検事、弁護人、父親、そして息子の作品情報・感想・評価

「検事、弁護人、父親、そして息子」に投稿された感想・評価

mallowska

mallowskaの感想・評価

3.3
ブルガリア制作だけど、旧ユーゴスラビア内紛を問うハーグ国際戦犯法廷で、ジェノサイドを問う物語。

異なる宗教の老夫婦、証言で嘘をつく美しい顔をした若者。

ボスニア旅行前に観ておいて良かった。
り

りの感想・評価

2.6
社会的/歴史的背景を理解していないと、最後までなにがどうなったのかわからないまま。

冒頭5分程は寝てしまいそうだな〜と感じたが、その後わからないなりにどんどん引き込まれた。
きっかけがなければ知ろうとすることもなかった歴史を知ることが出来た。

戦争や内紛に巻き込まれた若者や家族の物語は辛く、それに関わった者と側から見ていただけの者との温度差を見せられやるせない気持ちになる。
akekokko

akekokkoの感想・評価

2.5
EUフィルムデーズ最終日に行って参りました。
さて、今日はブルガリア映画だよー。

ボスニア紛争の戦争犯罪を司令官だった男が法廷で問われる映画。
法廷での証言を聞きながら戦争の背景を想像する。
ある意味それは映像を通して観るよりリアルな残酷さが残る。

証人として召喚された青年と、その家族。
ある日突然行方不明になった息子の帰りをただひたすら故郷で待つ両親。
ボスニアのだだっ広い草原にポツンと立つ家に、イスラム教の母親とキリスト教の父親、コーランの御祈りを終えた母親が父親に、さぁ、、十字架を切ってと額に十字架を切るシーンが印象的。

そして、弁護人と年老いた父。

証言の中のそれぞれの家族。

戦争映画であって、家族の映画なんだなぁって思った。

これは、実話に"基づく"ドラマとされている。
harukapi

harukapiの感想・評価

4.0
EUフィルムデーズにて鑑賞。
印象的だったのは、旧ユーゴ紛争に巻き込まれた人々の紛争がもたらした影響への葛藤と、その戦後処理に関わる「西側」の人々の自己を取りまく葛藤が克明に描かれていたこと。そしてそれらを横断する形で各々の親子の物語が描かれていたこと(ここに観衆が歩み寄れる余白があった気が)。

「法律が人間の管理をしなければ、この世の中は上手くいっていない」みたいなことを弁護士は口にしていたけど、それを聞くボスニア人?青年は複雑な顔をする。法律が機能するのはその法律を等しく厳格に取り扱う人同士の間だけであって、戦争下で法律で禁じられているからと理性が働く人間なんていないに等しいよね。戦争が一旦終わったからこそ言える法律の綺麗事。

「西側の人たちはちょっとちがう」て笑って話すボスニア人の若い女性や「自分たちの国で醜い殺し合いがあったときにも、ここは変わらず美しかったんだろうか」とアムステルダムの街並みを眺めるボスニア人のお父さんの言葉。日本から見たらボスニアも西側だけれど、彼らから見た西側諸国はどんな国なんだろうか。

ハーグ戦犯法廷の人々は正義をかざしつつも、やはり他人事のようなところがある。通訳の最中に言葉に詰まる女性を見て、彼女はボスニア系か?知らないわ、と言葉を交わす。検事の女性は自分が女であることにキャリアやプライドにコンプレックスを抱く(監督が女性だからこんな場面もあるの?)。ボスニアの人たちにとって終わりなき苦悩を扱う法廷ではそれぞれの意地が闘い合う。

最後のテロップで出た「この作品は全くのフィクションであり似たような例があっても全くの偶然です」という文言が戦後も続く葛藤を物語るようだった。
映像も美しいし、投げかけられるメッセージのバランスも良くて、とても良作でした。
erigio73

erigio73の感想・評価

3.8
この物語はフィクションであり、現実に似たようなことがもしあってもそれは偶然です、というテロップが出た。これにより逆にこのストーリーは全て現実にあったことなのだろうという確信が持てた。静かなのに力強い父と息子の再会のシーン。緊迫感のある物語と美しい映像のどちらもとても良かった。監督プロデューサーのどちらも女性で迫力のある人達だった。
EUフェルムデイズにて

ブルガリア映画であったけど、内容の中心となったのはボスニア人の国際戦犯法廷の話

上映後のティーチインで司会の方の映画の説明にもあったけど父と息子の関係がこの物語の核なんだと見ていても思った
国際戦犯法廷で、本当に複雑な利害も絡んでいる状況の内容だったけど、法廷でボスニア人親子が再会した時今まで真剣に弁論していたものが一瞬にして力を失ってしまったかの様な場面だった。

本当に苦しい状況に生きてきた旧ユーゴスラビアの人だけれど、劇中でボスニア人通訳の女性がオランダ人の弁護士に対して『西側の人は冷たい』(だったと思う)という様な事を笑いながら言っていて
彼女やボスニア人親子からは言葉にするとチンケになってしまうが人間味みたいなのが感じられる
それは熱心な信仰だったり家族に対する思いが素直だからかな


この作品、配給もついて一般公開になったら良いのになー
Yarrtt

Yarrttの感想・評価

3.0
ブルガリア人監督による、ボスニアと国際戦犯法廷に関する実話に基づいたメッセージ性の強い作品。
法の主題でもあるが、それ以上に宗教と血縁が招く悲劇に重きを感じた。

他国の非常に民族的な問題を主観的に扱おうと思った/できたのは、10年に及ぶ取材と、「同じバルカン半島」で文化が近いからだとか。


同監督によるドキュメンタリー映画、「Murder Stories」は実際の殺人容疑で死刑判決を受けた3名を取材したもので、これはブルガリアの死刑制度撤廃を助長したという。

今作はドキュメンタリーではないし、芸術と現実を混ぜるのは大変だと監督も語っていたが、これはこれでコンテンポラリーアート・プラクティスと言えるのではないか。

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