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かえりみち
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目次

かえりみちの作品紹介

かえりみちのあらすじ

震災後、離れ離れに暮らす自らの家族を記録する。年月が経ち、帰れなかった家へ行くが…。原発問題・将来・家族、目まぐるしく変化する環境に晒される私たちに帰るところはあるのか。

かえりみちの監督

かえりみちの出演者

原題
製作年
2017年
製作国
日本
上映時間
48分

『かえりみち』に投稿された感想・評価

kirito

kiritoの感想・評価

4.1
【人間】

「震災の前にお婆ちゃんが死んでいて良かった。」

3.11を境に人生が変わってしまった人は沢山いる。原発からわずか10キロの距離の実家に住むことができなくなった大学生の大浦が撮った等身大のドキュメンタリー映画。

親友とのかえりみちはここが分岐点だった。そう話す彼女。彼女たちは高校生活も離れ離れになり、文字通り3.11が分岐点となってしまっている。

「被災者であること」その一点でお互いが気を使い本音でぶつかり合うことができなかった家族。父が原発作業員だったことも重なりその心情の複雑さは想像に難くない。

自分の撮影した図、テロップ、過去のビデオ画像と構成自体に特段新しさはないけど、大学生でドキュメンタリー映画を撮る仕事をしたいという大浦の処女作として間違いなく最高の出来だと思う。
この映画が評価されるのは「第三者」としての視点ではなくあくまでホームビデオの延長のような「等身」を映していることにある。大浦家だけじゃなく、付近に住む多くの人間にとっての現実なのだ。

雑草も生え、猪がくるそこは確かに命が息づいている場所で家だって壊れていない(見た目は普通の家だからテレビ中継さえされない)のに「放射能」という眼に見えない的が彼女たちの帰宅を拒む。

いつか帰れるか?はたまた帰ることを諦めるか?
彼女にとっての本当のかえりみちは…

※限定公開中
https://youtu.be/x67WKLIBNbw

2020.5.1
tetsu

tetsuの感想・評価

4.2
ムーラボで監督を知り、twitterから限定公開をしていたので、気になって鑑賞。

震災で自宅からの避難を余儀なくされ、新たな住居での生活を始めた大浦家。
あれから数年、全てが変わってしまったある家族の記録。

監督のムーラボ作品『afterimage』を観たときから、本作が、どうしても気になっていたので、この機会に観ることが出来て良かった。

本作の後日談となる『afterimage』では、「大浦家が住んでいた住居のその後」が描かれていたものの、その意味合いは本作を観て、初めて理解できるようにも感じた。

生まれ育ってきた大切なわが家で残された過去の記録と、現在の厳しい状況。
親密さを感じる家族の会話によって、重たさはかなり軽減してうつしだされていたけれど、2つの映像が交錯していく様には、少しずつ胸が痛くなった。

同じく、「311の後」を題材にした劇映画に『風の電話』という作品があった。
そこでも描かれていた「草が生い茂った実家」という描写が、ドキュメンタリーとして生々しく記録されていて、正直に言うと、現実から目を背けたいと思ってしまう自分もいた。

「作り手が映像を記録する過程で、対象との関係性が変化してしまう。」
これはドキュメンタリー映画界を代表する監督・森達也さんの作品にも通じるものだと思うけれど、
本作では、その対象が「家族」になっており、現実から目を背けずに「記録すること」にこだわる監督の覚悟には、言葉では簡単に言い表せない複雑な気持ちになった。

ただ、
これから先も監督が記録する映像を観ていたいと思った。

参考
監督のtwitter
https://twitter.com/sukoyaka_m/status/1255474971339567105?s=19
(本編はコチラから、期間限定で鑑賞できます。)

1994 — 『手記』(2015)
https://nandemomemosuru.tumblr.com/post/612283868256632832/%E6%89%8B%E8%A8%982015
(本作のプロトタイプとなった短編ドキュメンタリー『手記』と監督の雑感。)
eye

eyeの感想・評価

3.6
かえりみち (2017)

2011年 3月11日 東日本大震災 発生
同日 福島第一原子力発電所事故 発生

原発事故により故郷である福島県 浪江町から
避難せざるをえなくなった現状が描かれる

帰るわが家を失ったことから
親類の家や避難所を転々したこと

そして

大浦監督自身が“被災者”であること

上記に違和感を抱いた所から
このドキュメンタリーは始まっている

主演は大浦監督自身・家族・ぐりという犬

平成30年10月に実施した浪江町民 意向調査 (※1)

「帰還したいと考えている」11.8%
「まだ判断がつかない」  30.2%
「帰還しないと決めている」49.9%

データから見ても5割の人は故郷には
「もう戻らない」決断を下している

体験していない自分が語るには
おこがましく想像絶する世界ではある

劇中 大浦家が時々故郷である浪江町へ一時帰宅し
家の近況を把握したり整理をしている

大浦監督の父は元来
福島第一原子力発電所の作業員であり

この現実と常に向き合い続けていて
それは今もなお続いている

大浦監督の父は原子力発電所事故後に

聞こえてくる周囲の声や見解の違いにも
違和感を持ち合わせていた

自身や家族にカメラを向けていく中で
故郷である浪江町に一時帰宅を行なうたびに
大浦監督は常に喪失感を感じている

雑草が家を取り囲みバルコニーには
穴が開き続ける環境をみて

いつになったら帰れるのか 
はたまた戻るのか大浦家は揺らいでいる

家族はそれぞれの現在離散的に生活し
今後 帰るべき場所を模索し続けている

「故郷である家をどうするのか?」

まるでそこだけ時間が止まったような環境の中で
家が存在し形を残す中でその頃の記憶も残し続けている

この作品を観て感じたことは

・あの日起きた出来事は様々な人の価値観や概念を一瞬で変えた

・体験してない人にはこのツラさを想像するのは簡単でない

自分と向き合うだけでなく
家族や友人そして動物を含む環境にも
向き合う必要性が出てくる

地震や事故から8年経過しつつも
今なお問題は続いていて先は見えていない

※この作品の続編にあたる "Afterimage"が
これから2019年秋に公開されるとのこと。
チャンスがあればゼヒ鑑賞してみようと思う。

※1 浪江町の現況
https://www.town.namie.fukushima.jp/soshiki/2/namie-factsheet.html

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