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多重障害
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『多重障害』に投稿された感想・評価

菩薩
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意図せず後方の席で観たが為にこの2時間の鑑賞にすら耐えられない君達は…となった。軽度の(と言っても目は見えるくらいのレベルであるが)障害児は重度障害児のサポートに回る、明らかにサポート側の人数が足りていない感はあるが社会を円滑に回す為の相互扶助、が出来ない君達は…となった。徹底したトレーニングと成功体験、時には型を決めるでもなく必要に応じた個別指導。最後が妙に胡散臭く宗教絡みで終わるのがなんともであるが、改めて自ら目を伏せ耳を塞ぎ周りを省みることをやめた後天的障害に溢れかえった現代社会を思う。
フレデリック・ワイズマンの撮るヘレン・ケラー的障害者達って結構見応えありそうという下種的発想で見たわけだけど、思った以上に哲学的な内容で色々考えさせられた(というか色々勝手に考えてしまった)

多重障害と言ってもヘレン・ケラー的人物は最初にチョロっと映っただけで基本的には知的障害者の要素が強めだったけれども、食事風景とかにおいて彼らが目や耳の見えないチンパンジーみたいに思えもして、野性的なり本能的なりには自然に感じられる行動でも人間的に見たときに異常と感じてしまうのが不思議に思え、普通とか異常とかの基準についてつい考えてしまった。

他にも人間として動物として生物として生きることについて思いを巡らしてしまうシーンがいくつもあったが、この作品で映っていた人物らに一種神秘的なものすら覚えたのは奢りだろうか。

余談だが、こういう中々評価しにくい作品について自分はよく星をつけないことにしているけど、そうすると自分があまり好きでない濱口竜介の作品と同列に位置づけるように思えてそれはちょっと違うと思うし、かと言って他の満点作品同様に「死ぬ前に見たい作品500」として扱うのも躊躇われる(この作品を死ぬ前に見たらまた生きたくなる可能性もあるから)ので、今回は例外的にタグを付けない満点作品としたい。
「フレデリック・ワイズマンの足跡1967-2023」にて。
1986年の作品。アラバマ聾盲学校ヘレン・ケラー校の日常。
比較的近年のフレデリックワイズマンから入った俄か者なのだが、古いワイズマン作品は経営者の景気の悪いお話や会議のシーンは少なく、淡々と日々の営みを捉えることの比重が大きく、より強く独特な詩情をたたえている気がする。
目も見えず耳も聞こえない子供がひなたぼっこをして、肌に触れる太陽の光を静かに感じている様子とか。
ワイズマン特有の静謐な撮影スタイルが、安易な同情ではなく洞察を促し、時折ユーモアすら感じさせるのもこの手の素材の映像では特異な点で、そこもさすが凡百のドキュメンタリーとは違う作家性を思わせる。
深い思慮と大きな忍耐を強いられるであろう職員たちの辛抱強い仕事ぶりには本当に頭が下がる。
現在の日本にも言えるが、こういう人たちに適切なバックアップがある社会であって欲しい。

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