

製作国:

上映時間:

125分
3.7

あらすじ

郊外のスクラップ工場で働く2人の男。40 歳を過ぎて独身、不器用な性格が災いして上司から目の敵にされている秋本。妻子と暮らし、気ままに人生を楽しみながら要領よく世の中を渡ってきた谷口。ある…

>>続きを読む

ビューティフル・デイ

上映日:

2018年06月01日

製作国:

上映時間:

90分

ジャンル:

配給:

  • クロックワークス
3.5

あらすじ

元軍人の主人公ジョーは、人身売買などの裏社会の闇に堕ちて行方不明になった少女たちの捜索と奪還を請け負うスペシャリスト。年老いた母親と静かな生活を送る一方、長年のトラウマに苛まれる彼の心中に…

>>続きを読む

蒲田前奏曲

上映日:

2020年09月25日

製作国:

上映時間:

117分

ジャンル:

3.3

あらすじ

第1番「蒲田哀歌」 監督・脚本:中川龍太郎 出演:古川琴音 須藤蓮 松林うらら オーディションと食堂でのアルバイトの往復で疲れ果てている売れない女優、マチ子。ある日、彼氏と…

>>続きを読む